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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第599号 株価が急反発してもなかなか損失が消えない理由(X割上げ下げするとXの2乗%損をする)
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
関東財務局長(金商)第1173号
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8年以上前に書いた下の記事ですが、最近になってまた多くの人々に読んでもらっているようです。
これは「ダブル(トリプル)ブル投信はその場で上下に動くするだけで損をする」という話でした。
だからと言ってそれを売ると、毎日儲かっている状態から「突然死」する可能性があると。
上級者でも扱いが難しい商品なので、気を付けてくださいという結論でした。
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2013年05月26日00:24
似て非なるもの。レバレッジ2倍とダブルブル投信の違い(シミュレーション用Excelシート付き)
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51117613.html
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これに関連して、以前から追加したかったことを書きます。
それは
「同じ絶対値なら、プラスよりもマイナスの方がインパクトが大きい」
ということです。
このことは上の記事にも「10%の上昇を消せるのは9.1%の下落」のように、当たり前のこととして書かれています。
また以下の拙著にもごく軽く触れられています。
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超絶バブルの安全な投資術 バブル期に始める株式投資の勝ち方 (2013)
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たとえばマイナス20%の損失を食らったら、プラス20%の上昇では足りません。
なぜなら100のものが80に減ってしまったあと、そこから20%上昇しても96にしかならず4%の損が残ったままです。
同様にマイナス50%のあとプラス50%で取り返したように思えても、100→50→75と推移して25%の損失が残ります。
値動きが荒くなれば荒くなるほど、
だいぶ取り返したはずなのにマイナスが減ってない
という感覚を抱くことでしょう。
ダブルブルあるいはトリプルブルの投信を買っていた場合、その動きはさらに増幅されることになります。
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これらの関係を表にしてみましょう。
ご覧のように、上昇と下落が同じ率でもその振れ幅(絶対値)が大きくなるほどマイナスが拡大します。
上昇と下落、どちらが先に来ても結果は変わりません。
| 上昇 | 下落 | 上昇後価格 | 下落後価格 | 収益率 |
| 0% | 0% | 100 | 100 | 0% |
| 10% | -10% | 110 | 99 | -1% |
| 20% | -20% | 120 | 96 | -4% |
| 30% | -30% | 130 | 91 | -9% |
| 40% | -40% | 140 | 84 | -16% |
| 50% | -50% | 150 | 75 | -25% |
| 60% | -60% | 160 | 64 | -36% |
| 70% | -70% | 170 | 51 | -49% |
| 80% | -80% | 180 | 36 | -64% |
| 90% | -90% | 190 | 19 | -81% |
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しかし上の表、実は覚える必要はありません。
というのも簡単な公式によって暗算できてしまうからです。
こんな式、覚えているでしょうか。
(x+y)(x-y) = xの2乗 - yの2乗
念のため確認すると分配法則を使って
=x(x-y) +y(x-y)
=xx-xy+xy-yy
=xx-yy
と、内側がきれいに相殺されしまうあの公式です。
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これは今ならば小学生ですら知っている公式かもしれません。
たとえば半径17.5cmの円から半径2.5cmの円をくりぬいた面積を求めるとき
(17.5)の2乗×3.14 - (2.5)の2乗×3.14
=【(17.5)の2乗- (2.5)の2乗】×3.14
=【306.25- 6.25】×3.14
=300×3.14
とやってしまうと、小数点の2乗を2度計算することになって面倒です。
それより【】の部分で上の公式を逆方向に使って
(17.5)の2乗 - (2.5)の2乗
=(17.5+2.5)(17.5-2.5)
=20×15
=300
と計算してそれに3.14をかけた方がずっと楽なのです。
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これを思い出してから上の表を見ると、ちゃんとその通りになっていることがわかります。
「1割下げてから1割戻すと、1割の2乗で1%の損」
「2割下げてから2割戻すと、2割の2乗で4%の損」
「3割下げてから3割戻すと、3割の2乗で9%の損」
・
・
・
「9割下げてから9割戻すと、9割の二乗で81%の損」
これを一般化すると
価格がX割上げ下げするとXの2乗%だけ損をする
ということが言えます。
ただし「割」から「%パーセント」と、桁がひとつ下がっていることにご注意ください。
まあ「割」が1/10なのですから、それを2乗すれば1/100となってパーセンテージになるのは当然ですが。
(1+上昇割)(1-下落割)-1
= (1+x/10)(1-x/10)-1
= 1-x2乗/100-1
= -x2乗/100・・・下落率(%)
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ところでファンド(投資戦略)を評価する基準のひとつに「ドローダウン」というのものあります。
これはそのファンドが過去でどれぐらい下落したことがあるか、というものです。
一般的にはドローダウンが大きなものほどそのファンド(投資戦略)は不安定であり、回復が難しくなる可能性があります。
5割下げたファンドは倍にならないと戻りませんし、9割下げたら10倍にならないと戻りません。
だからベテランやプロになるほど、ドローダウンの数字を気にするのです。
もちろん小さなドローダウンが今後も続く保証はどこにもなく、コツコツ稼いでドカンと即死するファンドや投資戦略もあります。
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ドローダウンの恐ろしさは、上昇相場が続くほど忘れられがちになります。
激しい値動きが始まっても「そのうち取り返せる」と考えてしまします。
しかし乱高下を繰り返すうちに損が積み上げって行き、あるとき投げ売りが始まるのがバブル崩壊のパターンです。
これらは当たり前の知識なのですが、
「当たり前過ぎて誰も教えてくれない」
状態になってしまっているかもしれません。
それをあえて記録することも大事だと考えます。
(終)
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