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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第250号 日銀マイナス金利を導入 (1)「指し過ぎ」は金融政策の限界を露呈する
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
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シリーズ「爆縮する中国経済」はいったん中断します。
先週からリスクオン局面に入り、タイムリーではなくなったからです。
またヤバい兆候が始まったら再開します。
この転換点を見逃した方は先週末の動画をご覧ください。
投資戦略動画(公開用)20160122 危機を「しばらく忘れる」局面
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驚きました。
日銀がマイナス金利を導入したことに、です。
日経平均は200ポイント下がり、1000ポイント上げ、1000ポイント超下げて安値を更新し、また1000ポイント超上げきました。
2016年1月29日は日本株で大勢の「死人」が出たことでしょう。
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乱高下したことには理由があります。
内容を読んでも、金融関係者ですらピンと来ないのです。
今回は日銀政策委員会内でも、5対4でようやく可決されています。
それほど微妙な政策なのだと、私も思います。
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今回のキモは、
「銀行が日銀に積む当座預金を3種類に分け、プラス金利・ゼロ金利・マイナス金利をそれぞれ適用する」
ということ。
下の記事を読むと理解が進むかもしれません。
「マイナス金利を適用するのは、ほんの一部」ということがポイントです。
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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!
なんとも中途半端な日銀のマイナス金利政策
2016/01/29 (金) 13:54
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つまり現時点では、インサイダーでもない限りどんな効果があるのか全くわからんのです。
各銀行が何の努力もしなくても、マイナス金利が適用される資金はないかもしれません。
この場合はこれまで通りで、経済に与える影響はほとんどありません。
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逆に何十兆もの資金がマイナス金利にさらされるのであれば、短期国債金利はマイナスに張り付いたまま動かなくなるでしょう。
そして銀行はムリヤリ貸し出しを始めますから、短期的な経済効果は巨大です。
そのかわり後になって、不良債権が積み上がって金融危機が発生するリスクが高まります。
サブプライムショック時に中国は投融資を銀行に「強要」し、理財商品による巨額損失を生み出しました。
日本の場合はそれよりもずっとソフトになるでしょうが、同じ現象が起こる可能性はあります。
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この政策を理解した時、私は感心しました。
「へえ、なかなか工夫してるな」
これまでの政策と矛盾しない形で、期待させる政策を打ち出しています(かなり誤解も含んでいますが)。
その発想とオリジナリティは凄いと思います。
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しかし同時に、こうも思いました。
「単なる口先介入の方が面倒も少ないし、期待が長続きしたんじゃないの?」
今回の政策は様々な犠牲を払った割に、効果が薄いのではないかと危惧しています。
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1.
黒田総裁は最近「マイナス金利政策を具体的に考えていることはない」と発言をしており、市場は本当に驚いた。
FRBとは真逆で「市場との対話」が全くなされていない。
これは将来のアナウンスメント効果を低下させるのではないか。
2.
プロでもわかりにくい政策なので、ヘッドラインだけ見て誤解した人も多いだろう。
当局が混乱を作るのであれば、長期的に投資家は逃げてゆく。
「いきなり何をやるかわからない中央銀行」のイメージは本当に得なのか。
3.
原油や新興国が戻り歩調にあったのに、そもそもここでカードを切る必要があったのか
「マイナス金利も検討した」と言うだけで様子を見れば良かったのではないか
4.
今回は4人の委員が反対に回っている。前回は3人だった。
議論がなされていると言えば聞こえがはいいが、対立が先鋭化しているのではないか。
5.
FRB、ECB、日銀はバラバラに動いており、世界的な危機感を共有していないことは確かなようだ
6.
需要が足りないという根本的な問題に対して、金融政策の限界を露呈するだけの結果に終わりそう
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今回の政策によって、日本経済が良くなる可能性はほとんどありません。
経済指標は明らかに悪化しています。
ファナックのような超優良企業でさえ、見通しに陰りが出てきています。
金融政策は「時間稼ぎ」や「激変緩和」には使えますが、根本的な問題解決にはならないことが多いです。
世界的な需要不足という問題に対し、先進国がバラバラに金融政策で対応しているうちは出口も遠いと覚悟せざるをえません。
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将棋には「指し過ぎ」という言葉があります。
調子に乗って攻めすぎて、有利な形勢を失ってしまうことです。
「戦力の逐次投入はしない」と言いながら、微妙な政策を2か月連続で打ち出したことは指し過ぎではないのか。
私には、金融政策の限界を露呈する時期を早めただけのような気がします。
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