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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第613号 オミクロン株はスパイク蛋白に32の変異。デルタ株に置き換わる感染力。これまでのワクチンが効かない恐れ。
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
関東財務局長(金商)第1173号
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【概要】
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1. 南アフリカで発見された新型コロナウイルス変異株は「オミクロン株」と命名された
2. スパイク蛋白に32の変異。「免疫をすり抜ける」のは本当か
3. あれほど死者が出た南アで、デルタ株に置き換わってゆく感染力がヤバい
4. ワクチンによる抗体価は急減する上に、これまでのワクチンが効かない恐れ
5. しかし先進国でどうなるかは「感染が拡大してみないとわからない」
6. 金曜日は日本株が大きく下げたが、局面が進めば相対的な動きは変わってゆくはず
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1. 南アフリカで発見された新型コロナウイルス変異株は「オミクロン株」と命名された
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11月26日金曜日、世界的に株価が急落しました。
その一つの理由は
「南アフリカで発見された新型コロナウイルスの変異株がヤバい」
というものです。
私はそれを聞いても、ピンときませんでした。
「新たな変異株ぐらいでこんなに下げるかあ?」
「毎度毎度ボージョレ・○ーヴォーみたいなキャッチコピーを考えおって」
ぐらいの認識でした。
しかしそれ以降出てくる情報を合わせて考えると、確かに警戒したほうが良さそうだと考えを改めました。
世界保健機関(WHO)は「B.1.1.529」と呼ばれてきたこの変異株を、「オミクロン株」と名付け「懸念すべき変異株(VOC Variant of Concern)」に指定。
この名前はギリシャ文字のアルファベットから「オミクロン(Ο)」を割り当てたとのこと。
なぜ「Ξ(サイ・クサイ・Xi)」を飛ばしたのかについては、習(Xi)近平主席の音に似ているから避けたのではないかという噂があります。
米国では共和党上院議員がそれを仄めかし、WHOを攻撃していました。
それほどWHOと中国の癒着が目に余る、ということでしょう。
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https://www.foxnews.com/politics/cotton-world-health-organization-china
コットン氏はWHOが公衆衛生よりも中国政府の「感情」を守ることを「重視」していると指摘した。
WHOはCOVID-19の名称にギリシャ文字の「nu」と「xi」を使用していない。
オードリー・コンクリン|フォックス・ニュース
トム・コットン上院議員(共和党)は、土曜日のツイートで、世界保健機関(WHO)は公衆衛生よりも中国政府の「感情」を守ることを重視していると述べました。
このツイートは、WHOがCOVID-19の新しい変異型を命名する際にギリシャ文字の「nu」と「xi」を省略し、「オミクロン」変異型と名付けたことを確認した後に行われたものですが、コットン氏のツイートが組織の変異型の名称選択に言及したものかどうかは不明です。
「コットン氏は、「WHOはジョークだ。「彼らは公衆衛生よりも中国共産党の気持ちを重視しています。バイデン大統領は、この中国共産党の腐敗した操り人形に、改革なしに資金提供を再開するべきではなかった。"
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POLITICS Published 10 hours ago
Cotton drags WHO for being 'more concerned' about protecting 'feelings' of Chinese gov. than public health
WHO skipped the Greek letters "nu" and "xi" in naming its new COVID-19 variant
WHO announces omicron strain and causes worldwide panic
Fox News correspondent Jonathan Serrie reports on ‘Special Report’ the race to contain the new COVID-19 threat, the omicron variant.
Sen. Tom Cotton, R-Ark., said in a Saturday tweet that the World Health Organization (WHO) is more concerned about protecting the Chinese government's "feelings" than public health.
The tweet came after WHO confirmed it skipped the Greek letters "nu" and "xi" in naming its new COVID-19 variant, which it dubbed the "omicron" variant, though it is unclear if Cotton's tweet was in reference to the organization's variant name choice.
"The WHO is a joke," Cotton said. "They're more concerned about the feelings of the Chinese Communist Party than they are about public health. President Biden should never have resumed funding to this corrupt puppet of the CCP without reform."(略)
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2. スパイク蛋白に32の変異。「免疫をすり抜ける」のは本当か
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このオミクロン株について、これまでにわかっていることを忽那賢志氏がまとめています。
「感染力や重症化について結論は得られていない」
としながらも
「スパイク蛋白の変異部分が多いことや急速にデルタ株に置き換わっていることから、ワクチンの有効性低下や再感染が懸念される」
ということのようです。
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南アフリカから見つかった新規変異株「オミクロン株」 現時点で分かっていること
忽那賢志 感染症専門医
11/27(土) 11:07
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20211127-00269968
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- 2021年11月11日にボツワナで採取された検体から初めて検出された。
- 南アフリカでは11月14日に検出されたが、それまでほとんどデルタ株だったのが1週間でオミクロン株が主流に移った。
- サンプルが偏っている可能性があり、現時点では「デルタ株よりも感染力が強いか」を結論づけることはできない。
- ただしスパイク蛋白には32の変異が見つかっており、このうちH655Y、N679K、P681Hという3つの変異は スパイク蛋白2箇所の開裂部位(S1/S2)の近くの変異であることから、感染力の増加に関わっている可能性がある。
- 特に重症度が高くなっているという報告はない。
- それでもスパイク蛋白の変異が進んでいることから、ワクチンの有効性低下や再感染が懸念される。
[図表1:懸念すべき変異株 VOCの特徴の比較(忽那賢志氏作成)]
[図表2:南アフリカ共和国における変異株の検出される割合の推移(Department Health Republic of South Africa. SARS-CoV-2 Sequencing & New Variant Update 25 November2021.)]
(略)
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上の記事では「スパイク蛋白には32の変異が見つかっており」という部分が気になります。
というのもコロナウイルスは月に2か所のペースで変異が起こると聞いていたからです。
まずそれらの変異は武漢で見つかったオリジナルと比べてなのか、最近のデルタ株との比較なのかがはっきりしません。
また16か月分の変異がスパイク蛋白に集まったと解釈して良いものなのか、もともとスパイク蛋白は変異しやすいものなのかもわかりません。
これまでとあまりにかけ離れたウイルスだと「人工的に造られたものでは?」と疑う人も出てくるでしょう。
別の記事を読むとオミクロン株は
「過去の流行株と系統が違うため、アフリカで監視の目をくぐり抜けて変異が蓄積したのではないか」
「体の免疫反応を回避したり、感染力を高めたりする可能性がある非常に珍しい変異を持つ」
などと書かれています。
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オミクロン株を解析したら、ウイルス表面に変異32か所…感染力強まった可能性も
2021/11/28 10:10
https://www.yomiuri.co.jp/science/20211127-OYT1T50210/
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(略)
分析した小崎健次郎教授(臨床遺伝学)は「過去の流行株と系統が違うため、アフリカで監視の目をくぐり抜けて変異が蓄積したのではないか」と指摘する。
感染力や重症度は不明だが、変異は細胞への侵入のしやすさや、免疫の攻撃の回避に関係する部位にもあった。東京医科大の浜田篤郎特任教授(渡航医学)は「南アフリカの一部地域では感染力が強いデルタ株を凌駕し、オミクロン株に置き替わっている。変異部位も多く、感染力が増している可能性がある」と懸念する。(略)
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南アで新たなコロナ変異株、免疫反応回避などの特徴
2021年11月26日5:22 午前
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-safrica-idJPKBN2IA1OR
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[ヨハネスブルク 25日 ロイター] - 南アフリカの専門家らは25日、少数ながら新型コロナウイルスの新たな変異株を検出したと発表した。
この変異株は「B.1.1.529」と呼ばれ、体の免疫反応を回避したり、感染力を高めたりする可能性がある「非常に珍しい」変異を持つ。(略)
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少し前の記事では、
「免疫不全の人の慢性感染の過程で進化したとみられ、治療を受けていないHIV感染者だった可能性がある」
と書かれていました。
そのメカニズムを私は理解できないのですが、HIV感染者の体内ではコロナウイルスが変異を起こしやすいということなのでしょうか。
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金融市場を揺らす新たなコロナ変異株、現時点で分かっていること
2021年11月26日 15:45 JST 更新日時 2021年11月27日 7:13 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-11-26/R35UUGT0G1KW01?srnd=cojp-v2
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(略)
2.発生源はどこか?
現在のところ臆測にとどまっている。英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)遺伝学研究所の科学者によれば、免疫不全の人の慢性感染の過程で進化したとみられ、治療を受けていないHIV感染者だった可能性がある。
南アのHIV感染者は820万人と世界最多。南アで昨年特定されたベータ変異株もHIV感染者から広がった可能性が指摘されている。(略)
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3. あれほど死者が出た南アで、デルタ株に置き換わってゆく感染力がヤバい
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ここで改めて南アの感染状況を確認すると、冬真っ盛りの7月には一日あたり約2万人が新規感染し約400名が死亡していました。
現存感染者の積み上がりは20万人超。
重症者のデータはありません。
死亡率が高い気がしますね。
[図表3:南アフリカの新規感染者・現存感染者・重症者・死者等(7日移動平均)]

しかしそこから徐々に改善し、11月半ばには1日当たり死者は10-20人に減少。
ところがこの10日ほどで、新規感染者が急角度で増えているのです。
なるほど。あれほどデルタ株が猛威を振るったあとの南アでこの状態なら
「これまでの免疫やワクチンが効かないかも」
と恐れられるわけです。
南アフリカはこれから夏に向かうところですが、それも安心できません。
これまでの経験則だと感染が拡大するのは冬と夏で、比較的落ち着くのは春と秋です。
夏に増えるのは意外でしたが締め切った空間で冷房を入れるため、感染が広がりやすいのかもしれません。
それに対して春と秋は気候が良いため換気が行われ、免疫力が高いから感染が収まるのでしょうか。
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4. ワクチンによる抗体価は急減する上に、これまでのワクチンが効かない恐れ
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ワールドメーターによると、現時点で南アフリカのコロナ死者は百万人あたり1,488人で224地域中54位。
感染者は百万人あたり49,017人で224地域中111位です。
欧米主要国ほどではありませんが、それなりに被害を受けた地域のひとつと言えます。
この数字で行くと、ちょうどスウェーデンと似たような数字です。
ちなみに日本のコロナ死者は百万人あたり146人、世界平均の669人を大きく下回っています。
このランキングもペルーの首位こそ変わっていませんが、いつの間にか東欧勢が上位を占めるようになりましたね。
[図表4:百万人あたりコロナ死者、地域別ランキング]
https://www.worldometers.info/coronavirus/
| 1 | Peru | 2,232,749 | 201,071 | 66,419 | 5,981 |
| 2 | Bulgaria | 688,628 | 28,043 | 100,165 | 4,079 |
| 3 | Bosnia and Herzegovina | 272,798 | 12,456 | 83,883 | 3,830 |
| 4 | Montenegro | 156,608 | 2,283 | 249,305 | 3,634 |
| 5 | North Macedonia | 214,676 | 7,528 | 103,048 | 3,614 |
| 6 | Hungary | 1,068,888 | 33,866 | 111,043 | 3,518 |
| 7 | Czechia | 2,110,274 | 32,744 | 196,544 | 3,050 |
| 8 | Georgia | 835,306 | 11,871 | 209,960 | 2,984 |
| 9 | Romania | 1,775,572 | 56,169 | 93,170 | 2,947 |
| 10 | Gibraltar | 7,162 | 98 | 212,667 | 2,910 |
| 11 | Brazil | 22,076,863 | 614,236 | 102,836 | 2,861 |
| 12 | San Marino | 5,790 | 93 | 170,139 | 2,733 |
| 20 | USA | 49,077,695 | 799,312 | 147,059 | 2,395 |
| 21 | Belgium | 1,701,633 | 26,840 | 145,932 | 2,302 |
| 27 | Italy | 4,994,891 | 133,627 | 82,783 | 2,215 |
| 29 | UK | 10,110,408 | 144,724 | 147,841 | 2,116 |
| 34 | Spain | 5,131,012 | 87,955 | 109,683 | 1,880 |
| 39 | France | 7,588,400 | 118,871 | 115,895 | 1,815 |
| 40 | Portugal | 1,139,810 | 18,405 | 112,242 | 1,812 |
| 52 | Iran | 6,105,101 | 129,549 | 71,403 | 1,515 |
| 54 | South Africa | 2,958,548 | 89,791 | 49,017 | 1,488 |
| 56 | Sweden | 1,198,848 | 15,113 | 117,676 | 1,483 |
| 61 | Austria | 1,132,805 | 12,349 | 124,778 | 1,360 |
| 73 | Netherlands | 2,577,446 | 19,272 | 149,955 | 1,121 |
| World | 261,356,386 | 5,212,014 | 33,530 | 669 | |
| 153 | Japan | 1,726,944 | 18,357 | 13,713 | 146 |
その南アフリカでオミクロン株が急速に拡がっているということは、
「デルタ株よりも感染力が強い」と想定するのが自然
かと思います。
するとたとえ重症化率が変わらないとしても、各国ともに厳しいことになるでしょう。
感染者数が増えれば医療リソースを圧迫し、死者が増えてしまうからです。
日本もデルタ株によって、8月9月には医療崩壊に陥りかけた地域がありました。
欧州ではデルタ株の感染が拡大し、オーストリアは全面ロックダウンに踏み切っています。
ドイツ・ポーランドもかなり危険で、フランス・英国・スペインなども油断できません。
すでに医療を圧迫している地域にオミクロン株が入り込んだらどうなるでしょうか。
ただでさえワクチン接種による効果は低減して行き、7か月後には抗体価が13分の1に低下するという研究もあるのにです。
これまでのワクチンや自然免疫による防御は、「オミクロン株に対して丸裸同然」という事態がありえます。
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接種7カ月で抗体価13分の1に低下 都医学総研調査
2021年11月22日 18:57
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC224OB0S1A121C2000000/
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東京都医学総合研究所は新型コロナウイルスワクチンの2回接種後の抗体濃度の推移に関する調査結果をまとめた。接種完了から7カ月程度経過すると、感染防止効果が期待できる中和抗体の濃度(抗体価)は13分の1程度に低下していた。年齢が上がるほど値が低く、3回目接種の重要性を裏付ける結果となった。
調査は3月末までに米ファイザー製ワクチンを2回接種した都立病院の医療従事者や事務職員ら1139人から採取した血清を用いた。年齢は主に20~70代。(略)
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5. しかし、先進国でどうなるかは「感染が拡大してみないとわからない」
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しかし一方で、先進国でどうなるかは「感染が拡大してみないとわからない」部分があります。
新興国にとっては恐ろしいエボラ出血熱も、先進国ではそれほど怖くなかったりします。
今でも欧米で猛威を振るっているデルタ株は、日本では「まるで消えたように」収まってしまいました。
逆に去年はほとんど被害がなかった東南アジア地域は、今年の夏に入ってからデルタ株の感染拡大で産業が止まりました。
さらにワクチン接種状況の違いもあります。
南アフリカはワクチンの2回接種率は23%。
先進国はほとんど6-7割で、日本は77%です。
すでに書いたように、ワクチンによる抗体価が急速に低下することが大きな懸念材料ではあります。
それでも少し効果が残っていれば、国全体の実効再生産数R0は全く変わってくる可能性があります。
その他にもHLAハプロタイプ仮説やBCG仮説など、感染被害を決める要因は複数ありそうです。
生活習慣などもそうです。
どれぐらい感染が広がって、どれぐらい医療が逼迫するのかはまだわかりません。
私個人としては今のところ、「mRNAワクチンを何度も射つのはイヤだ」と考えてます。
しかしそれも他国のブースター接種の結果を見ながら、状況に応じてやることになるかもしれません。
いつものように最悪を想定しつつ、今後も調査を続けます。
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6. 金曜日は日本株が大きく下げたが、局面が進めば相対的な動きは変わってゆくはず
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金曜日の朝5:20から土曜の朝5:20にかけ、日本株先物はほとんどの国よりも大きい5.44%の下落率となりました。
世界がこれから景気後退に陥ると想定するのなら、景気循環株が多い日本株が売られるのもおかしくはありません。
しかしもっと打撃を受ける国は多いはずで、日本株が最も売られることにはならないでしょう。
また米国のように大きなコロナ被害を受けながらも株価が上昇した国もあります。
特に現在は弊社が言う「三大潮流」が強いため、コロナ被害だけでは株価や通貨の相対的な動きは読み切れません
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ワイルドインベスターズが言う三大潮流
1. ドットコムバブル型の米株上昇
2. 途中で新興国クラッシュ
3. 再ブロック化
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これらの動きに加え、オミクロン株の被害が局面を変えてゆくのでしょう。
その流れになるべく遅れないように、助言を続けてゆきます。
(終)
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金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。
またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。
弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。
ワイルドインベスターズ会員サイト
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発行責任者 ワイルドインベスターズ株式会社
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