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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第155号 新興国が先進国になれない理由(法の支配)
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
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中国政府が1930年代に徴用した船の使用料が未払いであるとして日本企業に支払いを求め、その代償として船を差し押さえました。
日本企業は40億円の供託金を支払って、船を返してもらうことにしました。
この事件は「新興国がなぜ先進国になれないか?」という理由を端的に示しています。
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これから同様の訴訟が数えきれないほど起こされ、日本企業からカネをむしり取ろうとするでしょう。
日本は文句を言っても、圧力をかけたら結局カネを払うんだと思われています。
これは一見、中国の「勝ち」に見えます。
しかし長い目で見れば、中国経済の崩壊を早める自爆行為でしかありません。
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法治国家には通常、時効があります。
大昔のことをさかのぼって事実を確認したり善悪の判断するのは難しいことが多く、
生産的な話ではありません。
だからある程度の時間が経つと罪に問わないようにして、
その労力を生産的な活動に使ってくださいということなのです。
それによって罪に問えなかったり権利を失ってしまうこともありますが、
社会全体のことを考えたら合理的な話です。
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先進国の国民には、「法の支配」が染みついています。
いくら相手が憎くても、勝手に復讐してはいけません。
裁判で決まった罰や支払い以上のことを相手に求めてはいけません。
時効になったら、罪に問えません。
後から法律を作って、法律ができる以前の行為を罪としてはいけません(事後法の禁止)。
特に法律を学ばなくても、それぐらいは常識でわかります。
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しかし新興国のうちかなりの地域では、その常識が通じないのです。
同じことをしても有力者の気分次第で有罪になったり無罪になったりします。
すると何かを生産したり、社会に貢献するより、権力を握ることのほうが重要になります。
その結果、国は貧しくなり、乏しいパイを激しい内紛で奪い合うことになります。
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さて仮に、この話が外国に対して通用するとしたらどうでしょう?
条約でカタがついた話を何度も蒸し返し、謝罪と賠償を求めたとします。
なぜか相手はそれに従い、カネや技術を提供します。
これがうまく行くのなら、働く必要はありません。
打ち出の小槌を手に入れたようなものです。
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しかし新興国の凋落は、ここから始まります。
外国の力で国が豊かになったのに、援助してくれた国々を侮るようになるのです。
態度はますます居丈高になり、要求はますますエスカレートします。
強く脅せばますます多くのものが手に入ると勘違いしてしまうのです。
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先進国の民間企業は、政府以上にドライです。
メリットがあると思っているうちは相手の要求を呑みますが、
デメリットの方が大きくなったと思えばあっさり手を引きます。
しかし新興国は「自分の実力で経済を成長させた」と思っているので、
風向きの変化に気が付きません。
特に独裁国家は「企業は政府に従うもの」と思っているので、相手の判断を見誤ってしまうのかもしれません。
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先進国の資本はいきなり撤退します。
証拠もあやふやな大昔のことでいつなんどき訴訟を起こされるかわからないのでは、保険も受けてもらえません。
世界市場で最も重要な「信用」を失って、技術も資本も得られなくなるのです。
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「先進国を追い出して利益を独占しようとしたら、技術も資本も市場も失った」
これは新興国ではよくある話です。
そうなるまでに技術・資本・信用を蓄積できていたのなら少しはマシです。
しかし「謝罪と賠償ビジネス」はそれらを育てるものではありません。
もともと「相手と一緒に価値を作ること」よりも「相手を痛めつけて権力を握ること」しか興味がない人がほとんどです。
どうして自分たちが豊かになったのかの理由がわからないまま、その土台をひっくり返してしまうのです。
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中国や韓国は、まさにこの「新興国の衰退パターン」に入っています。
いまさら甘い顔をして近づいてきても、企業はもはや見向きもしません。
日本に難クセつけてカネを払わせても、長期的には大損なのです。
しかしそれに気付くぐらいなら、とっくに先進国になっていることでしょう。
(終)
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