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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第182号 エボラ出血熱(11) もはや人災。「国ごと隔離」しか方法はない
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
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アメリカでエボラ出血熱を発症し死亡したダンカン氏。
その世話をした看護師が2名、二次感染したことが確認されました。
さらに二次感染者が増加することや、三次感染が懸念されています。
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それでもWHO、国連、米国オバマ政権などは西アフリカに渡航制限をかけようとしません。
例えるなら今の世界は「エボラ患者が隔離されずに自由に行き来できる病院」と同じ。
実際にそんな病院があったとしたら、他の患者も医療スタッフもみんな逃げ出して院長はクビです。
しかし地球上から逃げることはできません。
エボラが拡がって、みんな順番に倒れて行くのを待つばかりです。
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厄介な疫病への対策は、「隔離」しかありません。
まずは西アフリカ感染国を国ごと隔離して、他国の人々が安全に暮らせるようにする。
その上で物資や人員を送り込み、感染国を「集中治療室」にしてしまう。
そうすれば時間はかかっても、エボラを封じ込めることができるでしょう。
誰でもそう考えるのに、そうしたくない人々のおかげで世界中に感染が広がっています。
もはや人災によって被害が拡大しているのです。
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エボラは弄んだり、政治利用するには危険すぎるウイルスです。
しかしここのところ、関係者の対応があまりにもひどく被害が拡大しています。
エボラのことを知らないか、混乱を自分の利益につなげようと考えて封じ込めに失敗しているのです。
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たとえば米疾病管理予防センター(CDC)。
エボラは末期と死体が最も感染力が強く、死者の遺留物も同じぐらい危険です。
入院前に世話をしていた家族より、むしろ末期から死後にかけて関わり合う医療関係者の方がリスクが高いようです。
中には感染後40日以上経ってから発症した例もあるので、少なくとも患者の死後50日は経たないと「二次感染はなかった」と言えないのです。
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しかしCDC所長は、10月5日の記者会見で「米国内でのエボラ熱の拡大を止めることができたのは疑いがない」と安全宣言をしました。
その時点ではダンカン氏はまだ亡くなっておらず(8日に死去)、「科学者にしては何とも拙速な」と感じたものです。
それが12日になって「治療に当たっていた医療従事者1名からエボラ陽性反応が出た」と発表。
続いて15日にも別の看護師がやはりエボラ陽性反応が確認されました。
結果を確認せず安全宣言を出してしまったことで、CDCへの信頼は傷つきました。
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CDCがさらにひどいのは最初の二次感染者が出たときです。
「これは手順を守らなかった看護師のミス。だから再発はしない」と責任逃れをしたのです。
そのくせどんな手順ミスなのかは指摘できせんでした。
医療のプロが感染者と知っていて対応しても感染するからエボラは恐ろしいです。
そんなミスが起こらない装備・手順を準備し、フォローするのがCDCではないのか。
エボラと知らずに感染した一般人も「そいつのミス。再発はない」で済ますのか。
自分の責務を否定するような発言には驚かされました。
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それを受けて看護師たちのデモが起こりました。
「装備も訓練もないのに、ムチャ言うな」と。
そしてCDCがマニュアルだけ配布して、エボラ患者の治療を一般病院に丸投げしていたことが発覚したのです。
その病院では、ダンカン氏がエボラに感染していると確認されるまで2日間防護服を着ていませんでした。
レベル4の感染症に対し、いったいどんなつもりで準備をさせていたのか。
アメリカの医療関係者は不安に思っているに違いありません。
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怪しい兆候はありました。
この所長は10月9日の国際会議で「公衆衛生に関する30年の職歴で、今回と似ているのはエイズだけだ」と指摘したのです。
これは危険な例えです。なぜならエボラがエイズと同じように、
1. 普通の接触では感染せず
2. 人類と共存可能な
感染症のように思えてしまうからです。
本当に感染症のプロなのかなと思ってしまいます。
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「エボラはエイズと似たようなもの。心配することない」と思っている人はかなりいます。
そのように誤認させて拡散しようと企んでいる人がいるのかと疑うほどです。
CDC所長がその認識でエボラ対策を練っていたのだとしたら、二次感染・三次感染も当然でしょう。
どうやら私は本や映画の影響でCDCに期待し過ぎていたようです。
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国連や国際保健機関(WHO)もヤバいです。
早い段階で「エボラは制御可能」と匙を投げたわりには、国際協力を訴えて1000億円以上の援助を求めています。
現地での対応はボランティア・現地政府・米英仏独などの外国軍任せ。
逆に「渡航禁止はやめろ」と各国や航空会社に訴えて、エボラ封じ込めを邪魔します。
まるで危機に乗じて、寄付金を募るビジネスをしているようです。
「援助してもそれがどこに消えるかわかったもんじゃない」という疑念がつきまといます。
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これにも多くの兆候がありました。
たとえばWHOはつい最近までホームページに、「死亡者/感染者」で計算したものを死亡率として大きく掲載していました。
これによって「死亡率は5割以下」と誤解した人も多いはずです。
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しかし本メルマガ「第175号 エボラ出血熱(5) 先進国でもリスクの本質は変わらない」でも指摘したように、それは「死亡率」ではありません。
死亡者/感染者 = 死亡者数 ÷(死亡者数 + 回復者数 + 新たな感染者)
死亡率 = 死亡者数 ÷(死亡者数 + 回復者数)
なので、感染者が増える限り死亡率を過小評価してしまうのです。
[参考]第175号 エボラ出血熱(5) 先進国でもリスクの本質は変わらない
そのときはあえて指摘しませんでしたが、小学生でもわかりそうな間違いにずっと気付かないとはどんな組織だと思ったものです。
WHOは最近になって「死亡率は7割」と言い出し、これまで「5割以下」と記載してきたことへの説明は何もありません。
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またWHOは感染から発症までの期間を2-21日としています。
しかし生データを見ると21日以降に発症した例は10-15%ほどあり、中には40日を超えているケースもあります。
「むりやり統計モデルにあてはめると、21日以内に発症する可能性が95%」といった程度の話です。
ひとりでも見逃したらアウトなのですから油断はできません。
最も危険なウイルスの感染可能性を甘く見積もるとは、本当にプロなのかと思ったりします。
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国連やWHOが危機を訴えることは良いと思います。
しかし支援金や寄付だけ求めて何の解決策も提示しないとか、逆に渡航制限を断固阻止するとはどういうことでしょう。
今のWHO事務局長はSARSへの対処失敗で糾弾されたものの、アフリカ票で日本人候補に競り勝って今の地位を獲得した人物。
いくら母国とアフリカとのつながりが深いといっても、世界を危機にさらして良いものでしょうか。
他にも日本製の薬を使いたがらないなど、怪しい行動はいくらでもあります。
世界のために公正に働いているようには見えません。
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そして今のアメリカ大統領。
何もしない/できない人のように見えますが、エボラに関しては強い意志を持っています。
それは2014年9月19日の国連決議「国際平和と安全保障の脅威」採択を主導したことです。
そこで加盟国に渡航制限の解除を求め、感染国への航空・船舶の運航継続を要請しました。
今でも世界中に感染疑いが続出しているのは、この決議がもとになっています。
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西アフリカ感染地域に渡航制限をかけないことは、病院でエボラ感染者を隔離せず自由に歩き回らせているのと同じことです。
「患者を孤立させるな!」
「移動の自由を侵害するな!」
それによって他人の権利が侵害されていることは全く配慮してくれません。
世界中の人に「途切れることのない緊張」と「自己責任で感染を避ける行動」を強いているのです。
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世界各地で報告され始めたエボラ感染疑い。
対処できないのだから最初から出さなきゃいいのに、発覚してから必死にモグラ叩きを始めます。
1件2件なら何とか対応できますが、同時発生したらすぐ破綻。
医療スタッフは疲弊した後に感染。医療機関は閉鎖。他の患者はほったらかし。
世界中の人々が対応に追われて経済が回らなくなります。
世界各地で土着化してしまったら、人間はおちおち外を歩けません。
人間の活動領域はどんどん狭くなり、エボラに封じ込められてしまいます。
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渡航制限をしないという米大統領の意向を、WHOやCDCは支持しています。
米CDCは10月16日、改めて渡航制限を行う考えはないことを表明しました。
U.S. not ruling out Ebola travel ban
http://www.usatoday.com/story/news/politics/2014/10/16/ebola-cdc-nih-texas-nurses-infectious/17305483/
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さらにオバマ大統領は10月14日「世界全体がまだ十分に行動していない」と発言。
対処できない疫病を世界に広げておきながら、現場や他国の対応に「不満」を表明しているのです。
感染の恐れがある人々を世界中にばらまくことは、殺人に近い行為ではないのか。
人類存亡の危機において、これらの人々が責任ある地位にいることが恐ろしくてなりません。
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これはもはや人災。
エボラを世界に拡散する原因を作っている人々は明らかです。
早く渡航制限しないと、人間のほうがエボラに封じ込められます。
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参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。
ワイルドインベスターズ会員サイト
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