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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第935号 米実質金利急上昇は中国の売り仕掛けか?首脳会談と中間選挙に向けトラス攻撃強化。しかし金利と原油高で先に死ぬのは反米新興国!
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
関東財務局長(金商)第1173号
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今週は公開用の動画を1本作成しましたので、それに代えさせていただきます。
それを前提に投資戦略を組み立てていますのでご高覧ください。
動画は長いので2倍速推奨です。
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【公開用アップデート概略】
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米実質金利急上昇は中国の売り仕掛けか?しかし金利と原油高で先に死ぬのは反米新興国!
1. 日銀、義理果たしもはや利上げ不要
2. 中国、首脳会談と中間選挙へトラス攻撃強化
3. 劣勢の独裁国家陣営、必死のトランプ降ろし
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関連リンク
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動画説明(概要)欄への直接リンクは控えるようにしました。記事ソースや出典・根拠はブログをご参照ください。
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今回は盛りだくさんの内容ですが、まず前回のフォローアップから入っていきましょう。
前回の動画に対して「ベッセント財務長官は日銀に利上げをしろと脅しているのではないか」というコメントをいただきました。
結論から申し上げますと、私は「そんなことは言っていない」と考えています。
なぜそうした認識の食い違いが起きるのかと考えましたので補足します。
そもそも「リフレ政策からの脱却」という言葉ひとつ取っても、実現するための処方箋は少なくとも5つほど存在します。
財政政策の側で見れば「緊縮財政」と「増税」の2つがありますし、金融政策の側で見れば「利上げ」だけでなく「量的緩和の縮小(国債買い入れの減額)」。
さらに「円安容認をやめること(為替介入などによる通貨高)」も立派な金融引き締め手段です。
このうち「利上げ」「国債買い入れ減額」そして「為替介入による円安是正」の3つは、すでに日本側で実行されています。
金融市場について知ると「リフレからの脱却」と言われた瞬間に「この5つのうちどれを指しているのか?」と考えます。
したがって「利上げ命令だ」と受け取ることはないのです。
しかしそれは何も考えずに起きる反射のようなものなので、説明を省いてしまったというわけです。
片山財務大臣が「リフレ政策は取っていない(縮小させてデフレ方向へ向かわせている)」と反論したのも、市場の人間からすれば至極真っ当な回答。
メディアが「リフレ脱却を迫って利上げを要求した」と書き立てるのを見て、私が「経済の素人による工作記事だな」と感じたのはこのためだったのでしょう。
そして今週は米国のPPI(生産者物価指数)が高かったことを受けて、市場では今月の米利上げ確率が7割近くまで跳ね上がりました。
セオリー通りなら当然の引き締めですが、トランプ大統領は相変わらず「金利高とドル高は国民を苦しめる、利下げしろ」と無茶を言い続けています。
経済学的にはめちゃくちゃですが、トランプ氏の頭の中では「日本に対してドル安・円高を求めて米国の輸出を助けろ」という思惑が渦巻いているはずです。
日米の担当者間で「うちのボスが無茶を言って困る」とお互いに苦笑いするようなやり取りがあったのかもしれません。
しかしもはや、日銀がトランプ氏の顔色を窺って無理に利上げに付き合う必要などどこにもありません。
なぜならドル円相場はすでに直近の高値から10円も円高方向に振れており、これ自体が金融引き締め効果を持つ「脱デフレ政策」になっています。
先週の私は「米国経済が絶好調だから、おこぼれを貰える日本も利上げしてトランプ氏を助けてあげたらどうか」と少々邪道なアドバイスを口にしました。
しかし10円の円高で日銀はアメリカに対する義理を完全に果たしましたので、セオリー通り「利上げ見送り」で良いと思います。
足元の総合CPIは前年比1.9%、コアに至っては1.4%に過ぎないのですから、国内要因だけで見れば利上げをする理由などどこにもないのです。
【1. 日銀義理果たし、もはや利上げ不要】
米国の10年国債利回りはさらに上昇し、5%目前にまで迫るという強烈な動きを見せています。
先週から0.18%も跳ね上がったのですが、その内訳を精査すると0.13%分が「実質金利の上昇」によるものでした。
期待インフレ率(BEI)の上昇はわずか0.05%の上昇にとどまっており、金利高の大半は実質金利の急騰が原因です。
先週までは「これは旺盛な資金需要と後景気のなせる業だ」と見ていましたが、あまりに急ピッチすぎるため私はひとつの重大な仮説に行き着きました。
それは
「中国政府による米国債の大規模な売り仕掛けが入っているのではないか」
という疑惑です。
「中国政府による米国債の大規模な売り仕掛けが入っているのではないか」
という疑惑です。
中国の外貨準備データを見ると彼らは継続的に米国債の保有を減らし、代わりにロシアなどから現物のゴールド(金)を買い漁っています。
米中覇権戦争の真っ只中において、有事の際にロシアのように資産を凍結されるリスクを警戒するのは当然。
また基軸通貨を狙う国が敵国のドル債券をいつまでも保有して、ドル覇権を手助けするのは戦略として矛盾しています。
私の直感では、この8月から9月にかけて中国政府の米国債売りが加速しているのではないかと睨んでいます。
思い返せば今年の5月中旬に行われた「米中首脳会談」の直前にも、まったく同じように米長期金利が跳ね上がる場面がありました。
今月末に控える米中首脳会談、そして11月3日の米中間選挙を前に中国側が「米国債を売り浴びせて米金利を高騰させ、トランプ政権を揺さぶる」トラス攻撃を仕掛ける可能性は高いです。
【2. 中国、首脳会談と中間選挙へトラス攻撃強化】
なぜ中国がこの手口を執拗に繰り返すのかと言えば、おそらく今年5月の首脳会談で大成功を収めたと味を占めていのでしょう。
実際のところ中国にとってイランを見捨てることになった散々な会談でしたが、マスメディアの中では「大成功」だったのです。
しかし米金利急騰のプレッシャーはそれなりに効いたようで、トランプ大統領はその一か月後あの「イスラマバード覚書」という完全降伏文書にサインしました。
あの時トランプ大統領は1929年の大恐慌を引き起こしたフーバー大統領と比較されることを恐れ、バンス副大統領らとともに経済破局の回避を急ぎました。
おそらく当時、トランプ氏の周囲には「経済危機が起きれば選挙に負ける」と吹き込んだ連中がいたのだと思います。
しかし実体経済の指標を見れば米国の優位は揺るぎなく、仮にショックが起きたとしても壊滅的な打撃を受けるのは米国ではなく新興国や中国の側でした。
敵の脅しにまんまと屈してしまったわけですが、現在のトランプ政権は当時とは異なります。
ヘッジファンド出身のベッセント財務長官が、この中国の売り仕掛けに対して極めて巧妙に立ち回っているからです。
ベッセント氏は実質金利が急上昇して国債価格が急落している局面を逆手に取り、長期国債の買い入れを従来の3倍に増額しました。
これは高く発行したものを安値で買い戻すという、自社株買いさながらの超合理的なトレーディングです。
発行体である胴元が自ら安値で買い戻して長期金利の上昇に歯止めをかけるわけですから、ショックも吸収できて一石二鳥なのです。
中間選挙が終わるまでの残り2ヶ月間、中国やメディアによる「経済危機が来る」「トランプのせいで大敗する」といったトラス攻撃と市場の動揺は続くでしょう。
しかしもはやトランプ大統領が5月のような脅しに騙される可能性は低いと見ています。
【3. 劣勢の独裁国家陣営、必死のトランプ降ろし】
これほどまでにポリコレ左翼マスメディアが必死になってトランプ降ろしに血道を上げる理由は明白です。
軍事面においても経済面においても、中露イランの独裁国家陣営は劣勢に追い込まれているからです。
足元の中国では、政府が国有の保険会社や銀行に対して総額8.3兆円規模の巨額公金注入を余儀なくされました。
これは日本で言えば1995年頃、住専問題などで不良債権の火の手が上がり始めた初期段階に相当しこれから本番の地獄が待ち受けています。
ロシアに目を向ければ、ウクライナ軍によってボロヴァ・リマン方面で約200平方キロメートルの領土を一挙に奪還されました。
イランも石油タンカーを米軍に破壊され金融制裁で締め上げられた結果、世界屈指の産油国でありながら「国内のガソリンがあと2ヶ月で底をつく」という窮状に陥っています。
ただしイエメンの親イラン武装組織フーシ派がバブ・エル・マンデブ海峡の要衝モカを制圧し、サウジの石油輸送を脅かすなど局所的なゲリラ戦で抵抗しています。
イエメン暫定政府は寄り合い所帯で分裂しているため、フーシ派を抑え込むのは簡単ではないようです。
中国は金利高と原油高でアメリカを苦しめているつもりですが、世界最大の原油輸出国である米国は原油高でむしろ企業収益を増やしてきました。
それで真っ先に死んでいくのは反米新興国なのです。
そうなれば一帯一路などでそれらの国々に巨額の貸付やインフラ投資を行ってきた中国は、資金を回収できなくなります。
国内の天文学的な不良債権に加え、対外債権の焦げ付きを背負い込むことになります。
【まとめ】
メディアは相変わらず「日本はダメだ」「アメリカは崩壊する」と連日騒ぎ立てています。
しかし本当に心配すべきは日米ではなく、断崖絶壁に立たされている中国・ロシア・イランとそれに連なる反米新興国です。
中間選挙までの残り2ヶ月間は首脳会談を巡る駆け引きや中東の緊張、米国債への売り仕掛けなどによる激しい乱高下が予想されます。
しかしこれらは追い詰められた独裁国家陣営による仕掛けと考えて、恐怖煽りや分断煽りに乗らないようにしてください。
2026年09月11日23:59
投資戦略動画(公開用)20260911 米実質金利急上昇は中国の売り仕掛けか?首脳会談と中間選挙に向けトラス攻撃強化。しかし金利と原油高で先に死ぬのは反米新興国!
(終)
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