(この記事はDeepInside2010年12月号から抜粋したものです。
ここにも書いたように、欧州ソブリン問題は蒸し返されるたびに深刻さを増して行きます。日本もそうでしたが不動産バブルが崩壊すると、かなり後まで尾を引いてしまうのです)


いきなりお下劣なタイトルですみません。

最近はメルマガもレポートも他人行儀な書き方になってきたので、自分を鼓舞して原点に立ち返るためにやってみました。

言いたいことは書いてあるとおりですが、野暮を覚悟でご説明します。

不動産バブル崩壊などで不良債権が積み上がると、待っているだけでは普通は解決しません。それ自体が資金を固定化し、調達コストを上げ、銀行などの貸し手からキャッシュフローを奪ってゆくからです。よほどの幸運や自助努力で解決することもありますが、それは非常に稀です。

そういった国や銀行には循環的に「危機」が襲ってきます。

ひとつのヤマを超えて落ち着いたなと思っても、根本が解決していないので次の危機はより大きな波となって襲ってきます。それを何とかしのいだと思っても、次はさらに大きな波が襲ってきます。いつ終わるかというと、「出さないと終わらない」のです。これが「ウ○コ漏れそうなときと似てる」と書いた理由です。

(図3)は欧州などの5年ソブリンCDSスプレッドです。

(図3)欧州ソブリンCDS    (出所:Bloomberg)
白=フランス、スペインイタリアポルトガル日本ギリシャアイルランドアイスランドハンガリールーマニアドバイリトアニア

PIIGSsovCDS


PIIGS問題が認識されたのは去年の終わりごろでしたが、それらの国のCDSは2月、4月、6月、9月、11月と循環的に上がってきました。
ギリシャは国の規模が小さいですし、もともと下痢(借金体質)がひどかったので真っ先に漏らしてしまいました。

しかし真っ先に飛ぶところはしばしばラッキーだったりします。

まだみんなに余裕があって、親身になってケツを拭いてくれるからです。

他の国も余裕があるふりをしてギリシャの世話をしますが、実は自分もじわじわと臨界点に近づいているのです。しかし自分からトイレに行くことはできません。

なぜなら「こんなになるまでウ○コを溜めた責任を取れええ!!!!」とライバルの経営者や政治家に攻撃されてしまうからです。

今回はアイルランドがネタでしたが、次はポルトガルになるでしょう。以前から言っているように、ユーロ圏で最大の問題はスペインです。ここがお漏らししてケツを拭くときにユーロがどうなるかわかりませんが、そこまで来てはじめてこの問題は一巡したといえるでしょう。

今月(2010年12月)に入ってスペイン株は急騰しています。しかしこういった株は下落トレンドの中でときおり急騰する傾向があるので、底打ちしたと判断するのは危険です。

日本の例でもわかるとおり、不動産バブルの傷は深いのです。

(以下略)