ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2018年02月

ウォーレン・バフェット伝スノーボール (4)グレアム先生、それではまるでエ〇ゲの主人公ではないですか


バフェットと縁が深い人物のひとりに、ベンジャミン・グレアム教授がいます。

80年近く前、投資の知識がろくすっぽ体系化されていない時代に「分析」の概念を株式市場に持ち込んだ人です。ドッド氏との共著「証券分析(1934年)」は、この世界の金字塔となっています。日本ではそれをわかりやすく噛み砕いた「賢明なる投資家」を読んだ人も多いでしょう。投資業界において今なお広く名前を知られる人物です。




バフェットはグレアムに心酔し、コロンビア大学の門を叩きました。それ以降も「着かず離れず」の関係を続けます。グレアムは「群れない」タイプの人間で、心の深い部分には誰も触れることはできなかったと言います。


しかしその私生活は、バフェットとは対極にあるものでした。
女性関係が、実に奔放だったそうなのです。
「三人の妻」と表現されたりしますが、その程度で済んでいたとは思えません。

リア充コミュニケーション能力に優れ、全米トップ大学の教授
証券業界での名声も地位も申し分なし
恐ろしいほど知的でありながら心のどこかに闇を抱え、誰も近づけない男ベンジャミン・グレアム。
少女漫画のヒーロー役にするなら、間違いなくこの人です。


これは投資業界においては希少種に見えます。
日本の個人投資家には、探求心をこじらせて

四季報が恋人

になってしまった人が大勢います。
投資の面白さにのめり込むうちに、他の楽しみを放り投げてしまうのです。

それはまるで

ダンベルが恋人

になってしまった、筋トレマニアと同じ状態です。
(参考図書↓↓↓)

筋トレが最強のソリューションである

世の中の99%の問題は筋トレとプロテインで解決します。本当です―。
・メンタルが弱ったら試すべき5つの行動
・「とりあえず筋トレしてみる」 ヤツが勝つ
・自傷行為に走るなら筋繊維にしろ
・死にてぇと思ったら3カ月だけ筋トレしてみてくれ
・筋トレの中毒性がダイエットを成功させる





しかしベンジャミン・グレアム先生は、ただのモテモテリア充に留まりません。
息子さんに先立たれた後、そのXXXを〇〇〇してしまうのですから。

グレアム先生、それではまるで

エ〇ゲの主人公ではないですか。


証券分析の大御所は、エ〇ゲの主人公だった!
それを知ってから「賢明なる投資家」を読むと、モチベーションがいっそう高まります。
銘柄分析にも熱が入ることでしょう。
証券業界や投資家を目指す若者が増えてくれるかもしれません。




(続く)








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ウォーレン・バフェット伝スノーボール (3)投資以外はダメ人間


投資に関して、バフェットは偉大過ぎます。
ただ、それ以外のことについてはまるっきりダメ人間のようです。
たぶんそうではないかと以前から思っていたのですが、私の想像をはるかに上回っていました。

これがまた嬉しいんですよね。

少女漫画のヒーローは容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能・名家出身。たとえ不良であっても立派な屋敷に住み、堅苦しい家のしきたりや上流階級の生活に嫌気が差している。なぜかそんな彼と平凡な私が恋に落ち…というパターンが多いです。

それに対し、少年漫画の主人公は「ひとつのこと以外はダメ人間」。
あるいは「すべてにおいてダメ人間」。

ほんとダメ。まるでダメ。てんでダメ。

しかしひとたびXXXになるや、別人のような姿になります。敵をなぎ倒し、仲間と助け合い、傷つきながら成長し、人の輪が広がって行くパターンが多いです。


バフェットもまた、少年漫画の主人公を地で行っています。
今でこそ何万の株主を前に話すバフェットも、最初は口下手で内気な少年でした。
大金を払って話し方教室に通ったほどです。

スポーツもいまいち。恋愛もいまいち。
今の日本で言えば陰キャのコミュ障です。
しかしひとたび金儲けや投資のことになると、天才的な能力と情熱を発揮します。
その成長物語にグイグイと引き込まれます。


ダメダメなバフェットの私生活は、大人になっても完全には直らなかったようです。
身の回りのことはすべて最初の妻スーザンまかせ。
スーザンが離れた後は、アストリッド任せ。
投資以外の事はすべて同居の女性に依存しているため、普通とは違う夫婦関係になったのでしょう。

まあ、少女漫画のヒーローとしてはありえないキャラですからね。
女性の立場からはどう思われているのか、あえてここでは掘り下げません。

しかし、それがいい!

投資以外の生活もちゃんとしている

真人間のバフェットなんて嫌だ!

私は強く、そう思うのです。

(続く)







ウォーレン・バフェット伝スノーボール (2)賢い子供の育て方


バフェットの生い立ちから学生時代について、これまで知らなかったことをまとめます。

  • バフェット家は代々、中産階級だった。父ハワードは株式ブローカーで成功した経験も苦境に陥った経験もあり、下院議員になったこともある。バフェットはずっと裕福だったわけではないが、知的に豊かな環境で育った。

  • バフェットのお母さんは癇癪持ちで、メンがヘラりがちな人だったらしい。本書に登場する女性はメンがヘラってる人がなぜか多い。

  • バフェットが小さな頃からピンボールマシン設置や新聞配達でカネを稼いでいたことは良く知られているが、新聞2種類の配達などで当時のサラリーマン並みの給料を稼いでいたらしい。ホンマかいな??? すると恐ろしい効率で新聞を配達していたことになる。

  • 仲間と一緒に競馬場で捨てられた馬券を漁ったり、競馬新聞を売ったり、池ポチャのゴルフボールを拾おうとするなど、金儲けに熱心な子供だった。それを許していた親も凄い。

  • しかし中学時代には反抗的になり、成績も散々だった。自立心・精励・礼儀はすべて✖。校長に中学を卒業させられないと言われた。父親にも失望され、「このままだと金儲けをやめてもらう」とまで言われた。

  • 学業で苦労した様子はまったくない。飛び級で大学へ進学し、超名門のペンシルベニア大学ウォートン校在学中もそれほど勉強に時間を費やさなかった。学期のはじめに買った教科書をすらすら読んで、二度と開かなかったとのこと。テスト前には手を叩きながら大声で「マイ・マミー」を歌い、寮の廊下を歩いていたらしい。
キ〇ガイかな?
  • そりゃあ兵役上がりで5歳年上のルームメイトも逃げ出すだろうさ…。

バフェットは小学生ぐらいから、財産という自分の雪だるま(スノーボール)を大きくしはじめます。
金儲けのネタを考え、友達と一緒に実行しました。競馬新聞を勝手に発行するだなんて、普通の学生が思い浮かばないでしょうし実行もしないでしょう。失礼を承知で言えば、純粋で賢いけれども年齢の割に幼稚で多動っぽい男の子だった印象を受けます。


しかし、バフェットの才能を潰すことなく育てた両親はすごい!
普通の親なら心配して、いろいろ口出ししてしまうでしょう。

「カネを稼ぐのは社会に出てからにしろ」
「競馬新聞を売るだって? お前は世の中を知らんな。どうせ潰されるに決まってる」
「ほとんど単位は取ってしまったんだし、あと少し我慢してウォートン校を卒業しろ」
「まず最初は大企業に入って、社会人としてのスキルを磨け」

もっともバフェットの場合、簡単に潰せるような自我ではなかったでしょうが。


父であるハワードは「他人からの評価ではなく内なるスコアカードに従って生きろ」とバフェットを教育したそうです。
常に自分の心の声に従うことで、軸がブレることなく適切な判断ができる人物に育ったのではないかと思います。

賢いからといってだらしなかったり、反抗的な態度が許されるわけではありません。
しかし子供を育てるときにその長所を失うことなく、信頼して成長を待つことができるか。
変わった人物に対しても能力を評価し、活躍の場を与えてやれるかどうか。
頭ではわかっていても、なかなかできることではありません。


バフェットに限らずですが、米国の偉人はハチャメチャの桁が違います。

それを知ると、子供がいろいろやらかしても「バフェットの子供時代よりマシだろ」と許すことができるようになります。むしろ「どうせ馬鹿やるならもっと突き抜けてくれないと」と、逆方向の不満を覚えたりします。

そして少し変わった人を見ても「見た目はこんな感じだけど、実はバフェットみたいにすごい能力があるんじゃないか?」と期待してしまいます。

他の人に対して前向きかつ寛大になることができ、人生楽しくなること請け合いです。

(続く)






ウォーレン・バフェット伝スノーボール (1)バフェットはバリュー投資家ではない


しばらくお休みしていた推薦図書をぼちぼち再開します。

今回は偉大なる投資家、ウォーレン・バフェットの伝記とも言える「スノーボール」です。

これを読んで改めてバフェットの人生を知り、長期投資・ビジネス・子育てなどについて考えさせられました。





バフェットはバリュー投資の代表格のように言われますが、そうではありません。

確かに初期こそグレアム・ドッド流の「安全域」を重視した「割安株投資」をしています。 しかしそれはかなり短い間で、その後は強いブランド力と収益力を持つ「成長株投資」に転じて今に至っているからです。

昔から「バフェット=バリュー投資」というイメージに違和感を持っていたのですが、この本を読んでその考えをさらに強くしました。それを強調したくてこのブログのタイトルにしたわけです。


面白いことに、金融や投資のプロの中でもバフェットの投資手法を理解している人は少数派です。 多くの人がバフェットの投資法を「割安株投資」「ハゲタカ」「急落を喜んでいる」などと誤解しています。 市場が暴落するとバフェットはワクワクしながら株を買うので、そのイメージが強いからかもしれません。

しかし持っている銘柄は、長期にわたって良好な業績を続けている企業です。
別に株式市場が暴落しなくてもいいし、下がったら喜んで買い増しするだけ。
安ければより嬉しいとは思いますが、安いという理由だけで買うのではありません。

バフェットに言わせると、バフェット流投資を理解できる人は50人にひとりぐらいとのこと(出典不明)。 「一度聞いてすばらしいと驚嘆するか、全く関心を示さないか」のどちらかだそうです。
「最初は否定的だったが、後になってからそれは素晴らしいと考えを改める人はいない」とのこと。
どうやらバフェット流投資を理解できる思考回路や直感 はかなり早いうちに養われるようです。

私の経験だと、「職業」「投資経験」「学歴」とはあまり関係ないような気がしています。バフェット流投資を理解している人の比率も増えたようには思えません。ひょっとすると、先天的な素質が大きいのかもしれません。


さて、本書「スノーボール」はバフェットのこれまでの人生をほぼ網羅しています。

少年時代のいたずらや金儲けのこと、家族のこと、出会った人々のこと、学校のこと、投資のこと、苦しかったことなど、様々なできごとが詳しく書かれています。

ページ数もたっぷりあるのですが、私は金融・投資業界の大事件や自分の記憶を照らし合わせながら楽しむことができました。

たとえばソロモンブラザーズの国債不正入札事件(1991)当時はまだネットが未発達だったため、バフェットがどのようにして巻き込まれたのかを知りませんでした。過去の事件を違った角度から改めて見ることができ、「答え合わせ」をしながら「新たな謎解き」に臨むようで新鮮でした。

(続く)






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