ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

日本

【週末だけのグローバル投資】日本・韓国・台湾・香港で新型コロナウイルスの被害が少ない理由「HLAハプロタイプ仮説」「SARS類似抗体仮説」



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第498号 日本・韓国・台湾・香港で新型コロナウイルスの被害が少ない理由「HLAハプロタイプ仮説」「SARS類似抗体仮説」

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社

                      関東財務局長(金商)第1173号
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★




会員さんからご紹介いただいた記事をベースに、いろいろ考えたことを書きます。

まずは「HLAハプロタイプ仮説」について。

下の記事がよくまとまっていますから、まずはお読みください。

==========================
日本(アジア)の新型コロナ感染者、重症者、死者が欧米よりはるかに少ない理由はHLAと仮定するとドンピシャにはまる
More Access! More Fun永江一石のITマーケティング日記
2020年5月3日
https://www.landerblue.co.jp/50000/?fbclid=IwAR19Z1cWZUME9lCSdbjnSh8MtfOyho9st7CGz2zmYpk8x7YMDoKSrTKPZa8
==========================



おおむね的を射ていると思いますが、ひとつだけ異論を述べます。

永江さんは実効再生産数(R0:アールノートまたはアールゼロ)が下がり始めたのを見て

「日本は3/25、非常事態宣言2週間前にピークアウト!!!」

と書いています。

この表現はご本人が「ピークアウトと書いているのは正確には「増加率が鈍る」」とあらかじめ書いているので、間違いではありません。



しかしこの病気の厄介なところは、治るまでが長く病床を占領し医療崩壊を起こしてしまうことです。

だからたとえ4月7日時点でR0が0.7に下がっていたことがわかっていたとしても、やはり非常事態宣言をすべきだったと思います。

当時はまだ新規感染者数が伸び続けており、天井は見えていませんでした。

実際に感染者が多い都市部では医療機関の病床が足りなくなり、軽症者をホテルなどに移して収容せざる得ませんでした。

関東甲信越や関西では、人工呼吸器やECMO装着の重症患者が3月終わりから4月終わりまで増え続けています。



それが5月に入ってから新規感染者数を治癒者数が上回るようになり、病床も空いてきました。

今週になってその傾向が明らかとなり、ようやく「解除が見えて来たかな」と思えるようになったのです。

確かに地域によってはもっと早く解除しても構わなかったと思いますが、関東・関西・北海道・北陸の一部について解除を考えるのはこれからです。

この記事に当時の人工呼吸器やECMO装着数の推移を残しています

  ↓ ↓ ↓
--------------------------
2020年05月02日07:30
週末だけのグローバル投資】中国新型コロナウィルスの衝撃 (24)日本の2月超過死者はマイナス。ただし感染初期で参考にならず
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51268629.html
--------------------------

最新版はこちら
https://covid19.jsicm.org



さて上の記事では興味深い記事や論文をいくつか引用しています。

そのひとつは、私が執筆等でしばしば(勝手に)お世話になっているオール・アバウト・サイエンス・ジャパン(AASJ)のものでした。

==========================
新型コロナウイルスへの感受性についての研究が少しずつ始まっている(4月17日号 J.Virology オンライン掲載論文)
2020年4月26日
https://aasj.jp/news/watch/12923?fbclid=IwAR0LOj8l8nOjdBMyHiqFipmDKUzjCjmhQQzpzpMb2rhIXAeU-wu-i3sDB2I
--------------------------
この研究では、新型コロナウイルスがコードする10種類のタンパク質からできると想定される48,395種類のペプチドから、HLA-A,B,CそれぞれのMHCと結合して提示される可能性があるペプチドを32,257種類選び出し、現在得られる145種類のHLAそれぞれとの結合性を計算している。

結果は、多種類のペプチドと結合できるHLAから、ほとんどコロナ由来ペプチドとは結合できないHLAまで極めて多様であることが明らかになった。もう少しわかりやすくいうと、HLAによって、ウイルス抗原を捕まえてT細胞を刺激する力が大きく違っていることを示している。もしウイルスペプチドと反応できないHLAタイプを持っていると、T細胞免疫が成立しないので大変だ。

ただ多くの人では6種類のHLA分子が存在しているので、それぞれが互いにカバーしてくれてあまり心配はないと思うが、今後実際の病状とHLAの関係がわかってきた時このデータは重要だ。

一方、少し安心できるデータもある。この研究では新型コロナウイルスから生じるペプチドと、一般的な風邪などで私たちが感染するコロナウイルスから生じるペプチドを比較して、564種類のペプチドが4種類の一般的コロナウイルス由来のペプチドと完全に一致するこをと示している。

この結果は、もし風邪などのコロナ感染ですでにT細胞免疫ができておれば、その一部は新型コロナの抵抗力として働くことを示している。この新型、旧型コロナ共通のペプチドと結合するHLAを計算すると、最も結合力の強いHLAの分布は嬉しいことにアフリカに多い。一方、ほとんどコロナのペプチドに結合できないHLAはヨーロッパ、中国 オーストラリアなどで頻度が高い。

この指標だけで見ると、日本は全て中庸で、これはアメリカも同じだ。(略)
==========================



これを要約すると以下のようになります。

--------------------------
  •  HLAタイプによって、新型ウイルスに対して反応できるものからほとんど反応できないものがある
  •  反応できないとT細胞免疫が成立しないので、大変である。
  • もし風邪などのコロナ感染ですでにT細胞免疫ができていれば、その一部は新型コロナの抵抗力として働く
  •  新型ウイルスに抵抗力が強そうなHLAはアフリカに多い
  •  抵抗力が弱そうなHLAはヨーロッパ、中国 、オーストラリアで頻度が多い
  •  日米は中ぐらい。
--------------------------



欧州や豪州も弱いとなると、白人の中にも比較的弱い人々がいるのかもしれませんね。

被害状況を見ると、ラテン系の人々かなという気がします。

逆にアフリカが強いようなので、そちらはあまり心配ないのかもしれません。



さらに興味が湧いて、人種や国ごとのHLAアリル頻度を調べようとしました。

永江さんも指摘するように、新型コロナの正式名称はSARS-CoV-2でありSARSの亜流です。

私も最初の頃は英語の論文や記事を読んだとき、今回の新型ウイルスを単に「SARS」と表記してあったりしたので混乱しました。

だからSARSに対するHLAハプロタイプの強さを調べたら、何らかのヒントが得られるはずです。

永江さんによると、HLAハプロタイプ
--------------------------
DRB1*12 はSARSに対して弱い
DRB1*13 はSARSに対して強い
--------------------------
--------------------------
HLA-B * 46:01は新型コロナに弱い
HLA-B * 15:03は新型コロナに強い
--------------------------

などの可能性が示唆されています。



私の検索能力の限界を感じつつ調べたところ、HLA-B * 46:01の頻度だけは見つけることができました。

これを見ると中国南部や台湾に新型コロナに弱いHLAを持つ人が多く、2割近く存在します。

次にベトナム13.2%、タイ9.2%など。

日本は5%でずっと低いのですが、なぜか愛知県は7.6%と高めです。

韓国はさらに低く4.4%となっています。

==========================
HLA-B46
https://en.wikipedia.org/wiki/HLA-B46
--------------------------
ref.    Population    (%)
[5]    Buyei (China)    21.6
[5]    Miao (China)    18.4
[6]    Han (2) (Yunnan, China)    17.9
[6]    Thai (in Singapore)    17.2
[6]    Southern Chinese (in Taiwan)    17.2
[6]    Chinese (in Hong Kong)    16.3

[6]    Wuhan (China)    13.5 ←武漢

[6]    Chinese (in Singapore)    13.4
[5]    Vietnamese    13.2

[6]    Shanghai (China)    11.2

[6]    Thailand    9.2

[6]    Aichi (Japan)    7.6

[6]    Beijing (China)    6.8

[6]    Northern Han (China)    5.7
[6]    Japan (3)    5.0

[6]    South Korea (3)    4.4

[6]    Okinawa (in Hawaii, USA)    1.0
==========================



HLAアリルのひとつだけ見て判断できるわけでもないのですが、ちょっと不思議な気がします。

上記リストで遺伝子的に弱いはずの台湾や香港が、なぜ今回の新型コロナを完璧に抑え切ったのか?

改めて2002-2003年のSARSを調べたところ、単純なことに気が付きました。

それらの地域は当時SARSで被害を受け、次の流行への準備ができていました。

さらにそのとき、類似免疫を獲得していた可能性が高いのです!



2002-2003年SARS感染マップを見ると、広東省で始まったはずが香港で大きく広がっています(中国政府が隠蔽したと言われています)。

その後は中国に広がりましたが、ほとんど広東省など南部と北京周辺でした。

その後は台湾に広がり、終息を迎えました。

それらの地域では今回の新型コロナに対し、全く同じ抗体でなくても類似のものを獲得している可能性が高いのです。

これを「SARS類似抗体仮説」と呼びましょう。

==========================
SARS 重症急性呼吸器症候群
世界への感染拡大
--------------------------
国・地域別に見た感染者数の推移(2003年3月から7月)。もともと広東省で始まったが、中国政府はそれを隠蔽した疑惑がもたれている。その後は香港で感染者が増え、中国本土・カナダ・台湾での流行がこれに続いた
SARS_stat


















--------------------------
2002-2003年、中国本土でのSARS被害。ほぼ広東省と北京周辺のみ。
Distribution-of-SARS2002-2003























==========================



そのように考えると、いろいろ腑に落ちることがあります。

今の新型コロナが猛威を振るった湖北省周辺や、遅れて感染が伝えられている黒竜江省・吉林省など東北部は2002-2003年にSARSの被害をほとんど受けませんでした。

しかし遺伝子的には弱さを抱えているため、その亜種によって17年越しの「第二波」をいま食らっている可能性があります。

欧米も同様に、17年前に被害が少なかった分だけ「いま」被害を食らっているのでしょう。

==========================
中国本土のCOVID19感染マップ
日本経済新聞社
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-china-map/
--------------------------
COVID19MLchina
















==========================



すると韓国や日本で被害が少ないことも説明できてしまいます。

それらの国は

--------------------------
  • もともと遺伝子的に弱くない上に

  • 中国・香港・台湾との交流が多く、17年前からSARSやMERSが入り込んで今回の新型コロナに類似した免疫を持っている
--------------------------

と考えられるからです。

韓国も検査やり過ぎで感染爆発を起こしかけたと思ったのに、あっという間に収まってしまいましたもんね。

また、いま広東省やシンガポールで感染している人々は外国から来た労働者が多いという話とも整合的です。もしかするとそれらの地域に来て時間が経っておらず、抗体を持っていなかったのかもしれません。



しかし、どうりで日本は
  • 中国から春節旅行者をあれほど受け入れても
  • 米英に比べて渡航制限が遅れても
  • クルーズ船乗客をすぐ解放しても
  • 満員電車に乗り続けても
欧米諸国よりはマシだったはずです。

超過死者がマイナスになりそうだなんて、どう考えても異常ですよ…。

逆に言うとそんな日本でさえ対策しなければおそらく医療崩壊を起こしたであろうということが、今回のウイルスの恐ろしいところなんですけどね。

この説によって油断するつもりは全くありませんが、何に注意すれば良いのか明確になってきた気がします。


(終)



-----------------------------------------

参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。


-----------------------------------------

金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。

またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。

弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。

ワイルドインベスターズ会員サイト
http://www.wildinvestors.com/member/


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto:wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



【週末だけのグローバル投資】中国新型コロナウィルスの衝撃 (24)日本の2月超過死者はマイナス。ただし感染初期で参考にならず



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第495号 中国新型コロナウィルスの衝撃 (24)日本の2月超過死者はマイナス。ただし感染初期で参考にならず

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社

                      関東財務局長(金商)第1173号
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★





「日本は死者数の発表が遅い」

と、失礼なことを何度か書いてしまいました。

よくよく探してみると、ちゃんとデータがありました。

人口動態統計の速報値が、約2ヶ月遅れで見られるようです。

e-Stat 政府統計の総合窓口
https://tinyurl.com/y7w27484



最新のものは2020年2月分で、死者数は117,010名。

過去5年2月の平均を取ると117,455名となり、その差-445名となります。

その時点では、日本の超過死者はマイナスだったということです。


月間死者 過去5年平均 超過死者 累積感染 累積死者
2015年2月 111,272



2016年2月 115,605



2017年2月 117,624



2018年2月 123,734



2019年2月 119,039



2020年2月 117,010 117,455 -445 241 5



ただし2月末時点の日本ではまだ感染確認が241人、死者が5人しか出ていません。

広義の犠牲者はまだ、それほど出てはいなかったでしょう。

超過死者がマイナスとはいっても、「コロナ被害にもかかわらず」とまでは言えない気がします。



ちなみにたまたまですが、韓国のデータも一部知ることができました。

今年2月の死者が前年同月比10.9%増加したという、中央日報の記事を読んだからです。

記事にある数字から逆算すると、「今年2月の死者は昨年より2,500人多かった」ことになります。

25419*(1-(1/1.109))=2498

==========================
(Google翻訳)
子供の泣き声よりも頻繁ゴクソリ・・・韓人口減少率つい
【中央日報】 入力2020.04.28 12:00 修正2020.04.28 17:05
https://news.joins.com/article/23764940
--------------------------
今年2月にも、子供の泣き声よりもゴクソリが多かった。四ヶ月連続で死亡者数が出生児数を超えた。韓国の人口減少に速度がついた。
 
統計庁が28日に発表した「人口動向」レポートを見ると、今年2月の出生児数は2万2854人である。前年同月と比べて11.3%減少した。2月に出生児数を基準に統計を作成し始めた1981年以来の低だ。  
 
逆に死亡者数は過去最大を記録した。2月2万5419人で、前年同月比10.9%増加した。月間死者の統計を取り始めた83年以降で最も人数が多かった。死亡者数の急増、出生児数が急減に人口が減少する現象が4カ月連続続いている。  (略)
==========================



しかしその当時、韓国もまだ感染の初期段階でした。

2月末時点のコロナ感染者は3,526名、死者は17名となっています。

また過去5年と比較したわけではないので、前年の死者が極端に少なかったり今年の冬が特に厳しかった可能性もあります。

たとえ広義のコロナ死者がいたとしても、2月末時点ではそれほど大きな数ではないと思います。



さしあたり、2月時点での数字で分析してみました。

関東では気温や絶対湿度が上がり、新規感染者が減少傾向にあります。

人工呼吸器やECMO(エクモ)を装着する重症者も急速に減り始めました。

特に医療関連・介護関連の皆様に感謝しつつ、3月の数字を待つことにします。


--------------------------
(グラフ出所)日本集中治療医学会
COVID-19 重症患者状況 日本COVID-19対策ECMOnet集計
https://covid19.jsicm.org
--------------------------

人工呼吸器20200501















ECMO20200501















ECMO累積20200501












(終)



-----------------------------------------

参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。


-----------------------------------------

金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。

またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。

弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。

ワイルドインベスターズ会員サイト
http://www.wildinvestors.com/member/


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto:wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



欧州死亡率モニター(EUROMOMO)で見る超過死亡者数。ドイツは増加せず? じゃあ日本なんかマイナスでは


新型コロナウイルスによる真の死亡者数を、例年に対する超過死亡者数で考えるという記事が増えて来ました。

死者数であれば隠蔽が難しく、たとえ死因を別のものにしても誤魔化すことができません。また平時であれば助かったようなケガや病気でも、医療崩壊などの影響によって亡くなってしまった間接的な犠牲者もカウントすることができます。日本も今年ぐらいはそのようなデータを早く出してくれたら良いですねと、このブログでも何度か書きました。



下もそのような記事。メインテーマは「フランスの分断」で、貧困地区で死者が激増し暴動や警官襲撃が増えていると書いてあります。

その中に超過死者が295%増加、つまり死者が例年の4倍になった地区もあるとのことでした。

==========================
貧困地区で死者激増、警官と衝突も 新型コロナが浮き彫りにするフランスの分断
2020.04.27 Mon posted at 18:06 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35153032.html
--------------------------
(略)新型コロナウイルスがこうした地区に及ぼす過酷な影響は、死者の統計にも表れている。フランス国立統計局によると、ビルヌーブ・ラ・ガレンヌの隣のセーヌ・サンドニ地区では3月30日から4月5日にかけての死者が、例年のこの時期に比べて295%増加した。ビルヌーブ・ラ・ガレンヌがあるオードセーヌ地区の死者は255%増だった。

一方、同じ時期のパリの死者は174%増、フランス全体では61%増にとどまる。(略)
==========================



下も欧州の超過死亡者数について考察し、第13-15週は「週に約2万人多かった」としています。

==========================
欧州で「超過死亡」深刻 新型コロナが押し上げ
2020年04月28日07時10分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042700611
--------------------------
 【ベルリン時事】欧州で、過去の統計などから予想される死者数に対して実際の死者数がそれを上回る現象である「超過死亡」が、新型コロナウイルス感染拡大が本格化した3月半ば以降に深刻化している。超過死亡は、疾病の社会的影響を単純な死者数より正確に測れる指標とされ、欧州の状況の深刻さが改めて浮き彫りとなっている。

英仏独やイタリア、スペインなど欧州主要国が参加するデータベース「欧州死亡率モニター(EUROMOMO)」によると、全死因の超過死亡の人数は、第13~15週(3月下旬~4月中旬)に、週1万8000~2万1000人で推移。直近の16週は約1万人だった。集計のタイムラグで、今後さらに増える可能性もあるという。インフルエンザが流行していた2018年のピーク時でも、週1万1000人超だった。

新型ウイルスの死者は、死亡リスクがもともと高い高齢者らが大部分のため、流行が全体的な死者数を例年より押し上げるかは不透明な部分があった。しかし、例年の高齢者の死者数を考慮に入れた基準値も上回る死者が出ていることで、新型コロナの影響の大きさが示された形だ。(略)
==========================


この記事の中で、欧州死亡率モニター(EUROMOMO)なるものがあると書いてあるのが気になりました。検索して見ると、非常に有意義なデータを見つけることができたのです!

--------------------------
EUROMOMO
Graphs and maps
Last updated on week 17, 2020
https://www.euromomo.eu/graphs-and-maps/#map-of-z-scores
--------------------------



まず欧州全体の超過死亡者数を年齢ごとに見てみます。


EUROMOMO20200428_1

















(出所:EUROMOMO)



0-4歳、5-14歳は例年より増えておらず、むしろ少ないぐらいです。

0-14歳は新型コロナウイルスによる実質的な被害がほとんどない

ということです。

それに対して15-64歳では今年に入ってから急増し、1万人を超える週もありました。それが今は急速に下げてきています。

65歳以上はさらに顕著で、7万5千人の超過死亡者を出した週がありました。

ただしこれらの数字は後から修正されることもあるので、油断は禁物でしょう。



次に国別のデータを見てみます。





EUROMOMO20200428_2
















(出所:EUROMOMO)


縦軸がz-scoreとなっています。ここでは平均0、標準偏差1に調整したという意味のzスコアですかね。国によって人口には差があるため、「標準偏差の何倍か」を比較しているのかもしれません。単純に人口比でやれば良いような気がするのですが、データを取るのが大変であればまずはOKとしましょう。

するとフランスやイタリアの超過死者は、ようやくピークを超えた感じ。

しかし驚くことに、ドイツはほとんど例年と同じです。

後から修正が入るのでなければ、

昨日時点で新型コロナウイルスによる死者6126人のドイツも、今のところ超過死者は増えていない

ということになります。

もちろん新型コロナウイルスによって、患者や医療関係者が亡くなっていることは事実です。また経済活動が犠牲になっているため、今後は経済的困窮などから自殺が増える可能性もあります。この疫病によって多種多様な被害を受けている人々が何億人もいるという事実に変わりはありません。

しかし「現時点で」「超過死者という観点だけから」見るのであれば、例年ならば別の要因で死んでいた人が「今年はコロナによる死亡に原因が振り替わっただけの国もある」とも言えるのです。



ドイツがその状態だとすると、人口が1.5倍で死者385の日本はそれよりも少ない結果になるんじゃないですかね。

今年はインフル患者も少なかったようですし、みんな手洗いマスクを徹底して外出も控えました。

この期間の日本の超過死者数はマイナスになると予想します。



ついでに他の主要国も見てみます。


EUROMOMO20200428_3

















(出所:EUROMOMO)



オランダ・スペイン・スイスなどを見ても、超過死者が増えた後にまた減り始めています。

英国だけが増え続けていますが、ここから温度や絶対湿度がさらに上がるでしょうから「今シーズンは」何とか逃げ切りそうな予感がしています。


このようなサイトを教えてもらえると、データ厨としては嬉しいですね。

生データをいじくりまわして分析したくなります。

実は日本もデータ大国なのですが、なぜかExcelの表になっていることが多く使いにくくて仕方ありません。

是非ともデータベースとして提供していただけるよう、関係者の方にはお願い申し上げます。

(終)


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
記事検索
ディスクレーマー
金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。 またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。 弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。 http://www.wildinvestors.com/member/
新刊出ました!

地方出身親のための中学・大学受験: その全体像と基本戦略
https://amzn.to/3BY6SHF


高知能者のコミュニケーショントラブル: IQが20違うと会話が通じない
https://amzn.to/3Aee8Op


高知能者のコミュニケーショントラブル2: 人間は自閉的知能を持ったサルである
https://amzn.to/3dmiGt8


ビットコインはなぜヤバい: フィンテック時代のデジタル投資詐欺
https://amzn.to/3Tn9ZQv


ジャパンヘイターとサイコパス支配: 善意で滅ぶ先進国
https://amzn.to/3Vfgp74


ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016
https://amzn.to/3x543UQ

QRコード
QRコード
プロフィール

逆張り投資家

  • ライブドアブログ