ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2019年06月

【週末だけのグローバル投資】やはり米中協議は物別れに (9)平和の儀式が終わり、また交渉が始まる



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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第431号 やはり米中協議は物別れに (9)平和の儀式が終わり、また交渉が始まる

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社

                      関東財務局長(金商)第1173号
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G20と米中首脳会談は穏やかに終わりました。

結果は「米国は関税引き上げを一時ストップし米中交渉を再開する」というもの。

香港・南シナ海人工島軍事化・尖閣・北朝鮮非核化・拉致などは議題になりませんでした。

「習近平さん、ホントに来るの?」と言い続けていた弊社の予測は外れたことになります。

私が考えるよりもG20は儀式的な場であり、議論や問題解決の場ではなかったようです。

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ただし米中貿易戦争を「一時休戦」と評価するのは誤りです。

今回は第四弾の追加関税3000億ドル(約33兆円)が停止されただけ。

第三弾の2000億ドル(約22兆円)に対する25%の関税は生きているのです。

つまり米国が制裁を続けた状態で交渉が再開されるということ。

ここで時間稼ぎやちゃぶ台返しをすれば、すぐにでも第四弾が発動するでしょう。

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「華為(ファーウェイ)に対する制裁を解除」という報道も誤り。

これは中国が会談終了前に報道し、親中派が一斉拡散したので誤解した人も多いでしょう。

トランプ大統領は「エンティティリスト(EL)から除外するか商務省が数日中に協議する」と答えただけです。

また「安全保障に関係ない部分は除外する」という条件も、以前から変わっていません。

現に東芝は5月、華為への出荷をいったん停止した後に条件を確認して再開しています。

つまりG20前と何も変わっておらず、トランプ大統領は譲歩も妥協もしていないということです。

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仮に米国が華為への制裁をこのタイミングで解除したらどうなるでしょうか?

「だったら最初からやるなよ」とみな思いますし、根拠そのものが疑われてしまいます。

米国の要請にすぐ応えた民間企業は取引先を失い、中国政府から報復されるという恐怖だけが残ります。

いつ梯子を外されるかわからないのでは、米国が同盟国に共同歩調を呼び掛けても効果は薄いでしょう。

面従腹背で足並みが乱れること必至です。

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しかし制裁が拡大される可能性こそあれ、解除される可能性はほぼゼロです。

中国企業に対する技術流出は少なくとも2007年から問題視されており、議論を尽くした上で始めたことだからです。

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ファーウェイ疑惑、10年以上前から
古森義久 Japan In-deapth 2019/1/2
https://japan-indepth.jp/?p=43530
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(略)アメリカ側では政府も議会も実はファーウェイに対しては長年、脅威を受けてきたのだ。
私自身がワシントン駐在の産経新聞記者としてその一端をなんといまから10年以上も前の2007年10月に報道していたのだ。(略)

米通信企業 中国大手が合併 軍事技術の流出懸念 特別審査へ
2007-10-13・東京朝刊・国際2面

米中通信企業合併「安全保障脅かす」米下院に反対決議案
2007-10-17・東京朝刊・国際2面

中国国有企業 米、広がる警戒「軍事技術盗む」
2012-02-17・東京朝刊・国際面

「対米スパイ工作関与」米下院委、中国通信大手名指し
2012-10-10・東京朝刊・総合1面
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この件に関してはトランプ大統領よりも米議会のほうが強硬です。

親中のイメージが強い米民主党ですら「トランプ大統領は甘い」と責め立てています。

共和党のマルコ・ルビオ上院議員はツイッターですかさず釘を刺しています。

「もしトランプ大統領が華為への制裁をひっくり返すなら、それは破滅的なミスである。

これによってこの企業(華為)による脅威を警告する政権の信用は失われ、誰も二度とはまともに受け取らなくなるだろう。」

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Marco Rubio
7:34 - 2019年6月29日
https://twitter.com/marcorubio/status/1144977483101593601
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If President Trump has agreed to reverse recent sanctions against
#Huawei he has made a catastrophic mistake.

It will destroy the credibility of his administrations warnings about
the threat posed by the company,no one will ever again take them seriously.
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逆に中国側の情報戦はまずまずの戦果です。

シンパを使って「貿易戦争は休戦」「華為制裁は解除」と功績を誇っています。

G20では安倍首相が香港・東トルキスタン・東シナ海のことに言及した以外、人権や軍事のことで何も言わせませんでした。

日本が代表としてG20前の日中首脳会談でそれを言ったことにして、他国にはG20の席でそれらを持ち出さないように「握った」のかもしれません。

習近平氏のG20参加が日中会談のわずか4日前までずれ込んだのは、そのあたりを交渉していたからではないかと推測します。

通常、この規模の会議への参加表明が直前4日前になることはないからです。

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習近平氏、27~29日に大阪訪問 G20、米中首脳会談へ
産経新聞 2019.6.23 18:50
https://www.sankei.com/world/news/190623/wor1906230013-n1.html
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中国外務省は23日、習近平国家主席が20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため、
27~29日の日程で大阪を訪問すると正式に発表した。

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日中首脳会談の要旨
日経新聞 2019/6/27 21:07
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46674680X20C19A6PP8000/
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【海洋安全保障】
首相は東シナ海、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船の活動に自制を要求。首相が南シナ海の非軍事化の重要性を指摘。

【香港】
香港政府の「逃亡犯条例」改正案を巡る問題で、首相は「一国二制度」の下で自由で開かれた香港の繁栄が重要だとの認識を伝達。
新疆ウイグル自治区での人権問題も念頭に、人権の尊重や法の支配など普遍的価値の重要性を指摘。
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また米国からの圧力が強まる中で、安倍政権と仲良しアピールができたことは大きなポイント。

安倍首相が習近平氏を国賓として招けば、次はお返しとして天皇陛下訪中の道筋が開けるでしょう。

そうなれば六四天安門事件と同じパターンで制裁を逃れることができます。

米国から見れば裏切り行為に見えるはずで、うまく日米離間・日米対立へと誘い込んでいます。

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日中首脳、「正常な軌道」確認へ 習近平氏の来春訪日巡り協議
中日新聞 2019年6月27日(木)
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019062701001504.html

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「トランプ大統領が日米同盟を破棄したがっている」という報道もその作戦の一環。

ひとつの報道機関が25日に記事にすると、中国シンパが世界に拡散しました。

日本では菅官房長官が、米国では国務省がそれぞれ否定しなければなりませんでした。

G20前の日米離間策としては大成功だったでしょう。

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確かにトランプ大統領が不満を持っていることは事実で、それは以前から知られてします。

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- 米国は日本を助ける義務があるが、逆の義務はない(片務契約)

- それなのに費用をあまり負担してくれない(と米国側は感じている)
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しかし同時に、日米同盟を解消するつもりもないとも言っています。

これらを総合すると、「米国が戦う時には自動的に日本が味方になる相互防衛にまで発展させたい」ということになります。

つまり報道とは真逆で、日米同盟をさらに強化したいのです。

安倍首相はこれに応え、参院選で「改憲」を打ち出すと考えます。

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トランプ大統領は今日、金正恩氏と会って北朝鮮へ足を踏み入れた初めての現職大統領となりました。

それで何か進展するわけでもないですが、「仲良しセレモニー」の締め括りとしてはふさわしいのかもしれません。

そして明日からは、議会や軍に突き上げられながらの交渉が再開します。

利益を得た人も、損をした人も、損したことにすら気付かない人も現実に引き戻されるのです。

これに対する市場の動きは、会員さん向けにレポートして行きます。






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気になるチャート20190628


先週は米国SP500指数が新高値を更新したものの、「G20や金融緩和に期待し過ぎ」と書いた。

意外なことに習近平氏はG20まで参加したが、米中会談に際して条件を後からどんどん付け加えてきた。
  • 香港の話はしない
  • 米政府が一時休戦で合意することを会談の条件とする
  • 貿易戦争を休戦とするには華為(ファーウェイ)への制裁解除が必要
これらの報道がすべて本当だとすれば会談は不可能だが、おそらく「言ってみただけ」だろう。

それ以外にも「南沙人工島軍事化」「東トルキスタン・チベット」「尖閣」「北朝鮮非核化」「拉致」などの課題が山積だ。たとえ会ったとしても米国の追加関税は避けられそうにない。弊社はいまでも、明日の米中首脳会談が実現するかどうか疑問視している。



市場は米中交渉決裂を織り込んでいるようだが、その割には下げていないとも思う。
LineChartMajorEq1f1_20190628





























通貨は円安かつドル安のリスクオン。

その観点だとその割に上がっていないともいえる。

LineChartMajorCcyJPY1f1_20190628





























米10年国債金利は2%程度が定着した。

金融緩和期待が株価を支えている面もあるのだが…。

LineChartGovBond1f1_20190628




























ドルベース対SP500指数で見ると、新興国がやや強い「逆流」が2週間ほど続いている。

LineChartMajorEqvsSPX1f1_20190628




























米セクターは日替わりで強くなったり弱くなったり。

しかしおおむね、過去のトレンドを踏襲しているように見える。

LineChartSP10vsSPX1f1_20190628































【週末だけのグローバル投資】やはり米中協議は物別れに (8)米株は史上最高値更新するもG20と金融緩和に過剰な期待





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第431号 やはり米中協議は物別れに (8)米株は史上最高値更新するもG20と金融緩和に過剰な期待

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今週はSP500指数が史上最高値を回復しました。

弊社が「予言」していたことでありながら、思ったより早く達成したので正直驚きました。

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要因はふたつあります。

ひとつは「トランプ大統領と習近平氏が電話会談を行い、通商摩擦が解決する期待感が広がった」こと。

もうひとつは「FOMCで景気減速が確認され、金融緩和期待が広がった」こと。

いずれも根拠薄弱な願望に近いですが、ちょうど買い戻したい時期に当たったのでしょう。

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トランプ大統領と習近平氏が電話会談は、いつぞやの「美しい手紙」と同じです。

正攻法ではどうにもならないので、個人的な感情に訴えて来たのです。

トランプ大統領は「G20で会談が行われる」と言いますが、そう言うのはいつも米国側ばかり。

中国側からそれに応じるコメントはありません。

中華の皇帝が公衆の面前で蛮族に吊し上げられることなど、あってはならない事態だからです。

「誰もセットする人がいない」という状況は、変わっていないと考えます。

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仮に習近平氏がG20に出てしまうと、「通商摩擦のこと」「香港の弾圧」などを責められてしまいます。

今週さらにネタが加わりました。

「南シナ海人工島を軍事化して戦闘機(殲10)を置いていること」
https://edition.cnn.com/2019/06/20/asia/china-fighters-satellite-image-woody-island-intl-hnk/index.html

かつて習近平氏はトランプ大統領との会談で「軍事基地にしない」と約束しました。

しかしそれを破って軍事基地を作り、さらに戦闘機まで配備したのです。

中国の口約束を米国が全く信用しないのは、このような過去の経験が積み重なっているからです。

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それなのに安倍首相は習近平氏とG20前に会うそうです。

尖閣で領海侵犯されているのに、ヘラヘラ笑って関係修復を求めるそうです。

中国はこれを奇貨として、最大限に利用することでしょう。

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たとえば日中が共同で「保護主義に対抗する」「多様性を認める」「覇権を求めない」などの宣言を行います。

言いたいことを言って、習近平氏はG20をバックレます。

安倍首相はホストとして習近平の意見を伝えます。

するとトランプ大統領は、安倍首相に対して「どっちの味方なんだ」と疑念を抱きます。

中国にしてみれば米国との衝突を避け、日米を離間させる一石二鳥の戦略です。

中国の古典を読んだ人であれば、それぐらいは簡単に読めるでしょう。

安倍首相がいくら中国に媚びても、相手はそれを利用して罠に嵌めるだけなのです。

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そして米国は当たり前のように対中関税引き上げを行います。

「首脳会談で貿易摩擦は解消する!」と煽っていた人々も、安倍首相の失態だと責任転嫁するでしょう。

G20を経ても情勢は変わらず、単に安倍首相と日本が損をするだけに終わりそうです。

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おそらく市場はG20前に、これらの過剰な期待を織り込んでしまうでしょう。

そのときにどう対処するか。

会員さんには適宜、助言して行きます。





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【週末だけのグローバル投資】やはり米中協議は物別れに (7)香港デモは六四天安門事件と同じく流血の事態になる可能性が高い



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第430号 やはり米中協議は物別れに (7)香港デモは六四天安門事件と同じく流血の事態になる可能性が高い

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今週は会員さん向けに特別メールを2通出しました。

ひとつは「習近平氏は米中会談どころかG20自体をバックレる可能性あり」という予測。

もうひとつは「香港デモは六四天安門事件と同じく流血の事態になる可能性が高い」という予測です。

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「習近平氏は米中首脳会談はおろかG20に来ない」という予測は、6月7日に一部会員さん向けに出しました。

6月6日時点にトランプ大統領が習近平氏を「会談から逃げねえよな? 逃げたら制裁すっから」と脅したからです。

失敗することが分かり切っている会談など、独裁国家では誰もセットしません。

順当に失敗した場合、リアルに首が飛ぶからです。

その予測は次第にコンセンサスと化しているようです。

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かたや香港では「逃亡犯条例」改正案に対し、100万人(全人口の7分の1!)を超えるデモが発生。

香港特別行政府は鎮圧に乗り出し、警官隊とデモ隊が衝突しました。

催涙弾やゴム弾まで発射され、2名重体で72名がケガと報じられています。

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香港デモ鎮圧で2名重体 
Hong Kong protests: Two people in serious condition as legislature on lock down
CNN 2019/06/13
https://edition.cnn.com/2019/06/12/asia/hong-kong-protests-intl-hnk/index.html
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香港 「逃亡犯条例」改正反対デモ けが人70人超
ANN (2019/06/13)
https://www.youtube.com/watch?v=2yjTQqQTVoo
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これの何がヤバいかというと、香港の司法がほぼ完全に中国共産党の支配下に入ることです。

特に懸念されているのは、中国政府に批判的な香港の人物が容疑をでっち上げられて中国本土へ引き渡されること。

他国民も同じように、香港にいればスパイ容疑などで逮捕されて中国本土に引き渡される可能性があります。

香港がますます「中国に呑み込まれる」ということです。

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香港大規模デモ、問題の「引き渡し条例」とは何か?
Newsweek 2019年6月12日(水)13時15分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/post-12300.php
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(略)今回の改正案が成立すれば、香港住人だけでなく、香港に住んだり渡航した外国人や中国人までもが、
中国側からの要請があれば本土に引き渡されることになる。(略)
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「逃亡犯条例」改正案とは 「一国二制度」事実上崩壊の懸念
産経新聞 2019.6.12 17:54
https://www.sankei.com/world/news/190612/wor1906120020-n1.html
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(略) Q 反対運動が起きているのはなぜか

 A 香港は1997年の中国返還後も「一国二制度」で高度な自治が50年間認められているのに、
条例改正により同制度が事実上崩壊すると反対派は懸念している。
香港政府は引き渡し対象となる犯罪を限定するなどしているものの、実質的に香港市民も中国当局の取り締まり対象になる恐れがあるためだ。
香港の根幹をなす「一国二制度」が揺らぐことで、世界の経済・金融センターとしての地位低下も心配されている。

 Q 具体的に想定されるケースは
 A 香港で活動する活動家など中国政府に批判的な人物が、容疑を作り上げられて中国本土へ引き渡されるといった懸念を反対派は挙げる。
香港を訪れた外国人ビジネスマンや観光客も、引き渡し対象になる可能性が指摘されている。(略)
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そうなれば香港は、完全に共産党独裁体制の支配下に入ります。

香港人であれば英国統治下で育った世代も、その下の世代も、2014年の雨傘革命より強い危機感を共有しています。

だからこそ、全人口の7分の1がデモに参加しているのです。

台湾人に「我々香港人の屍を踏み越えて中国のくびき(自由を縛るもの)から逃れろ」と訴える人もいました。

先進国の「本当の意味でのリベラル(自由主義者)」も、これを後押ししています。

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「台湾人よ、我々香港人の屍を踏み越えて中国のくびきから逃れろ」
https://twitter.com/TaiwanHistoryJP/status/1138771218906066944/photo/1
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ペロシ米下院議長、香港の扱い見直す法制呼び掛け-条例改正案巡り
Bloomberg 2019年6月13日 3:11 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-12/PSZVNZ6TTDS501
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一方、中国共産党をバックにした香港特別行政府も引けません。

そんなことで譲歩したら、本土の民主化勢力が勢いづいて暴動と結びついてしまいます。

裏では米国など、自由主義諸国が糸を引いていると考えるでしょう。

たとえ実際にそうでなくても、陰謀ばかり巡らせている人は他人も同じことをしているように考えるそうです。

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そして中国共産党が六四天安門事件で得た教訓は、「反政府勢力は徹底して戦車でひき潰せ」ということ。

そうすれば反政府に向かうエネルギーが、他国への憎悪や経済活動に向かってくれます。

逆にそれをしながったソ連や東欧諸国の共産党政権は潰れてしまった、と考えています。

そう考えるなら、デモ隊が引かない限り今回の事件は六四天安門並みの流血の事態になる可能性があります。

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これに対する考えは人それぞれでしょうが、以降は経済的なインパクトについて考えます。

弊社はすでに4年前の2015年7月、「香港への投資は避けるべし」と警告しました。

なぜなら上海株は急に売却停止になるなど、とても資産としてカウントできないシロモノになったからです。

そして香港は急速に中国政府の支配下に入りつつあるので、「香港は中国とは違う」という幻想を捨てて逃げるべきだと書きました。

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中国バブル崩壊のインパクト(1) 中国への進出は「命懸けの募金箱」
ワイルドインベスターズ投資ブログ 2015年07月12日07:30
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51189422.html

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中国バブル崩壊のインパクト(2) なぜ香港株のほうがヤバいのか
ワイルドインベスターズ投資ブログ 2015年07月19日07:30
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51189831.html
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(略)みな心のどこかに「香港は中国とは違う」という印象をまだ残しています。

しかし「返還後50年は体制を維持する」という約束はいとも簡単に破られました。

香港が中国政府の支配下に入るスピードは加速度的に増しています。

そして政治に興味のない人は、そんなこと知りません。

「上海は怪しいけど、香港は大丈夫」と思い込んでいます。(略)

「香港は中国とは違う」という幻想をみなが抱き、資産価値が保たれているうちに逃げ出すべきなのです。

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弊社の「予言」はいつも早すぎる傾向があります。

中国そのものがヤバいという話は、15年以上も受け入れられませんでした。

韓国や香港についてもずっと警戒を呼び掛けて来ましたが、それらは日本株とあまり変わらないパフォーマンスで推移して来ました。

トルコや南アがヤバいという話も、かなり後になってから通貨・株価が売られ始めました。

そしておそらく今回のような事件がなければ、香港が中国に呑み込まれていることに気付く人も少なかったのでしょう。

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普通に考えるなら、香港行政府は犠牲者を出してでも今回のデモを鎮圧するでしょう。

逆転があるとすればそれこそ中国共産党政権の崩壊ぐらいしかありません。

しかしその場合には、この香港100万人デモどころではない大戦乱になります。

その後の香港は、旅行していたら突然スパイ容疑などで拘束されて本土に移送されるという魔の地域となります。

つまり香港の危険度が中国本土と同じになり、「よほど特別な仕事がない限り行くべきではない土地」となるのです。

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そのような場所には、人もカネも情報も寄り付きません。

大英帝国のアジア支店として繁栄した香港が、その意味をまったく失うのです。

すると香港株も中国本土株と同じ扱いになって行きます。

自由な言論がなく、株を自由に売れず、利益を持ち帰ることができない市場ということです。

いずれそうなると知っていた香港の富豪たちは、何年もかけて「撤退戦」を行ってきました。

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【Wedge】香港大富豪の「中国撤退」がついに終盤戦へ、経営の王者・李嘉誠氏の脱出録
立花聡  2019年4月2日
https://www.tachibana.asia/?p=23639
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李嘉誠氏の中国撤退は終盤に差し掛かった。
 香港最大のコングロマリット長江和記実業(CKハチソンホールディングス)元会長、
世界28位の富豪(2019年3月フォーブス発表)李嘉誠氏の中国資産(香港を含む)が総額ベースで1割に縮小し、欧州資産は5割を超えた。
李氏は過去6年にわたって段階的に撤退し、中国からフェードアウトしたのである。
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個人投資家は独裁国家に投資するべきではありません。

これからもそのことは、声を大にして主張したいと思います。





[追記]


このデモを受け、香港政府は逃亡犯条例の先送りを決定したようです。

しかしおそらく隙を突いて成立させようとするでしょう。

独裁国家に対して油断してはなりません。

他人を奴隷化するためなら、何でもやる人々なのです。

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香港政府、「逃亡犯条例」の先送り発表 大規模デモ受け
CNN 2019.06.15
https://www.cnn.co.jp/world/35138529.html
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気になるチャート20190614
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wordをPDFにするとき図が空白になったり移動したりする
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51261907.html

【週末だけのグローバル投資】会員さん用投資レポート2019年06月号リリース!
「本流にはこだわり、ネットロングにはこだわらない」
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51261875.html


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