ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2011年09月

下落は少なくとも1年続く --- ギリシャは問題ではない

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週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第39号 下落は少なくとも1年続く---ギリシャは問題ではない

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先週は「韓国ウォン安が気になる」と書きました。

今週は韓国・ロシアなど新興国市場が崩れ、
欧州株も大幅下落となりました。

コモディティも急落しています。

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あまりにも急だったため、短期的には反発もあるでしょう。

しかしこれはもう、「強烈な信用収縮」が始まったと見るべきです。

最終処理が終わるまで何度か反発しながら、
少なくとも1年は下落相場が続くと考えています。

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確かにきっかけはギリシャでした。

欧州ソブリン危機はポルトガルやアイルランドに波及し、
いよいよ本丸のイタリア・スペインに迫りつつあります。

テレビは今さらギリシャ危機について報道していますが、
市場はさらに先を見ています。

それは「新興国クラッシュ」と「企業業績の悪化」です。

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今週前半は米国株が堅調だったため、小康状態でした。

しかしコモディティは弱く、新興国通貨が弱く、周辺からヘタって来ていました。

特に韓国ウォン・南アランド・ブラジルレアルなどの下げはきつく、
続いてエネルギー価格の下落によってロシアが下げました。

これは先進国の金融危機によって、新興国が「飛ぶ」典型的なパターンです。

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つまり流れとしては、マネー経済の悪化が実体経済にまで影響するサイクルの
入り口に立っているのです。


1. 欧州ソブリンなど先進国の金融危機

2. 新興国 から資金流出        ←いまここ

3. 新興国の金融危機。経済クラッシュ。コモディティ暴落。

4. 先進国の業績悪化。倒産や失業の増加。

5. そのスパイラルを止められるかどうか?

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特に今は恐慌が多いシーズンである「9-11月」であるため、
かなり危うい局面になるでしょう。

仮にそれが終わって底打ちのような感じがしても、安心はできません。

というのもこのサイクルに入ってしまうと1年は止まらないので、
少なくとも来年の秋まで信用収縮は終わらないのが普通だからです。

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これから1年以上も経済が悪化するとなると、どんなことが起こるかわかりません。

会員サイトではすでに対処を示していますが、それだけでは不足です。

人生のサバイバルを考えなくてはならない局面と考えます。



(終)



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参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。

気になるチャート20110923
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51016601.html

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気になるチャート20110923

ついに「真性」の信用収縮局面が始まった。

まずはコモディティの弱さがそれを予感させていた。


Cmdty1f1_20110923



続いて崩れ始めたのは新興国通貨。

韓国ウォン、南アランド、ブラジルレアルなどが急落。


MajorCcy1f2_20110923




新興国通貨は弱いが、株価も弱い。

MAchartMSCIsvsMXWO1f1_20110923



特にロシアがきな臭い。




MAchartMajorEqvsMXWO1f11_20110923


通貨安政策と技術の関係

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第38号 通貨安政策と技術の関係

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市場は少し落ち着いてきました。

しかし気になる兆候があります。

それは韓国ウォン安です。

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「通貨安には輸出を助け、デフレを防ぐ効果がある」

と以前書きました。

売り上げがあればキャッシュフローが維持できます。

我慢しているうちにライバルが先に倒れるので、残存者利得を得られます。

雇用を守ることができます。

技術を伝承することができます。

一見、良いことばかりに思えます。

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実は韓国は、それを国策としてやっている国です。

韓国が得意とする産業は、電機・自動車・鉄鋼など日本の主力輸出産業を重なります。

コストが高くなった日本ではやりにくくなったので、
日本企業が技術を移植したという事情もあります。

韓国側も何かとマネしやすい日本から学び、
その地位に取って代わろうと努力したこともあります。

日本ができなくて、韓国が得意にしているものはほとんどありません。
常に日本が先行し、韓国がそれをマネて脅かす。

この繰り返しです。

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日本もそうやって欧米から製造拠点の地位を奪い取って来ました。

韓国は新たに技術を移植された国々(中国や他の新興国)と戦っています。

その点ではお互い様だといえるでしょう。

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ただ問題は、その先にあります。

「世界の工場」の地位を獲得し、その地位が脅かされるまでに済ませておきたいことがあります。

それは、


1. 他国に真似できないノウハウ(特許や暗黙知)が蓄積されること

2. 新しいものを生み出す文化や制度が根付くこと



人件費や地代の高騰とともにいずれは「世界の工場」ではなくなります。

そのときに「知的産業」にシフトするには上の条件が不可欠なのです。

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これができている国は欧米先進国・ロシア・日本ぐらいしかありません。

逆に言うと、そういった文明しか先進国にはなれないのです。

厳しく言うなら「先進国になる可能性のある国は決まっている」ということです。

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これができないと他から生産拠点を奪うことはできても、
自分たちで新しい利益の源泉を探すことができません。

一瞬は先進国に追いついたように見えても、
すぐに新しい技術やビジネスで突き放されます。

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すると結局、通貨安でこれまでの製造業を守るぐらいしか方法がありません。

「次の新興国」にコスト負けないように、
通貨安によって人件費や地代を引き下げているのと同じことです。

先進国も周期的に危機に陥りますが、
技術がないそれ以外の国はさらに深刻な事態に陥ります。

国内の資本蓄積が小さい場合にはなおさらです。

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今の韓国ウォン/日本円のレートは6.9。
韓国が国家破産した97年とほぼ同じレベルです。

(気になるチャート20110917参照)
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51015273.html

これを見ると日本の主力輸出産業がなぜリーマンショックから立ち直るのが
遅かったのかがわかります。

リーマンショック前は13ぐらいでしたので
実に半額のレートで日本企業は韓国企業と戦っていたのですから。

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さて、日本企業は技術は持っていても円高で販売が伸びずに苦しい。

韓国や中国の企業は売り上げが立っても新たな技術やビジネスの開拓が少なく
コストが安い新興国との争いで厳しい。

どちらにしても苦しい戦いです。

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ただ、状況としては日本のほうがまだマシです。

逆説的ですが、簡単に技術を移植させてもらえる国は
基礎技術やノウハウがなかなか根付きません。

仮に日本企業を買収したとしても、技術や技術者を評価できません。
「金の卵を産むガチョウ」をバラバラにしても気付きません。

残酷な話ですが、技術を盗む相手がいないと自分も倒れてしまうのです。

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日本が生き残る道は以下のとおりです。

1. 通貨安政策で時間を稼ぐこと。時間があればその間に何とかできる。

2. 新しいものを生み出したり、成功した人に報酬を惜しまないこと。
それは新たなビジネスの原動力となるから。 

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このあたりの政策や制度設計については、アメリカが世界でダントツです。

さらに通貨安政策をうまく使って自国産業をサポートしています。

日本はまだ敵わない部分が多いと感じます。


(終)



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気になるチャート20110917

日本株は反発力弱いが、米国株が下支え。

一時は底が見えなかったドイツ株も反発してきた。

反面、堅調だったブラジルは息切れか?


MAchartMajorEqvsMXWO1f2_20110917



MAchartMajorEqvsMXWO1f4_20110917




MAchartMajorEqvsMXWO1f9_20110917



通貨市場でドル高が緩んでドル安方向になってきたことも、短期的な株価反騰を予感させる。

ただ、1年ぐらい先まで信用収縮が厳しいだろう。


南アランド韓国ウォン安が気になる。


MajorCcy1f1_20110917




特に韓国は電機・自動車・鉄鋼など競合する産業が多い。

これは韓国ウォンの対円レート。これが下がると日本株は厳しい。


KRWJPY20110917



さらに長期で見ると、ウォンは2007年の半分ぐらいの水準にいることがわかる。

昔で言えば1997年の国家破綻時と同じ。これなら輸出が好調だったこともわかるし、日本の輸出企業が苦しんでいることも理解できる。


KRWJPY20110917M


 

ソブリンスプレッド・TEDスプレッド・クレジット(信用)スプレッド

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第37号 ソブリンスプレッド・TEDスプレッド・クレジット(信用)スプレッド

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最近は「ソブリン」「クレジット」など金利用語が使われるようになりました。
今回はそれらを整理して、今の状況を解説したいと思います。

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金利の世界の仕組みについて説明しましょう。

ほとんどの国では中央銀行が金融機関に資金を貸し出し、
金融機関がそれに利ざやを乗せて企業や個人に貸し出します。

こここではそれぞれの金利を2.5%、4.5%とします。


        貸す        貸す
中央銀行 → 金融機関 → 企業・個人
________2.5%_____4.5%

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ここで大雑把ですが、政府=中央銀行としましょう。

政府や中央銀行といえども資金を調達するときタダというわけにはいきません。
たとえば国債を発行するときも、売りオペをするときも利息がつきます。
ここでは仮にそれを1.5%とします。

             貸す        貸す
中央銀行(国債) →  金融機関 → 企業・個人
_1.5%_______2.5%_____4.5%

*****************************************

しかし政府によって信用度は違うのが現実です。

残念ながらこの国は世界で最も安全な国ではなく、
少しだけリスクがあると思われていると仮定します。

一方、ほぼ100%の確率で元本と利息を返すことができる国は1%で調達できると仮定しましょう。現実の世界ではたとえばドイツやアメリカがそう思われています。

するとこの国は、余分に0.5%のプレミアム金利を支払えば調達可能ということになります。


        プレミアム        貸す       貸す
安全な国の国債 → その国の国債 → 金融機関 →  企業・個人
_1.0%_______1.5%______2.5%_____4.5%

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ソブリンスプレッドとは、国債金利と「最も安全と思われている国の国債金利」との差です。

TEDスプレッドとは、金融機関の調達金利とその国の国債金利との差です。

クレジット(信用)スプレッドとは、民間企業や個人の調達金利とその国の国債金利との差です。


上の例で言うなら

ソブリンスプレッド      = 0.5%
TEDスプレッド        = 1.0%
クレジット(信用)スプレッド = 3.0%

となります。


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そしてざっくり言うと、以下のような傾向があります。


1. 国がヤバくなるとソブリンスプレッドが上がる

2. 金融機関がヤバくなるとTEDスプレッドが上がる。
ただし景気が良くて資金需要が強いときも上がるので見極めが必要

3. 民間企業がヤバくなるとクレジットスプレッドが上がる

*****************************************

特にソブリンスプレッドは曲者です。

学問の世界ではそれぞれの国の国債金利がリスクフリーレートと呼ばれ、
リスクなしで得られる金利とされています。

しかし現実には信用度の低い国もあるため、リスクがないわけではないのです。

*****************************************

仮に国債金利が20%にまで上昇してしまった場合、
その国の金融機関や民間企業の調達金利がそれ以下ということはありません。

金融機関の調達金利は25%、民間企業は30%というように
全部の金利が連動して上がってしまうのです。

30%の金利を取られると、ほとんどの民間企業は経営難になります。
つまり「親亀コケたら皆コケた」方式で、民間企業が破綻するようになります。

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新興国が何度も投資バブルと崩壊を繰り返すのは、
国の信用が低いため先進国からの投資に頼らざるを得ないからです。

何かのきっかけで先進国の資金がいっせいに逃げ出すと、
ソブリンスプレッドが跳ね上がって経済が「即死」してしまうわけです。

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さて、今は欧州など一部の国でソブリンスプレッドが上がっています。

ドルやユーロのTEDスプレッドも上がっています。

低格付け(BB以下)のクレジットスプレッドも上がっています。

サイクル的にはよろしくない方向です。

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株は超割安に見えますが、全力買いは危険です。

信用収縮局面はこういったスプレッドに注目しながら乗り切って行きましょう。


(終)


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今週は会員レポート発行DeepInsideのため「気になるチャート」をお休みします。
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