ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

エボラ

エボラ出血熱(9) 行き過ぎた人道主義が国を滅ぼす


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第179号 エボラ出血熱(9) 行き過ぎた人道主義が国を滅ぼす

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

いよいよアメリカで最初のエボラ発症者が出ました。

リベリア人男性が親族を頼ってアメリカに来たところで発症したようです。

感染地域から来て発症者に触れたと自己申告しているのに、最初の病院では処方して帰宅させてしまったとのことで拡散が懸念されています。

感染地域からの出国を止めなければ、「アフリカ脱出組によるエボラ拡散」は止まらないでしょう。

*****************************************
*****************************************

WHO(世界保健機関)によると9月28日時点で西アフリカでのエボラ出血熱による死者は累計3338名、感染の疑いも累計7178名となりました。

米政府はの感染拡大を食い止めるため、米軍3000名を派遣し大規模援助に乗り出しました。

ドイツやフランスも軍や医療スタッフを送り込もうとしています。

日本の安倍首相もこれに賛同し、約50万セットの防護服提供や43億円相当の資金提供をしています。

まるで世界大戦ですが、その認識は正しいです。

人間同士で戦うより、エボラを食い止めるほうがずっと重要なのです。

*****************************************

まだ患者が数百人だった5月あたりの時点で同じことをしていれば、今頃はほぼ確実に「終戦」してたでしょう。

全く惜しいことをしたものです。

患者数が数千の単位となった今では、数万単位のスタッフと設備・装備・食料が必要となります。

遅くなるほど患者が等比級数的に増え、それにかかるスタッフやコストも等比級数的に増えます。

その結果、封じ込めがどんどん難しくなるのです。

*****************************************
*****************************************

しかしせっかくそのような対策をしているのに、いまだに西アフリカへの渡航が自由になっていることは疑問です。

リベリアでエボラ患者を触った人がすぐ渡米して歩き回ることができるのでは、軍を派遣した意味がありません。

援助のために西アフリカに行くのはしかたないでしょう。

しかし感染地域から自国に帰る(あるいは他国に行く)ときは潜伏期を過ぎてから世間に出るようにしないと、他の国まで拡散してしまいます。

世界はまだまだ、エボラの危険度を甘く見ていると感じます。

*****************************************

少し古い話ですが、国連安保理は9月18日にエボラに関する特別会合を開きました。

ここで冒頭の解決策や援助が提示されたのですが、同時に

「加盟国には渡航制限を解除を」

「航空会社には感染国への路線維持を」

求めています。

*****************************************

現地での支援や治療には大賛成ですが、感染地域から人が自由に出てこられるのであれば拡散を防ぐことはできません。

各国でエボラが拡がりパニックになれば、西アフリカを助けるどころではなくなります。

自分の家まで燃え始めたら、他人の火事を消すどころではないからです。

大規模な国際支援を約束する代わりに国外に出ないようにしてもらえば良いのに、どうしてそれをやらないのでしょう?

*****************************************
*****************************************

リベリアはかつてアメリカ黒人奴隷が作った国で、両方の国籍を持つ人は20万人にものぼるそうです。

そういえばナイジェリアのラゴス空港で発症したソイヤー氏は、リベリア人で政府高官でありながらアメリカの「自宅」に帰る途中でした。

そのような事情もあって、渡航制限は政治的に難しいと言われています。

今の大統領が黒人でリベラル派であるオバマ氏であることも、この決定に関係しているのかもしれません。

*****************************************

しかしエボラは人類を滅亡させかねない危険なウイルスです。

国が崩壊したリベリアの人々は安全と豊かさを求め、法を犯してでもアメリカにたどり着こうとするでしょう。

エボラに感染した人ならば最先端の治療を受けたいでしょうから、なおさらです。

それを制限なく受け入れて良いものか?

潜在的エボラ患者を自由に行動させることで、感染していない人々の人権を踏みにじっているのではないかと思います。

*****************************************
*****************************************

一般的に、いわゆる「リベラル派」が権力を持つと世界は混乱します。

なぜなら彼らは反社会勢力・敵国などに対しても良い顔をするため、いいように利用されてしまうのです。

また現実よりも理想が先走り、適切な解決策を判断して断固行うことができません。

その結果、どうしようもなくなってから「権力を奪われる」か「自分から放り投げる」ことになります。

「(自称)人道主義者は危機に対処できない」と一般化してしまって構いません。

*****************************************

また、行き過ぎた商業主義も危険です。

たとえば仮に、エボラによって売り上げが減ることを恐れた大企業が報道しないようマスコミに圧力をかけたとします。

しかし隠蔽することによって対策が遅れ、先進国にまで感染が広がってしまったのでは、さらに売り上げが減ってしまいます。

ちゃんと情報を公開して西アフリカとの行き来を制限すれば、その他の国では物流や消費は止まらなかったでしょう。

目先の売り上げをキープするために情報を隠蔽したことで、将来の売り上げを大きく落としてしまう結果になるのです。

*****************************************
*****************************************

行き過ぎた人道主義は国を滅ぼします。

「(自称)人道主義者」が人類滅亡の危機に気付くのは絶望的な状況になってから。

その人が死ぬだけならまだ救いもあります。

しかし犠牲になるのはたいてい、何の罪もない大勢の人々です。

*****************************************

西アフリカ感染地域から人々が自由に出国できる限り、エボラの世界拡大を防ぐことは不可能です。

日本に感染者が出た場合に備えておきましょう。

そして危機に強い人をリーダーに選びたいものです。




-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。

ワイルドインベスターズ会員サイト

-----------------------------------------


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto:wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


エボラ出血熱(8) 映画で学ぶ「倍々ゲーム」の恐怖


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第178号 エボラ出血熱(8) 映画で学ぶ「倍々ゲーム」の恐怖

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

このテーマもいったん終わりにしたいのですが、なかなかメドがつきません。

エボラ出血熱による死者は依然として増え続けています。

WHO(世界保健機関)によると9月21日時点で死者は累計2917名となり、感染の疑いも累計6263名となりました。

西アフリカの状況は、障壁のない状況ではエボラ感染者が等比級数的に増えることを示しています。

*****************************************
*****************************************

WHOの専門家チームは、このまま推移すれば11月初めにエボラ患者は2万人を超える恐れがある発表しました。

1か月あまりで3倍!ということです。

しかしこれは不思議ではありません。

これまで3週間程度で感染者が倍増してきたのです。

単純計算では6週間で4倍。4.7週間で3倍。

つまり3倍になるのに33日程度しかかからないということです。

*****************************************

また米疾病予防センター(CDC)は、今の状態が続けば
リベリアとシエラレオネの感染者は来年1月までに55万~140万人に達する恐れがあると発表しました。

これも不思議ではありません。

CDCの発表が9月21日時点の感染者数に基づくなら、2015年1月末まで約19週間。

3週間程度で倍増するペースが続けば、その期間で6263名(累計)感染者はだいたい50万弱となります。

医療崩壊やスラムへの拡散、これまでカウントされなかったケースを考えると、少しペースが上がると読んでいるのでしょう。

*****************************************
*****************************************

感染者数の予測自体にたいした意味はありません。

どの時点を予測するかで数字は大きく変わってくるからです。

またその数字に達したからといって、エボラ拡散が止まるわけではありません。

そして毒性が弱まってくれるわけでもありません。

*****************************************

しかし「感染者数は3週間で倍になる」という危機感を広め、共有してもらうには良い作戦だと思います。

「まだ6千人だから」「まだアフリカだけだから」と油断していると、あっという間に対処不能になります。

*****************************************
*****************************************

「感染したら一家全滅」

この恐怖のために、人々は貿易をやめ、外出を控えます。

職場に行くことも拒否するかもしれません。

豊かな人々であれば、数か月引き籠ることも可能です。

しかし貧しい人々はそれができず、エボラでなくとも真っ先に死んで行きます。

*****************************************

実際に感染が広がってしまうと、医療システム・社会システムが加速度的に破壊されます。

人口の10%が失われたら、インフラの維持も困難になります。

想像してみてください。

待合室はエボラ患者だらけで、うっかり病院にも行けない。

医療スタッフがまず倒れ、病院が閉鎖される。

患者は別の病気で死んでしまう。

*****************************************

原発でエボラが拡散し、メンテナンス不能になる。要員も集まらないし、そもそも中に入れない。

同じことが水道会社・電力会社・ガス会社・警察などで起こったらどうなるでしょう?

ライフラインまで破壊されてしまえば、「何か月か引き籠っていればいいや」という戦略は通用しません。

外に出ないように宅配を頼むが、宅配人がウイルスを運んで来るかもしれない。

あるいは宅配人が感染をおそれて宅配してもらえないかもしれない。

食料を買って帰る途中で襲われるかもしれない。

そんな状況で、どれほどの人間が社会ルールを守ってくれるというのでしょうか。

*****************************************
*****************************************

この状況をシミュレーションするには、「感染映画」あるいは「ゾンビ映画」を見ることです。

人々の恐怖やエゴ、社会の崩壊を見事に描いた名作が少なくないです。

どんなに武器・知識・薬品などがあっても、圧倒的な数の感染者に押しつぶされて行きます。

*****************************************

ただし、感染地域への核攻撃はいただけません。

そんなことをすれば隔離ラインが崩れ、封じ込めが不可能になります。

生き残った人々が、他の人々に復讐心を持ってしまいます。

人間同士が争っている間に、ウイルスに負けてしまうのです。

*****************************************
*****************************************

映画の場合、どんなに長くても2時間で終わります。

しかしエボラとの戦いは、最後のひとりまで終わってくれません。

たったひとつのミスが、人類を滅亡させてしまうことがありえます。

*****************************************

崩壊した西アフリカの隔離と治療は、もはや米軍に任せるしかなさそうです。

我々はそれをサポートしつつ、日本で感染者が出た場合の準備をしておきましょう。





-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。


ワイルドインベスターズ会員サイト

-----------------------------------------


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto:wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


エボラ出血熱(7) いつになったら終息と言えるか


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第177号 エボラ出血熱(7) いつになったら終息と言えるか

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

WHOによるとエボラの死者が累計2630名となり、感染の疑いも累計5357名となりました。

しかしそのほとんどがリベリア、ギニア、シエラレオネの西アフリカ3カ国です。

危機は拡大していますが、他国への飛び火が抑えられていることが不幸中の幸いと言えます。

*****************************************
*****************************************

この危機はいつになったら終わるのでしょうか?

たとえばインフルエンザであれば、気温が暖かくなって新たな感染者が減り始めたら終息宣言を出しても良いでしょう。

季節性がありますし、患者がゼロにならなくても怖くないからです。

*****************************************

しかしエボラは違います。

今回のアウトブレイクのきっかけは特定できていませんが、2013年12月に一人の感染者から始まったと言われています。

「ひとりからネズミ算的に感染が広がり、2630人の死亡者が出た」

これは警戒するに十分な「事実」です。

*****************************************

たとえばここから奇跡的に新たな感染を食い止めて、

死亡者数 = 4000
回復者数 = 1000
感染者  =    1

という状況になっても、全く安心できません。

そこから封じ込めに失敗すれば、9か月後には今の状況に戻ってしまう可能性があります。

最後の1名がいなくなって、潜伏期間である約3週間以上を完全に過ぎてしまうまで「終息した」とは呼べないのです。

*****************************************
*****************************************

アメリカはエボラを戦争以上の脅威として認識しています。

米軍3000名をリベリアの首都モンロビアに送り込み、

1. 100床のベッドを持つ治療センターを17カ所に設置。

2. 医療関係者の訓練

3. 支援活動を調整する軍統合司令部の設置

を行うことをオバマ大統領が直々に発表しました。

*****************************************

アメリカが防護服を16万着発注したという話は、ずっと前に報道されていました。

現地とアメリカ本土での治療実績を積み、万が一感染しても治療できると確信を持っているのでしょう。

反対を押し切ってまで患者を米本土に連れ帰った効果が出ています。

そして西アフリカの感染拡大を終息させなければ、人類滅亡もありうると見たのでしょう。

的確な現状認識と迅速な対応は、さすがアメリカと思います。

*****************************************
*****************************************

エボラへの対応は人それぞれ、国それぞれです。

「わが国には来ないから大丈夫」としか言わない人々。

「寄付してくれ」「予算よこせ」と言うだけで行動計画も出さない人々。

「誰かが努力して解決しろ。俺がアピールして自分の手柄にするから」と考える人が上層部に多いほど、その組織は問題解決ができなくなります。

今回のエボラへの対応を見ると、ほとんどの国際組織がそうなってしまったかのように思えてなりません。

*****************************************

そんな組織でも、平和なときは大きな問題にはなりません。

しかし恐ろしい疫病を相手に同じことをしていると、とんでもないツケを人々が払うことになります。

旧日本軍のようになってしまった日本の組織がどこまで対応できるのか、かなり不安なものがあります。






-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。


ワイルドインベスターズ会員サイト

-----------------------------------------


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto:wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


エボラ出血熱(6) なぜ隔離しなくてはならないか



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第176号 エボラ出血熱(6) なぜ隔離しなくてはならないか

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

WHO(世界保健機関)は9月12日時点でエボラ出血熱による死者が2400名超、感染者は4784名にのぼると発表しました。

特にリベリアは8月中旬以降、急激に増えたそうです。

エボラ患者を隔離施設から「解放」し、5万人が住むスラムに戻したことが影響しているのでしょう。

他の大陸にまでは飛び火していないようですが、1か月弱で倍になるペースは変わっていません。

わずか1名の感染者から9か月程度で5000名近くにまで広がったことに戦慄します。

*****************************************
*****************************************

前回は

「あるモデルによると真の死亡率は8割。感染がわかってから死亡するまで平均して14日」

という話をしました。

*****************************************

しかしこれについても、異論がある人がいるようです。たとえば

「感染者数も死亡者数もはっきりしていないので、計算結果も信用できない」

「いくら計算しても危険であることには変わりないので、計算してもしょうがない」

などです。

*****************************************

弊社はそれらの推計に意味がないとは思いません。

「真の死亡率」と「感染から死亡する期間」は、極めて重要な「事実」です。

なぜなら、それらの数字によって対策が変わって来るからです。

*****************************************
*****************************************

もちろん数え方が間違っていたのでは話になりません。

しかしすべての感染例を追いかけるのは不可能ですから、統計的に有意な結果を導き出せるサンプル数があれば十分です。

視聴率や政党支持率を調査するのに、全世帯を調査する必要がないのと同じです。

*****************************************

2009年の新型豚インフル騒動を覚えているでしょうか。

メキシコで始まった新型豚インフルの死亡率が7%に達し、世界は緊張に包まれました。

日本でも買いだめが行われ、人々はマスク姿で外出し、人混みには行かないよう指導されました。

それでも日本に入ってきてしまいましたが、感染者数が増えた割には死者数は増えませんでした。

簡単なモデルを作って計算してみると、どう考えても死亡率は7%などと高いものではない。

最初から「おや?」と思いましたが、統計的に十分なサンプル数が集まるまでは結論は出せません。

それでもデータが増え、誤差が小さくなるにつれ、弊社は「死亡率はせいぜい通常のインフル程度である」と警戒を解きました。

*****************************************

2009年の新型インフルを後から振り返ってみると、心配し過ぎだったことになります。

「俺は最初から知ってたよ。だから『騒ぎ過ぎだ』って言ったのさ」

「業者やマスコミに踊らされて、日本人はバカばかりだ」

という批判もあります。

しかしこれは「メキシコなどで報告されたデータ」に基づいて対策をし、「日本で観測されたデータ」によってそれが緩められた例です。

メキシコで致死率が高く出ていた原因はわかりませんが、その時点で知りうる事実に対応しただけです。

今回のエボラも、心配し過ぎで終わってくれたらどんなに嬉しいかと思います。

*****************************************
*****************************************

致死率や潜伏期間の長さは、その病気への対処法を決める重要な事実です。

たとえば潜伏期間が短かかったり、特徴が明らかな病気であれば、空港や港での「水際作戦」が有効です。

熱があったり具合が悪い人を隔離したり、入国を拒否することができるからです。

しかし潜伏期間が最大3週間にもなる今回のエボラは、そういったチェックをすり抜けてしまいます。

水際で防ぐことも大事ですが、国内で時限爆弾的に発症したときにどう対処するのかがより重要となります。

*****************************************

また致死率が1%に満たない通常のインフルやデング熱であれば、「国境封鎖」や「感染者の隔離」は必要ありません。

飛行機や船を止めたり、感染の疑いがある人を隔離すれば、人々の行動が制約されます。

それによって経済活動が止まるほうが、よほどダメージが大きいのです。

ですから「各自で手を洗いましょう。人混みは避けましょう。衛生的な生活をしましょう」などの対処が現実的となります。

*****************************************

しかしエボラのように致死率が5割から9割に達する感染症の場合、感染者・接触者・感染地域を一定期間隔離しなくてはなりません。

感染地域が広がれば恐怖のために人々の行動が制約され、経済が崩壊するからです。

結果的に感染しなくても、人の移動が止まり、物流が止まり、生産が止まります。

すると食料・生活必需品・医薬品が不足するようになり、エボラ以外の病気まで猛威を振るうようになります。

「感染者の人権を守れ!」という人もいますが、感染していない人々の生存権を脅かさないためには隔離するのが上策なのです。

*****************************************
*****************************************

そして隔離された人々には、清潔な環境や十分な食事などが与えなければなりません。

「隔離されたら殺される」という恐怖があれば脱走・暴動・隠蔽が増え、かえって解決を難しくしてしまいます。

また隔離された人々の中でも、さらに個別に隔離するのが理想です。

たとえば風邪による発熱者と、エボラ患者を一緒に隔離してしまえば、感染者をさらに増やすことになります。

しかし貧しい国ではこれらが難しいので、アフリカで感染拡大が止まらないのです。

*****************************************

ある国との国境を封鎖したり、飛行機や船の出入りを止めることは「国ごと隔離」する方法です。

決して望ましい方法ではありませんが、どの国も自国民を守るために必死です。

それをやったからといって、非難されることではないでしょう。

しかし国際社会は感染拡大国を封じ込めるだけでなく、物資や知識を提供して回復を手助けしなくてはなりません。

さもないと「感染拡大国から先進国への脱出」や「感染拡大国であることの隠蔽」が増え、問題をさらに大きくしてしまいます。




(続く)



-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。



ワイルドインベスターズ会員サイト

-----------------------------------------


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto:wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


エボラ出血熱(5) 先進国でもリスクの本質は変わらない


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第175号 エボラ出血熱(5) 先進国でもリスクの本質は変わらない

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

WHOによるとエボラの死者が1900名を超え、感染の疑いも3500名を超えたようです。

「報道が減っても、危機は拡大している」と先週書いた通りです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140904/k10014331201000.html

*****************************************

今回は封じ込めに成功するかに思われたナイジェリアで感染が拡大していることが気になります(感染18名、死亡7名)。

http://af.reuters.com/article/topNews/idAFKBN0GY1YA20140903

またコンゴ民主共和国で別タイプのエボラが流行しはじめ、死者31名と発表されています。

ギニアやシエラレオネでは増加が鈍ってきたように見えますが、カウントできていない場合もあるので油断できません。

*****************************************
*****************************************

ところで今回のエボラの死亡率について、様々な議論があります。

たとえば上記の数字からそのまま「死亡者/感染者」を計算すると、約5割となります。

しかし死亡者数も感染者数も指数関数的に増加しており、これらの数値は累計であると考えられます。

すると感染者の中には

「すでに死亡した人」
「すでに回復した人」
「新たに感染してまだどちらでもない人」

が含まれていると考えるのが自然です。

*****************************************

そうであれば「死亡者/感染者」が、そのまま「死亡率」となりません。

なぜなら

死亡率 = 死亡者数 ÷(死亡者数 + 回復者数)

となるはずですが、

死亡者/感染者 = 死亡者数 ÷(死亡者数 + 回復者数 + 新たな感染者)

であれば新たな感染者がいる限り「死亡者/感染者」は「死亡率」を常に下回るのです。

特に感染が拡大しているときほど、過小評価する度合いが高まってしまいます。

*****************************************

現時点での「真の死亡率」を計測するには「回復した人もカウントする」か、「モデルをあてはめて類推する」しかありません。

ネットで見たあるモデルによると、「真の死亡率は8割。感染がわかってから死亡するまで平均して14日」という数字に説得力があります。

「死亡率なんて関係ないよ。どうせ生き残っても失明や脳障害で死んだも同然さ」

と思っている人にも朗報があります。

どうやら安静にして良い環境で治療を受けていると死亡率は下がり、後遺症も小さくなるようなのです。

*****************************************
*****************************************

今回の出来事は遠いアフリカの話であり、ピンと来ない人も多いと思います。

確かに今のところは衛生環境やインフラに問題がある国でしか広がっていません。

アフリカで感染し先進国で発病した例もありますが、そこから二次感染というように広がってはいません。

ということはやはり、先進国で散発的に見つかる程度であれば封じ込めは可能なのでしょう。

*****************************************

しかしエボラが恐ろしいのは、患者数がキャパシティを超えると医療システムを一気に破壊してしまうことです。

医療関係者が感染し、そこから別の通院患者に感染し、感染経路をたどって接触者を隔離することができなくなります。

病院が機能不全となって別の病気で死ぬ人が増えます。

すでに西アフリカでは医療に従事する人を集められなくなっているようです。

*****************************************

リベリアではエボラ患者が隔離施設から脱走し市場で食料をあさっていたところ、防護服を着た人々につかまってトラックに押し込められました。

この様子をテレビや動画で見た人も多いと思います。

未開の地域だから、と笑ってはいられません。

政府・地域社会・医療機関・患者自身・その家族が協力して封じ込めなければ、こうなる可能性はどこの国にもあります。

先進国は教育や衛生面でかなり耐性があるものの、本質的なリスクは変わらないのです。

*****************************************
*****************************************

日本でエボラ発症者が出たら、パニックになるでしょう。

どこに患者や接触者を隔離し、どのように治療するのか。

患者・接触者・治療スタッフ・別の通院患者などが安心して治療に専念できるシステムをどう構築するか。

医療崩壊を防ぐために我々は何をやるべきか。

国や専門家の意見を参考にしつつ、最悪の事態に備えましょう。




(続く)



-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。


ワイルドインベスターズ会員サイト

-----------------------------------------


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto:wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
記事検索
ディスクレーマー
金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。 またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。 弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。 http://www.wildinvestors.com/member/
新刊出ました!

地方出身親のための中学・大学受験: その全体像と基本戦略
https://amzn.to/3BY6SHF


高知能者のコミュニケーショントラブル: IQが20違うと会話が通じない
https://amzn.to/3Aee8Op


高知能者のコミュニケーショントラブル2: 人間は自閉的知能を持ったサルである
https://amzn.to/3dmiGt8


ビットコインはなぜヤバい: フィンテック時代のデジタル投資詐欺
https://amzn.to/3Tn9ZQv


ジャパンヘイターとサイコパス支配: 善意で滅ぶ先進国
https://amzn.to/3Vfgp74


ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016
https://amzn.to/3x543UQ

QRコード
QRコード
プロフィール

逆張り投資家

  • ライブドアブログ