ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2018年06月

【週末だけのグローバル投資】ユーロ圏緩和終了で新興国はますます窮地に




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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第375号 ユーロ圏緩和終了で新興国はますます窮地に

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
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これは約2週間前の会員さん向けメール

投資戦略アップデート(20180615)ユーロ圏緩和縮小で新興国はますます窮地に

を加筆修正したものです。

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「本流」と「業種の二極化」が止まりません。

FOMCで金利が引き上げられ、年内さらに2回の利上げが予想されています。

金利に敏感なセクターとそうではないセクターで、差が開いてしまうのは自然なことです。

また「危険な新興国」から「安全で利回りの高い米債・米株」に資金が向かうのは自然なことです。

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米国金利が上がっても、米株は上昇を続けています。

なぜなら金利上昇を跳ねのけて株価が上昇する「業績相場」に入っているからです。

情報技術セクターやNASDAQが消去法的に買われ、さらなる二極化が進みました。

おかげで今月のパフォーマンスは良好です。

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(6月14日に決定した)ECBの量的緩和終了には驚きました。

2012-13年あたりに先走ってそれをやってしまい、景気を悪化させた苦い記憶があるからです。

今のコアインフレは1%程度しかなく、インフレ懸念はありません。

「ユーロ圏だけを見れば」、必要性を感じない危うい政策です。

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ただし弊社は、これはこれで「アリ」とも思います。

というのも今の世界景気は米国次第であるところが大きく、他国が少しぐらい金融政策を変更しても影響ないからです。

むしろ米国と逆の政策を続けることで、別の問題(イールドハンティングなど)が起こってしまいます。

だったら米国の利上げに便乗し、今のうちに金融を正常化しておくのは悪いことではありません。

どうせなら日銀も便乗すればいいのにと思ってしまいます。

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仮に日欧が「協調利上げ」したとしても、米株にはほとんど影響ないでしょう。

しわ寄せが来るのは新興国です。

ただでさえ崖っぷちのところに、背中を押されてしまいます。

脆弱なところから危機が広がって、いずれは連鎖危機に陥るというのが弊社の読みです。

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中南米はもちろんですが、韓国株も下げ足を速めています。

上海株は年初の高値からひっそりと2割、下落しました。

欧州ソブリンや欧州金融機関など、火種はどこにでも転がっています。

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それでもまだ、米国株は簡単に売るべきではないと考えます。

むしろ世界から資金を集め、一部の銘柄を中心に上昇が続くと予測します。

信用収縮が米国に悪影響を及ぼすまで、相当の時間を必要とするでしょう。

基本戦略は変わりません。

危険なサインや戦略変更などは適宜、会員さん向けにメールして行きます。




(終)




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AI vs. 教科書が読めない子供たち (4終)過剰な期待と失望と


新しい技術が発生すると、知らない人ほど「悲観」と「楽観」の両極端に振れる傾向があります。

AIそのものは何十年も前から存在していましたが、技術レベルが低かったためにそれほど期待は大きくありませんでした。

それが1990年代後半のドットコムバブルの時期に、コンピュータやネットワークに対する期待が膨れ上がったのです。



今ではネットでポチポチっとモノを買ったり、旅行の予約をすることは当たり前です。
しかし当時は新しく、斬新な世界でした。

アマゾン・ドット・コムが米国で一大旋風を巻き起こしても、「日本はカード社会じゃないからEコマースは普及しない」という人がいたぐらいです。

それと同時に、コンピュータが人間の職を奪ってしまうことに警鐘を鳴らす人々もいました。
クリントン時代の労働長官ロバート・ライシュ氏が書いた「勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来」などが、まさにそれでした。




ドットコムバブルが崩壊した後も情報技術は着実に、そして飛躍的に進歩しました。
その波にうまく乗れた人は巨万の富を得られます。
逆に仕事をコンピュータに奪われてしまい、収入を得られない人々もいます。
ただでさえ大きい格差がさらに拡大し、いっこうに縮まる様子はありません。
それどころか、ますます加速しそうなのです。



ある種の人々は、かたくなに情報技術を拒みます。産業革命の時に「機械が俺たちの職を奪った!」と機械を打ち壊して回ったラッダイト運動のように、技術の進歩に逆らう人々もいます。

あるいは逆に、「政治などの意思決定を、すべてAIにやらせたら良い」と提案する人もいます。神を見つけた宗教家のように、共産主義を見つけた思想家のように、万能の解決策を発見したつもりなのでしょう。

しかしおそらく、それはうまく行きません。
神の言葉を伝える聖職者のように、国の財産を管理する共産党幹部のように、AIをメンテナンスする技術者が強い決定権を握ってしまうからです。

AIに過剰な期待を抱いてしまうと、盲目的にその判断を信じてしまいます。その判断が狂っていても、「中の人」が好き勝手にものごとを決めても、疑うことなく従ってしまうのです。


AIの皮を被った独裁者が、人々を家畜のように扱う未来が来ないとは言えません。

それを防ぐためには我々がAIの可能性と限界を知り、二人三脚で走って行くしかないのでしょう。

AIに過剰な期待や失望をすることなく、人間も一緒に進化しなければならないのだと思います。

(終)







気になるチャート20180622



ECBの政策変更は、やはり弱い国を直撃することになる。

弊社が言う本流(米株・米ドルに対し新興国の株と通貨が弱くなること)が加速した。

LineChartMajorEq1f1_20180622




























現地通貨ベース、対MSCIで見ると特に弱いのはブラジル・上海・韓国あたり。

じり高を続ける米国株との違いがわかる。


LineChartMajorEqvsMXWO1f1_20180622





























通貨もドルが高く、新興国が安い。

アルゼンチンやブラジルの陰に隠れているが、ロシア・トルコ・南アフリカそして中国などの新興国には注意を払っておくべきだろう。政治的にはおそらく、反米国家に対してさらに厳しくなる。

LineChartMajorCcyUSD1f1_20180622




























それらを合わせ、ドルベース・対SP500指数で見るとさらにはっきりする。

新興国は相対的に下げ続け。

通貨を合わせるとブラジルは経済制裁されているロシアと変わらない水準にまで落ちてしまった。


LineChartMajorEqvsSPX1f1_20180622




























セクターの二極化も進行中だが、今週は小休止といったところ。

LineChartSP10vsSPX1f1_20180622











































AI vs. 教科書が読めない子供たち (3)棋士とソフトの二人三脚


コンピュータは計算機ですから、考え方のフレーム(枠組み)が決まっている世界では人間をはるかに超えた力を発揮します。私がそれを強く感じるのは将棋の世界です。

かなり以前に、プロの将棋指し(棋士・きし)が将棋ソフトに負けるようになったというニュースは聞いていました。そしてプロもソフトを使って研究を進めているということも聞いていました。

私はたまたま1年ほど前から将棋を見始めたのですが、そこでは驚きの世界が広がっていました。
将棋の戦い方が、昔とはまるっきり変わってしまっていたのです。


私が高校生ぐらいまで指していた頃は、お互いに自分の王将(玉・ぎょく)をガッチリ囲った後に「さあ開戦」となっていました。敵陣を崩すパターンがあって、どうやってそこに持ち込むかを競っていたような気がします。

しかし今はいきなり戦いが始まって、最後まで気が抜けない攻防が続きます。
昔は攻城戦だったものが、今は白兵戦・ゲリラ戦になった感じです。
そして一手一手が驚きなのです。

「エッ!ここで桂馬が跳ねちゃうの?」
「こんな歩が最後まで取れないとは」
「両取りかけると気持ちいいけど、それをやると攻めが遅れて負けてしまう『毒饅頭』のようだ」


また昔は飛車角で王手されると、何か駒を打って防ぐことが多かった気がします(間駒・あいごま)。
しかし今はそれが第一選択ではないようです。
王様がヒラリと躱してしまい、なるべく持ち駒を使いません。
駒を使ってしまうと玉の逃げ道も限定され、反撃に転じた時の選択肢が狭まるからでしょう。
「裸の王様」が相手の攻撃を読み切って、正確なステップで詰みを逃れる姿は感動的です。


将棋は持ち駒をいくら失っても、相手玉を先に詰めてしまえば勝ちです。
だから駒損(こまぞん=自分の駒を性能が劣る相手の駒と交換したり、枚数を減らしてしまうこと)しても、「相手玉を先に詰める」という勝利条件に向かっているのであれば戦略的には正しいわけです。
詰めるには最低2枚必要ですから、極端に言えば自分が最初持っている20枚の駒を渡したり奪ったりしながら差し引き18枚まで失っても良いという計算になります。

だから今の将棋は、飛車・角でもどんどん切ります。
形を乱し、相手玉が逃げられない状況に追い込みます。
ソフトのおかげで人間の思い込みや儀礼的手筋が排除され、本質剥き出しの勝負になった気がするのです。



昔であれば、将棋を勉強する方法は対局と本しかありませんでした。
今はデータベースが整備され、最新の戦法・対応策・勝率などが一目瞭然です。
主要な対局がネットで配信され、一手一手がソフトで評価されます。
「ここから先の変化は難しいな」と思っても、プロ棋士や視聴者が教えてくれます。
将棋系ユーチューバーという人々がいて、詳しく評価や解説をしてくれます。
ネットを使っていつでも対局ができます(対人・対コンピュータともに)。
学習方法や楽しみ方が、まるっきり変わってしまったのです。

面白いのは、プロの中にもそのような変化に対応できている人とそうでない人がいること。通常は衰えてもおかしくないはずの四十代棋士がトップクラスで踏ん張り、ソフトも真っ青の鬼手を放ったりします。
逆に将来を嘱望されていた若手や中堅が、対応できずにランキングを落としたりします。
ソフトによって将棋はより純粋な形を見せ始め、プロたちはそれに近づこうと絶えず努力をしているのです。

そのような人間の努力が、ソフトをさらに進化させます。
指した瞬間はソフト評価値が低かった手が、時間をかけて読ませると最善だったことが後でわかったりします。
これはソフトが完全ではなく、人間の読みの方が優れている要素があるということです。
それはいったい何であるのか、いまこの瞬間にも研究が進んでソフトに応用されていることでしょう。


将棋のようにフレームが明確な世界では、人間とコンピュータの二人三脚で方法論が急速に発展します。
投資の世界は複雑なので将棋ほど目覚ましくはありませんが、それでも同じようなことが起きています。

コンピュータは人間が作るのですから、局地的に人間がコンピュータに追い抜かれることはあっても、全体として抜かされることはないのでしょう。その点については筆者である新井さんと同意見です。



しかしこの流れに追いつけない人はいるはずで、むしろそちらが多数派のはず。
プロ棋士の世界ですら相対的な優劣が出来るのですから、他の世界ではもっと大きな差になることでしょう。
それが大きな社会問題を引き起こす可能性が高いのです。



(続く)
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