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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第263号 中央銀行の信用 (1)我々はなぜ、その記事を信じたか
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
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2016年4月28日は日本株にとって恐ろしい日になりました。
日銀会合の結果は「現状維持」。
しかし大規模な追加緩和を織り込んでいた市場はパニック売りに見舞われました。
ドル円は112円手前から4円近く下がって一時108円割れ。
日経先物も一時は日中高値から1,300ポイント急落し、16.300円を割り込みました。
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実のところ、弊社は
- これ以上緩和しても意味はない(消費減税など財政出動しかない)
- 世界的にリスクオンなので、今やる意味はない
と考えていました。
しかし日銀からのリークと思われる記事が何本も続けて出て、市場が円安株高に振れたので「おそらく何かはやるはずだ」と考えを改めました。
そして日銀も年金も、株価維持のために「特攻」「玉砕」させられるのだなと寂しい気持ちになりました。
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「日銀、金融機関への貸し出しにもマイナス金利を検討」
2016年4月22日
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6割近くが追加緩和予想、ETF10兆円追加との見方も-日銀サーベイ
2016年4月22日
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ただしあまりに期待が膨らみ過ぎていたので、よほどのサプライズでないと株価を維持できないとも考えました。
結論から言えば、日本株売りのまま辛抱したことは報われました。
しかしその途中、何度買い戻そうと思ったことでしょう。
主力企業の業績見通しが悪化しても、一部の通貨を除いてドル安に転じても、じり高を続ける日本株には焦っていました。
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日銀会合では「金融機関への貸し出しにマイナス金利」も「ETF増額」も、検討すらされなかったとのこと。
ではあの報道はなんだったんだ、ということになります。
「とんでもないデマ」だとして記者を責める人々もいます。
「騙されんなよバーカ」と笑う人もいます。
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今回は6割近くの人が「追加緩和あり」と見ていたようです。
私のように「論理的にはやるはずがない」と考えても、一連の報道や市場の反応を見て「本当にやるのかよ」と信じかかった人も大勢いるでしょう。
実はこれには、理由があります。
多くの人がこの類の噂を信じてしまう構造的な原因が、今の日銀にはあるのです。
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我々がこういった記事を信じてしまう理由は3つあります。
ひとつは、「今の日銀総裁はサプライズが好き」だから。
マイナス金利を導入した時も、その一週間前まで「検討したこともない」と発言していました。
「戦力の逐次投入はしない」と言いながら、条件が多くて効果がはっきりしない政策をちょこちょこ打ち出します。
市場に直接サインを出してくれないので、どこかにリークされるのではないかと思われています。
したがって今回の記事も、まだデマとは言い切れません。
「今回は見送っただけで、本当は心の中で考えているのかもしれない」からです。
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ふたつ目は、「日銀の政策がかなり政権寄りで、株価維持に主眼を置いた政策をしている」から。
金融政策は政権支持率・株価・選挙・消費税などに大きく影響されるとみな考えています。
消費税引き上げを決める直前、リセッションが明らかになる前に大規模追加緩和をしたりします。
今回も「北海道などで補選があるから、そのサポートだろう」という観測がありました。
「まさかそんなことで」とは思いますが、今の日銀なら政権サポートのためにやりかねないと考えられているのです。
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最後に「合議制とは言いながら、すべて総裁の考えで決まる」から。
今の日銀の政策は、委員のすべてが賛成しているわけではありません。
しかし実質的に総裁に近い人々で過半数の票を持っており、いくら反対しても押し切られるようになっています。
合議制であれば、経済指標やコメントを見て事前に政策を推測することができます。
逆に総裁の一存で決まるのであれば、政権や他の省庁との「個人的な関係」が重要になります。
日銀会合という「公的な話し合いの場」ではなく、他の場所で金融政策が決められている可能性を否定できません。
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つまり「今の日銀は市場と対話をせず、政治的な理由で突飛な行動をする」と思われているのです。
実際、経済指標やコメントを見ているだけでは日銀の行動は読めません。
額面通り鵜呑みにしていたら、致命傷を負う可能性があるのです。
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だから憶測やデマであっても頭から否定することができず、「リークではないか」と信じられてしまいます。
日銀がこっそり「観測気球」を上げて、市場の反応をうかがっているかもしれないからです。
密室の中で決められたり消えたりする話なら、外部からは確認しようがありません。
たとえ荒唐無稽な話であっても
「あの人ならやりかねない」
「何か隠しているに違いない」
「強く否定するところが逆に怪しい」
とみな疑心暗鬼になり、市場は思惑で激しく動きます。
これは市場との対話を重視し、ほぼ予想通りの政策を行う米FRBとは対極にある手法です。
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