ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2011年10月

TPPに見る「2つの世界」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第45号 TPPに見る「2つの世界」

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

現在、同じ国でも中に2つの世界があります。

ひとつはグローバルで絶え間ない競争と成長の世界。
もうひとつは、小さくなる就業機会の奪い合いの世界。

それが国民の利害を対立させ、
「内戦」のような状況になっています。

*****************************************

いま、TPP(環太平洋パートナーシップ)へ参加するかどうかで揉めています。
これはまさに「2つ世界」のせめぎ合いです。

グローバル企業はなるべく国際間の関税や障壁を減らして
輸出を増やしたい。だから賛成。

反対にほとんどの業種、あるいは労働者にとって
外国の製品や労働者がなだれ込んで来るのであれば死活問題となります。
だから反対。

*****************************************

数としては労働者のほうが圧倒的に多いので、
内容を知られたら反対派が多くなるに決まっています。

だから賛成派は

- 議論が高まる前に
- 内容を理解させないまま
- 参加を既成事実に

したがるのです。

*****************************************

また、とりあえず参加表明だけしておいて
不利になったら離脱すれば良いという人もいます。

しかしこの手の話は、参加する時点ですでにコミットしてしまっています。
おいそれと抜けられるものではありません。

「とりあえず始めておいて、イヤならやめれば良い」

そんな後戻りが簡単でないことは、日本の政権交代が証明しています。

*****************************************

今のような時代には多くの人々にとって
民主主義が危険に感じられるかもしれません。

利害が一致しない国民の間で意見がまとまらず争っている間に
外国や巨大企業につけ入る隙を与えてしまうかもしれないからです。

*****************************************

すると民衆にとって、強力なリーダーシップで国益を守ってくれる
カリスマや独裁者は魅力的に見えてきます。

確かに今はヒトラーなどが出てきた戦前の状況によく似ています。

またプーチンが大統領への復帰を望まれるのも、同じ心理でしょう。

*****************************************

逆にグローバル企業から見ると、
そんな人物は世界市場開拓を阻む「邪魔者」です。

独裁者をひきずり降ろし、その市場をもっと開拓したいと願うでしょう。

そのときは自分が手を汚すのではなく、
その国民自身が行動を起こしてくれるのであればベストです。

「自由」「民主化」などは格好の旗印となるでしょう。

*****************************************

TPP参加へのゴリ押し。

政治に対する不満。

世界に広がる反企業デモ。

プーチンの大統領復帰。

カダフィの最期。


これらはすべて、同じ糸でつながっているのかもしれません。



(終)




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto: wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc. All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


気になるチャート20111029

ギリシャ債務の民間負担は50%で決着。

あらかた織り込まれているかに見えたが、実際に決まると超絶リスクオンの大反発となった。


MajorEq2f3_20111029





弱々しかった産業用金属も反発。



Cmdty1f1_20111029



新興国・資源国通貨が大きく上昇した。

MajorCcy1f1_20111029




これまでの上昇は米国が牽引してきたが、しばらくは新興国指数が取って代わるかもしれない。


MAchartMajorEqvsSPX1f2_20111029



しかしインド・中国の相対株価は弱い。


MAchartMajorEqvsMXWO1f10_20111029



米国セクターはディフェンシブから景気敏感株へ。

金融の上げはいつまで続くか?


SPX10sctrs1f1_20111029






グローバル化による「内戦」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第44号 グローバル化による「内戦」

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

世界の金融システムが危うい状態にあります。

*****************************************

これは新たな危機ではなく、
リーマンショックから続くものであると以前書きました。

つまりそれは(特に先進国の)民間企業に「稼ぐ力」がなくなり、
しわ寄せが国に来ているのです。

*****************************************

国の力が弱まると、それまで国を成り立たせていた共通の
「意識」そして「利害」が崩れ始めました。

様々な国でデモが起こったり、国内で分裂しているのは
同じ国民でありながら意識や利害が遠く離れてしまったからです。

*****************************************

たとえば少し前まで、欧米人や日本人に生まれたことは
ちょっとした宝くじに当たるようなものでした。

戦争は少ない、治安も良い、水や食べ物に困らない、
歴史や文化が豊かなど恵まれた先進国はほんの一部でした。

*****************************************

そこでの人生はある程度計算できるものでした。

勉強をすればこれぐらいの学歴が手に入る。
あそこに就職すれば初任給はこれぐらい、40代ではこれぐらい。

結婚して、家を買って、子供を育て、最後は年金をもらってのんびり・・・
と予想できました。

*****************************************

しかし今や状況は一変しました。

企業は安い土地・安い労働力・優秀な人材を世界に求めます。

売り込む市場は世界であり、調達もグローバルです。

無限の可能性、青天井の利益、これ以上ない刺激がそこにはあります。

*****************************************

逆に働く側は、常に外国の安いコストや労働力と競争しなければなりません。

絶え間ない機械化・人員削減にさらされなければなりません。

企業の寿命が人間の寿命よりも短い世界で、
自分を何度も訓練しなおさなければならないのです。

若いうちは頑張れても、それをいつまでも続けるのは無理です。

*****************************************

ひとつはグローバルで絶え間ない競争と成長の世界。
もうひとつは、小さくなる就業機会の奪い合いの世界。

どちらも厳しいものです。

しかしそれに対する報酬が高いのかそうでないのか、
将来が明るいかそうでないかで人々の満足度はかなり違います。

そしてこれらの世界はどの国にも存在し、
大きな争いのタネとなっています。

アメリカで大企業に対するデモが行われているのも、
企業収益が好調な割に失業が減らないことへの不満なのです。

*****************************************

日本は今、苦しい先進国の中で「先頭ランナー」として走っています。

高コスト化、少子高齢化、財政赤字拡大などです。

しかしまだまだ「聖域」とされている既得権も多く、
それが脅かされるまで国として根本的な対策をすることはないでしょう。

「現状でも食えるから変わらない」ということは
「食えないようにならないと変わらない」ということです。

まずは個人・そして民間企業が変わるしかなさそうです。

*****************************************

ただ、日本でも民衆の不安・不満は高まりつつあります。

心理的な内戦のようなものです。

あまりにも既得権の保護がひどいようであれば平和的な方法は望めないかもしれません。

我慢強い日本人がキレたときはどうなるか、みんな知っています。






(終)



-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。

気になるチャート20111022
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51022132.html

-----------------------------------------




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto: wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc. All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


気になるチャート20111022

株価は米国主導で上昇を継続。

  


MajorEq2f1_20111022



ドルベースの対SP500相対指数にするとインド上海などの戻りが鈍い。

上海 はバブル崩壊への懸念か?  


MajorEq1f4_20111022




そのせいか、コモディティのうち産業用金属は安値を更新している。

Cmdty1f1_20111022



リスク選好が戻ってきたため、米ドルと日本円以外の通貨がリバウンドした。


しかし一部通貨に対する円高は止まらず、日本円は対ドルで戦後最高値の75円82銭をマーク。



MajorCcy1f2_20111022




韓国ウォンは日本による5.4兆円のスワップ協定で反発した。

日本の信用でウォン安政策のリスクが減るとなれば、日本の輸出産業にとって辛いことになる。


MAcrossFX1f182_20111022



インドルピーは趨勢に反し、安くなっている。

MAcrossFX1f151_20111022




ユーロ圏の2年国債金利対独スプレッドはやや拡大傾向。

ギリシャは元本削減(ヘアカット)が目前となった。


EUR2YrGovSprd1f1_20111022



その影響か、対ドイツのユーロ圏株価は下落傾向にある。


EqEU1f2_20111022










技術断絶の危機

【週末だけのグローバル投資】

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第43号 技術断絶の危機

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

第38号「通貨安政策と技術の関係」では、
「技術を自前で持つことができない国よりも日本のほうがまだマシ」と書きました。

http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51015439.html

しかしだからといって、安心して良いわけではありません。なぜなら
日本はその技術を伝えられず、断絶してしまう危機に瀕しているからです。

*****************************************

不況が長引くと、日本企業は新規採用を減らしました。
その結果、若いうちに職業訓練を積めない人々が大量発生しました。

いわゆるニートです。

*****************************************

同時に成果主義が導入されました。

若い世代に立場を逆転されないように、仕事を教えない人が増えました。
自分よりも優秀な人を採用しない人も出てきました。

短期的な利益を上げるため、そして自分の地位を守るため、
技術や情報を抱え込んで縮こまっている人々がいるわけです。

*****************************************

企業は高度な技術を持った人間を多く抱え、
経営陣がそれを守りながら収益に変えていくことが大事です。

しかし若い世代を採用しない、
教えることが評価されないのでは、ノウハウが伝承されるはすがありません。

そして過去の蓄積がうまく伝承されなかった世代も、
いずれ出世して経営を担うことになります。

*****************************************

そのときに充分な知識と経験の蓄積がないと、
自社の強みと弱みがわかりません。

技術が理解できなければ特許を取って守るのか、
あえて黙っておくのか、他社の技術を使ったほうが良いのか判断できません。

どこに経営資源を集中して、何を切り捨てるべきか決断できません。

その結果、必要以上にこれまでの方法に固執するか、
何にでも手を出して迷走するかのどちらかになります。

*****************************************

技術や技術者の心理をわからずして、適切な評価・処遇はできません。
とんちんかんな昇進や昇給を行って、会社が不満だらけになります。

どうせ上司にわかりゃしないので、現場は見てないところで手を抜きます。
その会社に採用される人も、応募する人も、質がどんどん下がっていきます。

*****************************************

「技術はわからなくても、技術者をマネージできれば良い」

その考えも一理あります。

しかし日本の場合、そういった「プロの経営者」がまだ育っていません。
日本的な「経営の技術」も一緒に断絶してしまう危機にあるのです。

*****************************************

通貨高はインフレを抑えてくれます。

しかしそれも度を過ぎると、今の日本のように技術や企業文化が断絶する
危機に陥ります。

これに対処するには、ある程度円安にしてゆるやかなインフレ状態を作り、
カネや仕事が回り続けるように仕向けなければなりません。

*****************************************

いったん断絶した知識や文化は、後になるとなかなか取り戻せません。

特にあいまいな「暗黙知」が散逸すると、
そもそも存在すら忘れられて消え去ってしまうのが大半です。

これまで様々なものを作り上げ、伝承してきた日本企業ですが、
残された時間は少なくなってきています。



(終)



-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。

気になるチャート20111014
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51020707.html

-----------------------------------------




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto: wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc. All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
記事検索
ディスクレーマー
金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。 またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。 弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。 http://www.wildinvestors.com/member/
新刊出ました!

地方出身親のための中学・大学受験: その全体像と基本戦略
https://amzn.to/3BY6SHF


高知能者のコミュニケーショントラブル: IQが20違うと会話が通じない
https://amzn.to/3Aee8Op


高知能者のコミュニケーショントラブル2: 人間は自閉的知能を持ったサルである
https://amzn.to/3dmiGt8


ビットコインはなぜヤバい: フィンテック時代のデジタル投資詐欺
https://amzn.to/3Tn9ZQv


ジャパンヘイターとサイコパス支配: 善意で滅ぶ先進国
https://amzn.to/3Vfgp74


ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016
https://amzn.to/3x543UQ

QRコード
QRコード
プロフィール

逆張り投資家

  • ライブドアブログ