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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第173号 エボラ出血熱(3) 風土と慣習、そして常識の違い

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
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エボラ患者はギニア・リベリア・シエラレオネの西アフリカ3国で増え続けています。

2014年8月22日時点では感染者2615名、死亡者1427名。

他国では「感染の疑い」が増え始めていますが、拡がった気配はありません。

ナイジェリアでの封じ込めが成功するかどうかが大きなカギになると考えます。

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今回の件で思うのは、アフリカの風土と慣習があまりにも先進国と違うことです。

たとえばコウモリを食べる習慣が、エボラ感染の発端になったと報じられています。

さらに死者を手で洗う習慣が、エボラを拡散させました。

そして医者を信じることなく、祈祷師のほうを信じてしまうそうです。

先進国から来た医療関係者は感謝されることなく、むしろ恨まれているとも聞きます。

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リベリアではエボラ感染者の隔離施設が襲撃され、20名ほどの患者が逃げ出しました。

患者を「解放」した人々は「エボラは存在しない」と叫んでいたそうです。

患者たちは3-5万人が住むスラムにいったん戻ったものの、その後「全員が別の治療施設に移送され」ました。

この過程でどれぐらいの人々に広がったのか、話を聞いているだけで怖くなります。

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これは実に難しい問題です。

彼らがコウモリを食べるのは、畜産や農耕では十分な栄養が取れないからです。

それは「植民地支配によって貧しいままにさせているから」ではなく、(家畜の)疫病や天候といった自然条件がそうさせるのです。

しょうがないので鉱物資源やバナナ・カカオなどの商品作物を輸出し、代わりに食料や工業製品を輸入します。

これがまた「先進国による搾取」に映ってしまいます。

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貧しさが続くと、誤った知識を信じる可能性が高くなります。

「西洋の医者は我々を殺しに来ている」

「エボラはそのためにばらまかれた悪魔の呪いだ」

「その証拠に彼らの病院に行けば、ほとんど死んで戻って来る」

「そんなことをさせてたまるか! とらわれた家族を奪還しに行こう!」

こうして疫病が広がってゆくのです。

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先進国の子供は、帰ったらすぐに手や顔を洗ってうがいをします。

しかしアフリカには、きれいな水がありません。

飲料水がなくて死ぬ人がいるぐらいなので、きれいな水があるなら飲みたいのです。

そんな場所で衛生観念を教えて、果たして身につくものか。

医療機関で十分な洗浄や消毒が行われているのか疑問に思います。

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また先進国では子供のころから、図鑑を見て細菌やウイルスの存在を知っています。

親はマスクをさせ、感染が広がらないように注意します。

医療関係者でなくても、衛生や薬のことが「常識」として広がっています。

「悪魔の呪い」の正体は、科学によって解明されているのです。

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政府や医療機関に対する信頼も、大きく違います。

アメリカではエボラに感染した医者が回復し、元気な姿で演説しました。

先進国ではもしエボラに感染したら、隔離されて治療を受けたほうが生き延びる確率は高いです。

しかし「感染の疑いがあるだけで殺される」という恐怖があれば、暴れたり脱走したりするでしょう。

人命が軽視される国ほど、疫病の封じ込めが難しくなるわけです。

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いくら科学が発達しても、人間社会には「その地域の常識」が必要です。

先進国の常識は

「食べ物はいくらでもある」

「水道からきれいな水が出る」

「病院に行けば病気が治る」


しかし別の国では

「食べ物を作るのに制限がある」

「飲み水すらない」

「病院に行けば隔離され、そのまま焼き殺される」


相手の貧しさに見かねて善意で援助したとしても、どう受け取るかは相手次第です。

他人を助けたことによって、逆恨みされる可能性もあるということです。

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弊社は「事実と確率に基づく判断」を重視します。

しかし同時に、その地域の慣習や伝統も尊重しています。

だからこそ、このギャップを完全に埋めることは難しいと考えます。

先進国にいる我々ですら、数多くの「科学的に見える迷信」や「デマ」にとらわれているのです。




(続く)



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