ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2014年07月

地政学リスクの考え方(2) 武力を使えない国は奴隷にされる


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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第169号 地政学リスクの考え方(2) 武力を使えない国は奴隷にされる

週1回発行
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日本は70年ほど軍事力を行使をする機会がありませんでした。

世界史上でも例外的に幸福な時期だったと言えるでしょう。

しかしそのおかげで、軍事や地政学が軽視されるようになりました。

「援助や話し合いであらゆる問題が解決できる」と勘違いする人が増えたのです。

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学生のうちはそういった勘違いも仕方がないと思います。

しかし社会に出ると、我々は自分の権利が暴力によって守られていることを学びます。

あなたが襲われないのは、「警察」という公的暴力が守ってくれているから。

貸したカネが戻って来るのは、最後は「裁判所による強制執行」という公的暴力が使えるから。

日本の領土が奪われないのは、自衛隊と米軍という暴力装置が守ってくれているから。

自由主義も資本主義も、暴力というプラットフォームを公正適切に運用することによって維持されているのです。

この現状認識がなければ、問題解決がきわめて難しくなります。

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ところが日本の場合、良い大人が「相手の言いなりで援助をすれば身を守れる」という幻想にとらわれて自分の国や会社を危険にさらしているのです。

他国に資金や技術を援助したあげく、脅され領土を奪われそうになっている政治家や官僚。

のこのこ敵国に工場を作って市場を奪われ、会社を潰して身ぐるみ剥がされた経営者。

マスコミは事実を隠し、「近隣諸国と仲良く」「話し合いで解決を」と寝言を繰り返すだけ。

行き過ぎた平和主義が逆に戦争を招きよせているという現実に、多くの人が危機感を覚えています。

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これにはしかたがない部分があります。

戦後の日本は、武力による紛争解決を放棄しました。

自分の意志で軍事力を行使できないのに、その場合を前提に考えを進めるのはムダに思えます。。

カネがすべての世の中になり、軍事学も地政学も忘れ去られた学問となりました。

戦場から遠ざかったおかげで、非現実的な話ばかりする「識者」が跋扈するようになりました。

「ハンマーを持つ人には、すべてが釘に見える」ように、軍事力の強い国は軍事力で問題を解決しようとします。

日本は逆に、ハンマーを捨てたおかげで釘が見えなくなってしまったのです。

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通常の国家は、アメとムチを併用して自国の意見を通します。

アメ = 援助 = 外務省(米国は国務省)

ムチ = 軍事力= 軍隊 (米国は国防省)

交渉も最初はソフトですが、次第にグレードアップして行きます。

説得 → 取引 → 警告 → 恫喝 → 軍事力行使 

こういったステップが見えているからこそ、話し合いの段階でお互いどこかで妥協します。

国家間の交渉はほぼすべて、軍事力を背景とした利権の奪い合いなのです。

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日本の場合は、ムチを使うことができません。

するとアメ=援助だけが交渉のカードになります。

ところが「援助による安全保障」の問題点は「いくらやっても終わりがない」ことです。

政治家は日本国民の財産や技術を他国にタダで与え、日本企業を窮地に陥らせます。

会社がバタバタ倒れ自殺者が激増しても、増税して他国のために貢ぎ続けます。

それをやめたくても、日本国内でキックバックをもらっている人々がやめさせてくれません。

売国利権が大きなビジネスとしてすっかり出来上がっているのです。

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悪意のある相手にしてみれば、これほどのカモはいないでしょう。

いいがかりをつけて怒鳴ってやれば、いくらでも援助を引き出せるからです。

条約も契約も、すべて後から反故にできる。

ゴネるようなら「戦争するか?」と脅せば良い。

面倒な交渉や取引も必要ありません。

それを見ていた他国も「日本人相手なら脅せばよい」と学習し、様々な言いがかりをつけてくるようになりました。

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この悪循環から抜ける方法はあるのでしょうか?

第一に、「悪意のある相手に援助することは危険」と知ることです。

第二に、「言いなりになればそのうち終わる」という幻想を捨てることです。

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ゆすりたかりが一度で終わるはずがありません。

たかり屋に一度カネを払えば、次はもっとすごいネタを作り出して大金をつかみ取ろうとします。

尖閣を守らなければ、沖ノ鳥島や南鳥島など多くの島が一気に取られます。

その次は沖縄、九州と続きます。

「寸土を失うものは全土を失う」のです。

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戦後の日本人は「軍事力抜き」という特殊環境の中で、独特の思考回路を発達させました。

それは「援助や話し合いであらゆる問題が解決できる」という大きな勘違いです。

しかし現実世界では、敵意をカネで消し去ることはできません。

いまこそマキャベリの言葉を噛みしめて、敵国への援助をやめるべきでしょう。

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「次の二つのことは、絶対に軽視してはならない。 

第一は、忍耐と寛容をもってすれば、人間の敵意といえども溶解できるなどと思ってはならない。 
 
第二は、報酬や援助を与えれば、敵対関係すらも好転させうると思ってはいけない。」

ニコロ・マキャベリ





(終)



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投資戦略動画(公開用)20140725

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気になるチャート 20140725

米国株は粛々と高値更新。

ウクライナやガザ地区の混乱、ポルトガルの大手銀行、アルゼンチン債務問題などを消化してしまった形だ。

LineChartMajorEq1f1_20140725



























新興国は通貨も株価も上昇基調。
資金は米国株以外に流れているように見える。
ロシアにさえ反発の兆しが見え始めた。

LineChartMajorEqvsMXWO1f1_20140725

 
























LineChartMajorCcyUSD1f1_20140725



























しかし米国では中小型が下がり始めている。
これは何を意味しているのか?
LineChartEqUSidxvsSPX1f1_20140725 



























コモディティは下落基調続く。

少なくとも原材料がインフレの原因にはなりそうにない。

食料品が安いのは消費者としては助かるが、生産者としてはツライかもしれない。


LineChartCmdtyIDX1f1_20140725 

地政学リスクの考え方(1) 経済は政治・軍事のプラットフォーム上で動いている


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第168号 地政学リスクの考え方(1) 経済は政治・軍事のプラットフォーム上で動いている

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6月17日、ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜され約300人が死亡。

同日、イスラエル軍がガザ地区に侵攻。

これにより地政学リスクが意識され、株価は大きく下げました。

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ところで地政学(Geopolitics:ジオポリティクス)とは、地理的な位置関係が政治・国際関係に与える影響を研究する学問のことです。

投資の世界で「地政学リスク」と言えば、国際政治や軍事的な緊張が投資の不確実性を高めることを指します。

経済や数字で語ることのできない、より大きなリスクと考えておけば良いでしょう。

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残念ながら、地政学を知っても短期的な株価予測にはほとんど役に立ちません。

同じような事件が起こっても株が上がっていれば無視されますし、株が下がり始めると大きく騒がれます。

後付けの理由や煽り文句として都合良く使われることも多いです。

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しかし弊社の投資は、最も深い部分でこの「地政学」をベースとしています。

「経済は政治・軍事のプラットフォーム上で動いている」という世界観を持っており、国政情勢の影響を強く受けると考えているのです。

「数字(またはチャート)を見ればすべてがわかる」

「ミクロの積み重ねがマクロである」

という考え方とは違ったアプローチと言えるでしょう。

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実のところ、数字を見れば投資のリターンはある程度推測できます。

しかしリスクについては、わからない部分の方が多いのです。

たとえばある国のPERが米国の半分だったとしても、「アメリカ株の半分の割安さで買える」と単純に考えることはできません。

投資家は本当に利益を手にすることができるのか?

戦争やクーデターが起こったらどうなるか?

そもそも銀行にカネを振り込んで、自分の口座にちゃんと届くのか?

そういった「数字以前の潜在的リスク」を考えるのに地政学が必要です。

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経済的利益の前提となっている政治・軍事的環境に目を向け、潜在的リスクを判断する。

これが弊社のやり方です。

同じリターンなら、潜在リスクがより低く投資家が保護される国を選びます。

みんなが「これからはX国の時代」と持ち上げても、地政学リスクが高すぎる国には決して投資しません。

日本の国益に反する投資もしません。

逆にリスクが高く見えても、その割に回収できるリターンが高ければ投資に踏み切ることもあります。

何事もケース・バイ・ケース。

これによって長期的にバランスの取れたリスクリターンを実現するのです。

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「地政学の考え方」は、すぐに身につくわけではありません。

まずは各国の地理的位置関係・地形・地質・特産品などを知らなければなりません。

それらが歴史・宗教・文化など人間の活動にどう影響を与えたかを学ばなければなりません。

家族から官僚機構まで、その国に共通するグループ形成・人間関係・意思決定メカニズムを知らなければなりません。

それらの「状況証拠」を揃えつつ、根底に流れる価値観や国民性を推測するのです。

それぞれの国民には独特の思考回路があり、その国民自身すら気づいていないこともあります。

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また技術の発展によって、ある場所の価値が上がったり下がったりします。

それに連れて民族的な特徴が強みとなったり弱みとなったりします。

技術発展と民族の興亡史を体系的に学び、最新技術によって状況がどう変化するのか推測しなければなりません。

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地政学はあらゆる分野と深い部分でつながっており、どんな知識も無駄にはなりません。

終わることのない、奥の深い学問です。

逆に言えば、知っている人と知らない人の差が大きな分野でもあります。

興味ない人は一生興味ないですし、興味ある人はこれまでの知識を利用してすぐにマスターしてしまいます。

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身についたからといって、すぐに儲けられるわけでない地政学。

それでも長期的には、バランスの取れたリスクリターンを実現します。

これまで知らなかった人も焦る必要はありません。

知っている人から聞けば良いのです。

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弊社の強みはパワーバランスとバランスシートが両方読めること。

「数字の話ばかり」「政治の話ばかり」聞いて不安を感じたら、弊社レポートを読んでつながりを確認してください。


(終)



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