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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第234号 「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇2016」より 

(1)利益が出ている利付債券・MMF・公社債投信など(いずれも外貨建て含む)は2015年末までに売り

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俺は混乱した。

妹は非課税。俺には4700万円の税金。

同じ月に同じ債券でほぼ同じ金額を手にしたはずなのに、この差はいったい何だ? 


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利益が出ている利付債券・MMF・公社債投信など(いずれも外貨建て含む)は2015年末までに売りましょう。

このシリーズでは拙著

「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇2016(東洋経済新報社)」

から一部を抜粋して紹介します。
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第2章 第1節 税を知らない天国と地獄(A氏の悲劇2016)より


「もしもしお兄ちゃん? ちょっと相談があるの」

2015年も終わろうとしていた12月のある日、妹から電話がかかって来た。

「わたし、来年になったら結婚するでしょ。それでいろいろ物入りでね。お父さんの遺産としてもらったアレ、売っちゃおうかなって思って」

かわいい妹のことだ。「結婚式の費用なぞ俺が全部払っちゃる!」と啖呵を切りたい気持ちを、俺はぐっとこらえた。
実は俺にもプロポーズを考えている彼女がいて何かと物入りなのだ。
そのことは妹にはまだ内緒だ。もし振られたらかっこ悪いからな。

「ああ、アレか…」

俺は適当に話を合わせてから、何のことだか思いを巡らせた。
すっかり忘れていたが、20年前に死んだ父の遺産に米ドル建ての某政府機関債があった。
毎年の利払い(クーポン)は1.5%しかなかったと思う。
どうしてそんな利率が低いものを買ったのかと不思議に思っていたのだが、父の形見なので売るのも悪いような気がしてそのまま放っておいた。
妹はいろいろ整理しているうちに思い出したのだろう。

「…うん、いいんじゃないかな。利率も低いし、どうせ年内には満期になって償還するはずだ。親父のヘタクソな投資に20年つきあったのだから十分だろう。第一、それはもうお前のものだ」

「ありがとうお兄ちゃん!年が明けたら招待状送るね!」


やれやれ、いくつになっても「お兄ちゃん、お兄ちゃん」だな。
そんなことも自分で決められないのか。またそこがカワイイんだが。
そう思いながら自分も、忘れていた証券口座の封筒の束を引っ張り出す。

その口座には親父の遺産であるその債券しか入っていない。
いつもなら封筒が来ても開けずに整理棚に放り込んでしまう。
最新(と言っても何か月か前だが)の報告書を開けると、中にはこう書いてあった。

---------------------------[残高]---------------------------
XX国政府機関債。額面100万ドル。2015年12月償還。クーポン1.5%。
購入価格47.99。購入時為替79円/ドル。時価99万8700ドル。
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クーポンが1.5%と低いのは不満だが、幸いなことに当時の超円高1ドル80円のときに相続したので円ベースで評価すると4000万円にもなっていなかった。
おかげでほとんど相続税を払わずに済んだ、とも聞いた。
そういえばその時、いろいろ世話をしてくれた叔母がこう言っていたのを覚えている。

「あなたのお父さんはすばらしい投資商品を遺してくれたわ。
これは絶対に売っちゃダメ。この債券のことは忘れてあなたたちは仕事に打ち込みなさい。
だけど2015年末の償還が近くなったら私に相談してね。さもないと…」

そこから何を言われたかは覚えていない。
その叔母も亡くなって久しく、今となっては確かめようもない。
債券は満期が近くなりほぼ100万ドルの価値まで育ったが、このまま忘れていよう。
それが叔母の遺言みたいになってしまったし、これまでうまくやって来たのだから。



年が明け、春が来た。
さらに暖かくなる頃に妹は結婚式を挙げ、そのまま新婚旅行に出かけて行った。
そしてしばらくすると、見覚えのない番号から電話がかかって来た。

「もしもし、Aさんですか?」

「はい、そうです」

「○○税務署です。あなた、去年の所得で9千万円以上を申告していませんね」

「えっ、それは何かの間違いでは…」

「マイナンバー(納税者番号)XXXXXXXXXXのAさんですよね」

「はい、番号は合っています。しかし私はただのサラリーマンですよ」

「外貨建て利付債の償還金が1億3000万円、証券口座にあるはずです。その利益9000万円を申告して納税してください。
住民税などを含めると税額は4700万円程度になると思います。
送金の際は金融機関に『納税のため』と説明してください。わからないときは税理士か税務署に相談してください」

それだけ言うと電話は切れた。

なんだ馬鹿野郎、悪質ないたずらしやがる。そう思いながら電話を放り投げた。

・・・いや、待てよ。

そう思い直して、積み重なった報告書の束に手を伸ばす。震える手で年明けに来た封筒を開けると、こう書いてあった。


(中略)


俺は混乱した。

妹は非課税。俺には4700万円の税金。

同じ月に同じ債券でほぼ同じ金額を手にしたはずなのに、この差はいったい何だ? 





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(続く)


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