ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2018年11月

気になるチャート20181130


今週は最初から(パターンa)が出現し、反発の気配を見せていた。

後半にはパウエルFRB議長が「現在の政策金利は中立とされるレンジをわずかに下回る」と発言し、反発が勢いづいた。

弊社は新興国危機で利下げペースが落ちると考えていたので、タイミングとしてはやや意外だった。

結果的に10月底値でもう一度跳ね返されたことになる。


LineChartMajorEq1f1_20181130





























しかしそれまでのリバーサルには厳しいものがあった。

これまで上昇を牽引して来た情報技術や一般消費財が大きく下げた。

LineChartSP10vsSPX1f1_20181130





























通貨が円安傾向であることが支援材料となっている。

LineChartMajorCcyJPY1f1_20181130




























新興国主導の反発から、ようやく「本流」復帰の気配がしてきた。

LineChartMajorEqvsSPX1f1_20181130




























コモディティは引き続き軟調。

サウジには増産する理由がある。


LineChartCmdtyIDX1f1_20181130

【週末だけのグローバル投資】約50年ぶりの対中政策大転換 (7)ゴーン会長逮捕で「日産のフランス国有化」を阻止した日米政府





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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第398号 約50年ぶりの対中政策大転換 (7)ゴーン会長逮捕で「日産のフランス国有化」を阻止した日米政府

週1回発行
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                      関東財務局長(金商)第1173号                                            
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日産のゴーン会長逮捕には驚きました。

しかしここでも、米中冷戦の火花がバチバチと散っています。

細かい論点などは他の記事にお譲りすることにして、ここでは見落とされがちな視点を整理します。

まず各プレイヤーの思惑や大局観から。

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【 中国 】

日産(+三菱)自動車からの1兆円投資を通じて、電気自動車(EV)技術をいただきたい。
ガソリン車やハイブリッド車では先進国にかなわないが、EVなら世界を支配できる可能性がある。
しかし米国の態度が変わって技術流出に厳しくなってきた。
このままでは日産も逃げてしまうかもしれない。
ここでフランスが日産を「接収国有化」してくれたら、日米を迂回して技術・資金をもらうことができる。

【 フランス 】

ルノーは実質的なフランス国営企業。
しかしルノーが技術や競争力で劣るようになり、日産の技術や配当に頼るようになったことに頭を痛めている。
日産が独立して離れないよう、経営統合して「関係を不可逆的なもの」にしたい。


 ↑↑ 対立 ↓↓


【 日本 】

20年前に日産を助けてもらったルノーやフランス政府には感謝している。
立場が逆転して日産の利益でルノーを養うようになった今でも、提携(アライアンス)を続けることは構わない。
しかし経営統合して「フランス国有化」するのはひど過ぎる!
競争に敗れたからといって、高度な技術を持つ日本企業を外国政府が接収することは容認できない。

【 米国 】

ヘイ、ユー! 中国に技術を流すなと言ってるだろ!
フランス国有企業のルノーが日産・三菱自動車を吸収することは許さん!
日産はそのカネでラストベルトを何とかしてくれガッデム!
そういえばマクロン。貴様「欧州軍を創設する」とかほざいていたな。
ノルマンディー上陸作戦もパリ解放も冷戦もNATOも知らないお子ちゃまですか?
不公正貿易で自国の利益ばかり追求してるのはお前のほうだ!恥を知れ!


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この件に関し、「先に仕掛けた」のはフランスでありマクロン大統領です。

2014年4月にフロランジュ法を制定し、「長期保有の株主の議決権を2倍にする」というルールを作りました。

外国人や外国企業が持っている株はどうなるのかわかりませんが、少なくとも日産が持つルノー株式の議決権は無効とされています。

ということはフランス政府と日産がともに15%のルノー株を持っていたとしても、議決権は「30対ゼロ」なわけです。

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フロランジュ法 長期保有の株主、議決権2倍
 2015/11/6 23:49
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06H86_W5A101C1EA2000/
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2015年には当時「経済産業デジタル相」だったマクロン仏大統領が、仏政府が影響力を持つ形での経営統合を求めています。

幸いなことに当時のゴーン会長は否定的であり、日産が15%持っているルノー株をさらに買い増して25%以上取得するという力技で対抗しようとしました。

そうなれば日本の会社法上、ルノーが持っている議決権の効力を失わせることができるからです。

結局、ルノーと日産のケンカ別れを恐れたフランス政府は経営統合を断念しました。

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しかしフランス政府は今年2月、経営統合を渋るゴーン会長をCEO再任をネタに寝返らせました。

この時点で、経営統合は時間の問題となってしまいました。

すると日産としては、敵となってしまったゴーン氏の利益や立場を守る理由がなくなってしまったのです。

そこで司法取引を持ち掛けて、これまで秘密にしてきたことを公にしたのでしょう。

日産側からも罪に問われる人が出てくるかもしれませんが、このまま吸収されるより独立を守る道を選んだのです。

苦渋の決断だったのでしょう。

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今回、逮捕したのが東京地検特捜部というのがミソです。

通常であれば、このような形で逮捕できる相手ではありません。

背後に米国の影がちらつきます。

というか、姿が丸見えで隠れる気もなさそうです。

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ルノーが日産・三菱と経営統合するということは、「フランス政府が日産・三菱自動車を接収国有化」するのと同じです。

しかもフランス政府が持つルノー株の議決権は2倍、同じ株数を持つ日産の議決権はゼロというアンフェアなやり方で。

そこから中国に1兆円の投資が行われ、EV技術が流出します。

それは日本にとっても、米国にとっても許せないことでしょう。

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9月の日米共同声明で

「知的財産の収奪,強制的技術移転,貿易歪曲的な産業補助金,
国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため,
日米,また日米欧三極の協力を通じて,緊密に作業していく。」

と釘を刺したとき、私は中国のことを言っているのだとばかり思い込んでいました。

しかし今にして思えば、フランス政府やルノーのことも含まれていたのでしょう。

日本の国益を守った人々の深謀遠慮には頭が下がります。

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日米共同声明2018年9月26日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000402972.pdf
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このように、ルノー日産のゴーン氏逮捕の背景には米中戦争があります。

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フランス政府+ゴーン会長 ←(支援)中国政府

  vs

 日産・三菱自動車    ←(支援)米国政府+日本政府
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中国や親中マスメディアは「日産の横暴なクーデター」「東京地検特捜部の勇み足」と責めるはず。

しかし普通にやっていれば、日米政府にサポートされた日産が引くことはありませんし負けることもありません。

平和な落としどころとしては「ルノーが持つ日産の議決権を減らす。アライアンスは維持するが経営統合はしない」という路線でしょうか。

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ただし不安材料は、マクロン大統領にはこの構図が全く見えていないこと。

それはこの事件に対するフランス政府の第一声が「雇用は守る」だったことからもうかがえます。

ゼニカネや雇用といった極めて狭い視野でこの事件をとらえており、米中の覇権戦略だとは考えていないようです。

この件でマクロン大統領があまりゴネるようであれば、米国から厳しい制裁を受けることになるでしょう。

そして日産は別の提携先を探すことになると考えます。






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【週末だけのグローバル投資】約50年ぶりの対中政策大転換 (6)米国、見せかけの譲歩にも惑わされず




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第397号 約50年ぶりの対中政策大転換 (6)米国、見せかけの譲歩にも惑わされず

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中国が貿易不均衡を是正するための措置142項目のリストを米国に送ったようです。

トランプ大統領は16日にそれを発表し、「追加の関税措置は必要ないかもしれない」と一定の評価をしました。

しかし「重要な項目が4-5つ抜けている」とし、まだ様子見の構えです。

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米大統領 中国との貿易摩擦緩和に前向き 政権内に慎重な見方も
NHK 2018年11月17日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181117/k10011714181000.html
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中国がこのタイミングで伝えてきたのは、米国の中間選挙が終わったからでしょう。

選挙前に譲歩したのではトランプ大統領の「功績」になってしまい、敵に塩を送ることになってしまいます。

しかしG20という晴れ舞台で吊し上げられることも避けたいということでしょう。

ただしこのタイミングであっても、米国に屈する形になったことには違いありません。

習近平氏の権威は中国国内で大きく傷ついたと思います。

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それに対して米国が「一定の評価をしながらも様子見」するのは正しい姿勢です。

先進国の人々は約束・契約・条約を守るので、それを取り付けたところで「無事解決」と安心してしまいます。

しかし中華文明の人々は「相手を油断させる戦術」として契約・条約を活用します。

そうやって時間を稼ぎつつ、既成事実を積み上げたりタフな相手を引きずり降ろすのです。

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みなそうやって、煮え湯を飲まされてきました。

北朝鮮との核交渉。

日韓条約・アジア女性基金・慰安婦合意。

中国の通商・軍事スパイ・人権弾圧。

彼らは先進国の譲歩と援助をもらいつつ時間を稼ぎ、約束を一切守って来ませんでした。

ただしそれを繰り返したおかげで、騙される相手がずいぶんと減ってしまったのです。

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米国側は追及の手を全く緩めません。

中国のウイグル族に対する人権侵害について、米連邦議会の超党派グループは中国当局の責任を追及する法案を提出しました。

「超党派」というところがミソで、もはや米民主党も中国のために働いてくれません。

そんなことをすれば自分の評判まで悪化してしまうからです。

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米議員が超党派で法案提出、中国にウイグル問題の説明求める
CNN 2018.11.15
https://www.cnn.co.jp/usa/35128731.html
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それに対し、マスメディアの報道は相変わらずです。

「米中貿易摩擦は解決の方向に向かっている」

「対立は避けなければならない」

「それなのに馬鹿なトランプが友好的な雰囲気を台無しにしている」

「世界を混乱に陥れているのはトランプ。習近平こそが自由貿易の守護者」

「不況はトランプのせい。トランプリセッションだ!」

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しかしこのような報道に対する、市場の反応は鈍くなって行くと考えます。

貿易摩擦の根底には、米国の50年ぶり対中政策転換があるからです。

米国からの圧力は減りませんし、中国の反発が収まることもありません。

それでも世界経済は回ります。

マスメディアの誘導が通用する相手が、さらに減ってしまう気がしています。






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気になるチャート20181116


株価は一応、下げ止まり。

しかしセクターなどのリバーサルは続いている。

LineChartMajorEq1f1_20181116





























通貨は何とかドル安かつ円安のリスクオン。


LineChartMajorCcyUSD1f1_20181116





























おかげでドルベース対SP500指数で見ると、右肩上がりの「逆流」になっている。


LineChartMajorEqvsSPX1f1_20181116






























情報技術は反発に向かうかに見えたが、上値は重い。

セクターと個別銘柄のリバーサルが続いている。


LineChartSP10vsSPX1f1_20181116





























原油は連日の下げ。

1ヶ月半程度で3割弱下げたことになる。

その理由は会員レポート等で書いた通りだ。

LineChartCmdtyIDX1f1_20181116

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