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週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
第111号 「異次元緩和」は消費税アップ目的の「小芝居」か? (3)中国シャドーバンキング問題の与える影響
週1回発行
ワイルドインベスターズ株式会社
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日本とドイツが追加緩和をためらっている間に、
中国から火の手が上がりました。
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中国で銀行以外のルートから資金調達する
シャドーバンキング(影の銀行)の残高が29兆元(464兆円)にのぼり、
特に理財商品15兆元(約242兆円)が不動産への投資で焦げ付いているという話です。
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このニュースが広がると金融市場に動揺が走りました。
中国の翌日物金利は一時30%を超え、株価は急落しました。
さらに中国政府が
「金融は緩和している。適切なところに回っていないだけ」
との見解を示したことで、この問題が放置されるという連想が働きました。
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しかし金融市場の動揺が続くと中国政府は態度を翻し、
一部の銀行に資金を貸し付けたようです。
おかげで日本株にも安心感が広がり、
レンジの上限を突破してきました。
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確かに、中国市場の信用逼迫は気になるところです。
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上海総合株価指数は2007年に6100ポイントを超える高値をつけたあと、
リーマンショックで2008年秋には1660ポイントの安値をつけました。
その後は急激に戻して2009年に3500ポイント近くの
戻り高値をつけたあとは下げトレンドにあります。
その間に作りすぎたマンションや町そのものに
入居する人がいないという実態が明らかになりました。
つまり
株式バブル崩壊 → 不動産バブル崩壊 → 金融システム崩壊
と、日本の1990年代と全く同じ道を辿っているのです。
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ただ、これは早い段階から見えていた話です。
どんなに鈍い人でも、中国が生産拠点として限界を迎えていたことは知っています。
ここ数年では暴動・外国人の逮捕や拘束・支払不履行などが重なって、
工場は東南アジアへと急速にシフトしました。
弊社のマクロ戦略ではずっと売りを継続しています。
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そして今回は
- アメリカ経済がしっかりしている
- 中国経済や資産規模の実態は計測できない。「損失」とされた資産はすでに国外に持ち出し済みかもしれない。
- 中国市場はいまだに閉鎖的であり、マネーの世界では海外市場とのつながりが薄い。
- 理財商品を紙くずになったところで、それを売った政府関係者が買った人々に補てんするとは思えない
- つまり巨額損失が事実であっても、連鎖的な換金売りにつながるメカニズムは少し弱い
こういったことから、日米欧がきっちり金融緩和をすれば対処可能であると考えます。
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「馬鹿な!中国がおかしくなったら世界恐慌だぞ!」
とおっしゃる方もいます。
しかし世界第二位の経済大国であった日本のバブルが崩壊し20年以上の停滞に入っても、
世界経済は伸び続けました。
世界経済は伸び続けました。
上海株は2009年8月に戻り高値をつけてから下げ続けですが、
米国株は最高値を更新続けました。
基本的にはアメリカ経済がしっかりしている限り、
規模の大きな国が金融危機に陥っても世界恐慌になるとは限らないということです。
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もともと中国は最終消費地でもなければ、世界の信用創造の源泉でもありません。
「代替可能な組み立て工場」のひとつに過ぎないのです。
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世界一の消費大国はアメリカです。
日本から中国への輸出が増えたといっても、
部品や素材が加工されて最終的に売られるのはアメリカなのです。
中国が生産拠点としてふさわしくなくなれば、
他の国に生産拠点を移してアメリカに輸出します。
それを的確に行っている企業にとって、
中国の混乱は「新興国でよくある話」のひとつでしかありません。
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中国がおかしくなって困るところは、深入りしたまま抜け出せない企業。
それに需要を当て込んで投資をした資源国などになるでしょう。
特に資源国は、過去の過剰投資やこれから増える中国の支払不履行に悩まされると考えます。
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中国業者が豪燃料炭3隻を契約不履行、価格や需要低迷受け=市場筋
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もちろん、油断しているわけではありません。
日本の不良債権問題は97年の拓銀・山一證券破綻へとつながり、
その後のアジア危機・ロシア危機の原因となりました。
日米など先進国が対応を誤れば、
短期の混乱で終わるはずの危機が拡大する可能性もあります。
少なくとも世界的なデフレ圧力は続くはずですので、
先進国は追加緩和をしなければデフレの渦に巻き込まれます。
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不良債権問題を緩和するためには金融緩和が必要です。
溢れたマネーは他の国でバブルを起こします。
そしてレバレッジが積み上がったところで何かのショック起これば、
世界的な信用収縮となります。
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中国とつながりの深い国は断続的な危機に見舞われます。
最も影響が大きいのは韓国でしょう。
オーストラリアもそうなるかもしれません。
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つながりの薄い国ではむしろバブルが発生して株価が上がります。
中国から逃げ出した資金が向かう米国と日本は、
恩恵を受ける方だと考えます。
しかし米国は95-2000年まで株価が上がり続けましたが、
98年のロシア危機の時は数か月で2割ほど下がっています。
レバレッジが積み上がった後であれば、
98年のような荒っぽい調整が起こることは想定しておくべきでしょう。
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今回はそれに加えて
「米中対立の構図の中で中国から資金が流出し、米国・日本・ASEANに資金が流れてくる」
地政学的にはこう読むのが適切だと思います。
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そもそも対立しているはずの中国高官でさえ、逃げる先はアメリカであり買う資産は米債・米株です。
地獄を見るのは残された中国人民だけ。
政府高官や富裕層は外国に逃げて悠々自適、というのが読みの本筋となります。
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もちろん残った人々も簡単にはやられません。
血なまぐさい暴力が吹き荒れるのが自然と思います。
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7月の会員レポートDeepInsideでは、このあたりを掘り下げて解説します。
(終)
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