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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第911号  宝くじは連番よりバラ買い? どうせ期待値マイナスなら娯楽価値を重視するのもアリ



週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社

                      関東財務局長(金商)第1173号
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宝くじに関する記事が話題になっていたので、職業病が発動して深く考察してしまいました。

下の記事では「宝くじをバラで買うのは頭が悪い」「連番で買うことが合理的」との前提で書かれています。

しかし私はそれを合理的だとも正論だとも思いません。

それらは戦略や効用の違いであり、一概にどちらが悪いとも言い切れないのです。

むしろ宝くじの本質を踏まえると
「どうせ買うならバラ買いこそが王道かもしれない」
と考えます。

【目次】

(1)宝くじの買い方を変えてもマイナスの期待値は変わらない。分布が変わるだけ
(2)期待値を重視する人や長期的な資産形成を考えている人はそもそも宝くじを買わない傾向が強い
(3)それでも買う人がいるのは「失っても良い程度のカネで大きな夢を買うことができるから」(宝くじ効果=ロッタリーエフェクト)
(4)連番とバラ買いは全く異なる戦略。高額当選と低額当選の違い。
(5)2割しか戻って来ないカネの不確実性(ボラティリティ)が気になるなら、宝くじを買わなければ100%戻ってくるぞ
(6)「すべて1等賞への期待」や当選確認作業に娯楽価値があると考えるなら、バラ買いこそ王道かもしれない

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ひろゆき 宝くじを「バラで買う奴はバカ」発言が波紋…「正論吐くのが滑稽」と反論続出
記事投稿日:2026.04.25 19:38 最終更新日:2026.04.25 19:38
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(略)「ひろゆき氏は続けて『バラで買うメリットって何?』と問いかけ、『連番で100枚買えば3000円が当たるのは確定しているのに、その確定利益を失う選択をしている』と理屈を重ね、『(宝くじが)頭悪い人の罰金って言われるだけあるな』と、宝くじそのものも揶揄していたのです」(同前)
(略)「確率論で言えば、ひろゆき氏の指摘は正しいです。連番で買えば一定額が戻る可能性は高く、理屈としては“損をしにくい買い方”です。もちろん宝くじは高額当選を狙うという側面もありますが、一方で“娯楽”としての側面も強い。
バラで買う人は、1等や前後賞といった“夢”や“ドキドキ感”に価値を見出しています。連番だと、結果を確認する際のワクワク感が薄れるという見方もあります」(略)
(略)つまり、1円でも回収しようとする「合理的な買い方」か、「楽しみ」や「夢」を重視するかという価値観の違いだ。
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【(1)宝くじの買い方を変えてもマイナスの期待値は変わらない。分布が変わるだけ】
【(2)期待値を重視する人や長期的な資産形成を考えている人はそもそも宝くじを買わない傾向が強い】

この前提に異論はないでしょう。

日本の代表的な宝くじは半分が当選金として払い戻され、残り半分が売り手の利益になります。

期待値がマイナス50%の損な取引です。

当選しているのに換金されないまま時効になった金額も年間100憶円程度(売り上げの1%超)あることを考えると、そこに「見逃しリスク」まで加わります。

期待値を重視する人や長期的な資産形成を真剣に考えている人は、宝くじを買うぐらいなら新型NISAに突っ込みます。

資本主義が続く限り長期的な期待値がプラスになりますし、少なくとも預金するよりマシだからです。



【(3)それでも買う人がいるのは「失っても良い程度のカネで大きな夢を買うことができるから」】

それでも宝くじを買う人がいるのは、「失っても良い程度のカネで大きな夢を買うことができるから」です。

これはそのまんま「宝くじ効果(ロッタリーエフェクト)」と呼ばれています。

人間には今の3万円を失っても、数億円が当たる可能性に賭けてみたくなる心理があるのです。

「万が一にも当たればラッキー」「人生の選択肢が増える」と考える心理です。

その3万円がなくなってしまっても「仕事を頑張れば良い」「しばらく飲み会を我慢するか」と自分を納得させることができます。

投資家で言えば「めったに起きないがインパクトが大きいブラックスワン」に期待し、大外の屑オプションをダメ元で買っておく心理です。

しかしさらにゴリゴリの投資家になると「今の3万円を年率10%で回せば7年後に6万円、14年後に12万円、21年後に24万円、28年後に48万円、35年後に96万円になる」と計算します。

消費に対して慎重になり、自動販売機でジュースを買うことすら怖くなります。

これはこれで厄介な病気みたいなものです。



【(4)連番とバラ買いは全く異なる戦略。高額当選と低額当選の違い。】

日本の宝くじで特に重要なのは、「1等には前後賞がつく」というルールです。

このルールは当たりくじ同士に強い正の相関を生み出しています。

例えばバレンタインジャンボ2026の場合、1等2億円に対して前後賞はそれぞれ5,000万円で1等+前後賞の合計は最大3億円になります。

- 連番買い場合
自分の持っているくじ同士の相関も高いため、前後賞の正の相関が色濃く反映されます。  
「当たれば3億円を総取りできる確率が上がる」一方で、「1等単独や前後賞だけが当たる確率は相対的に下がる」戦略になります。

- バラ買いの場合
自分の持っているくじ同士の相関を低くするため、前後賞の正の相関の恩恵を受けにくくなります。  
「1等や前後賞のどれかに当たるトータルの確率をわずかに上げ」、その代わり「超高額を総取りする確率を下げる」戦略になります。

要するに、

連番は「前後賞の相関を最大限に活かした、一撃でデカく当てるギャンブル戦略」  
バラ買いは「相関を弱めて、高額当選の確率を少しでも広げる戦略」

と言えます。


逆に高額当選が全く当たらないとして、低額当選についても考察してみましょう。

一般的に1枚300円の宝くじに対し10枚に1枚7等300円が、100枚に1枚6等3000円が入っています。

したがって連番で10枚買えば約1割(300円)がほぼ確定。特殊な福連100の場合には2割(6,000円)が確定で戻って来ます。

一方でバラ買いにすると期待値は変わらないものの、「増えるかもしれないし減るかもしれない」ばらつき(分散)が生じます。



【(5)2割しか戻って来ないカネの不確実性(ボラティリティ)が気になるなら、宝くじを買わなければ100%戻ってくるぞ】

これまでの話を整理します。

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(a)宝くじの高額当選領域においては前後賞があるため

連番買いは「前後賞の相関を最大限に活かした、一撃でデカく当てるギャンブル戦略」 

バラ買いは「相関を弱めて、高額当選の確率を少しでも広げる戦略」

(b)低額当選領域においては

連番買いは10枚買えば1割が、100枚買えば2割がほぼ確実に戻ってくる
バラ買いは期待値こそ同じだが、金額にばらつきが生じる
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どれも期待値は変わらないので、戦略や効用の違いでしかありません。

しかし紹介した記事では(b)低額当選領域のしかも「上振れの可能性があることを無視してばらつきだけ問題視」することで「バラ買いは頭が悪い」と断じています。

私はその考えが合理的だとも正論だとも思いません。

「2割しか戻って来ないカネの不確実性(ボラティリティ)がそんなに気になるなら、宝くじを買わなければ100%戻ってくるぞ」
とツッコみたくなります。

そもそも宝くじはすべて買い占めたら半額になって確実に損をする「どマイナスの期待値」が大前提。

それを知った上で「確率の歪み」「戦略」「期待」「興奮」を楽しむものではないでしょうか。



【(6)「すべて1等賞への期待」や当選確認作業に娯楽価値があると考えるなら、バラ買いこそ王道かもしれない】

最後に、宝くじの「娯楽価値」について考えます。

記事中の意見でも「宝くじは金儲けではなくエンタメ」という意見がありましたが、それが本質なのでしょう。

連番買いだと前後賞含めた「大当たり」はありえますが、「買った宝くじがすべて1等の奇跡」はありえません。

しかしバラ買いなら、それは限りなくゼロに近い確率で「あり得る」のです。

また当選を確認する際、連番買いは比較的楽です。

それに対してバラ買いは1枚1枚手間がかかる反面、その間の期待や興奮に「高い娯楽価値」があるのかもしれません。

あまりに枚数が多いと楽しみより苦痛が上回りそうですが、そもそも宝くじはたくさん買うほど「期待値マイナス50%の大損」に収束します。

仮に人間が確認作業をする場合、「見逃しリスク」まで考えるとひとり数百枚が限度ではないでしょうか。

ここで「確認作業は機械でやってもらえばいいだろ」と考える人は、おそらく宝くじを買わない側の人だと思います。



宝くじは「期待値だけ考えるなら」買うこと自体が非合理。

しかしそれを理解した上で別の戦略や効用を見出すのは合理。

さらにそれをエンタメとして動画配信し、わざと炎上させ、名前を売ったり収益を得ることもまた別の合理だと考えます。



(終)



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参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
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