ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2011年06月

金融ショックと最終処理

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第27号 金融ショックと最終処理

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

各国で金融株が下がっています。

*****************************************

その根底には不動産価格が下がり、差し押さえが増えている状況があります。

担保になっている不動産の価値が下がってしまっているので、
返済の代わりにそれを受け取ったとしても損になってしまうのです。

*****************************************

こんなとき、企業収益は好調でも注意しなければなりません。

というのも銀行の痛手が金融収縮を招くことが
日本の経験からもわかっているからです。

*****************************************

当時の日本も不動産価格が下がり続けたため、銀行経営が不安視されていました。

そこで国は銀行に、資本増強と資産強化を命じました。

資産強化といっても、優良貸出先を増やすか、リスクのある貸出先を切るしかありません。
もともと優良な貸出先は少ないので、現実的にできるのは後者です。

そのため銀行は、中小企業などからも資金を引き上げました。
「貸し剥がし」などと呼ばれました。

中小企業がバタバタ倒産し始めました。

*****************************************

すると今度は「貸し出しをしなさい」と国は命令しました。

- 銀行の資産強化(優良貸出先を増やし、リスクのある貸し出しを減らす)
- 中小企業への貸し出しを増やす

これらは矛盾した命令です。
一般に、中小企業のほうがリスクが高いからです。

*****************************************

この話は結局どうなったかというと、
国が30兆円ほど保証をつけることで銀行に貸し出しをさせました。

銀行のリスクや損失を、国が肩代わりすることになったわけです。

ですからこの話は終わったわけではなく、
「不良債権問題」は「日本国の借金問題」となって今も続いているのです。

*****************************************

日本の場合は不良債権問題が片付かないうちに
金利を引き上げたり増税したりして、強烈なデフレを味わいました。

「そんなことをしなければデフレを避けられたのに」とは思いません。

ただ銀行の資産圧縮の影響が軽視され、必要以上に苦しみを与えた感じがします。

*****************************************

これまでの金融危機では、3-4年後に最終処理がやって来ました。

最終処理とは、「特別支援」で生き延びた企業がふたたび限界に達し、
倒産するかどうかの選択を迫られる段階です。

貸し手のほうもやはり「貸し出しを続けるか、損としてあきらめるか」
の選択をしなければなりません。

このときは倒産や資産売却が増えるので、デフレ圧力が強まります。
国や業種によっては、金融危機を上回る痛みが発生します。

*****************************************

さて、今年はリーマンショックから3年目。

欧州ソブリン問題はまだ収まらず、支援の規模が大きくなっています。

アメリカでも不動産が下がり始め、延滞率や差し押さえが増えてきました。

彼らは「日本とは違う。同じ轍は踏まない」と言い張っていますが、
これまでのところそっくり後を追ってきています。

*****************************************

幸か不幸か、日本はこの問題の「先駆者」です。

次に何が起こるか、だいたいわかっています。

優良な株式は持ちっぱなしで構いませんが、
「夢のストーリー」で上がっていた銘柄には注意が必要でしょう。


(終)



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto: wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc. All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



気になるチャート20110625


株価は上値が重くなってきた。

季節的な影響もあるだろう。


MajorEq1f3_20110626




米国では金融セクターが冴えない。


SPX10sctrs1f1_20110626



欧州ソブリン問題では、ポルトガルやアイルランドの上乗せ金利が継続的に上がっている。

スペインやイタリアも上昇傾向。


EUR2YrGovSprd1f1_20110626





それに合わせて、株価も対ドイツDAXで相対的に下がってきている。

スペインもそうだが、ここのところイタリアの下げが目立つ。

EqEU1f2_20110626





コモディティは下落。いよいよ下に抜けたのか?

Cmdty1f1_20110626

新興国への期待と現実

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第26号 新興国への期待と現実

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

株式市場が冴えません。

先進国もそうなのですが、特に新興国の株がいまひとつです。

*****************************************

この1年半の主要株式指数を円ベースで見てみると、日本株は10%下落しました。

ブラジル株は15%下落しました。

上海株は25%下落しました。

2009年大底からの期待と反発が大き過ぎたにせよ、
株価も実体経済も世界を牽引してきたとは言えません。

*****************************************

世界経済が回復すると、コモディティ価格が上がります。

特に食料品が値上がりすると新興国の生活が苦しくなり、暴動が起きたりします。

現に中東ではいくつかの政府が転覆しました。

インフレを抑えるために金融を引き締めるので、景気がスローダウンします。

新興国が良好な状態を保つのは意外と難しいのです。

*****************************************

製造業を主体に勃興する新興国は、資源を確保しなければなりません。

たとえば中国は、アフリカ・中東・南米・アジアの各地で資源確保を急いでいます。

尖閣や南沙諸島のように島を奪い取り、生存圏を広げようとします。

かつての日本がやったように、それはいずれ軍事的な衝突を引き起こします。

*****************************************

一方で先進国は、国としての勢いは衰えても蓄積された技術と資本があります。

特殊な技術は特許で抑えてしまい、さらに知的産業に再投資します。

モノの値段が上がっても、それがすぐインフレや暴動には結びつきません。

だから金融緩和を続けることができます。

それが通貨安を招いても、経済がうまく回るのであればOKです。

*****************************************

この10年で先進国は没落し、新興国が勃興しました。

しかし新興国が先進国になれないことにはそれなりの深い理由があります。

どんな国でも人口動態のおかげで右肩上がりで需要が増えたり、
どん底から勢い良く復活するときがあります。

しかしそれが永遠に続くものだと勘違いすると、
とんでもない「新興国投資の罠」に嵌ることになります。

*****************************************

新興国のインフレが落ち着けば、株価もふたたび上昇に転じるかもしれません。

しかし今の国際情勢を鑑みるに、むしろ試練がやってきそうな予感がします。

*****************************************

だからといって、過度にディフェンシブになる必要はありません。

現金にしておけば確実に価値が減って行くからです。

今はグローバルな生活必需品(永久保有ポートフォリオ)や、
先進国のソフトウェアなどに妙味があると考えています。




(終)


-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。

気になるチャート20110617
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/50989451.html

-----------------------------------------


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto: wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


気になるチャート20110617

株価は世界的に調整局面。

日米独が相対的に底堅く、新興国は上値が重い。

MajorEq1f2_20110617


ブラジルはバリューの面で魅力的だが、戻りが鈍くなっている。

MAchartMajorEqvsMXWO1f9_20110617


上海B株。

不動産への懸念、暴動、南シナ海の緊張などが折り重なって、外国人の見る目が変わってきたか?

MAchartEqAsiavsMXWO1f27_20110617



今週はドル高、ユーロ安だった。

MajorCcy1f1_20110617



コモディティも調整局面。

Cmdty1f1_20110617


農産物は落ち着いてきたが、まだ高止まりと言って良い。
Cmdty1f5_20110617






情報化による二極化とバブル

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
週末だけのグローバル投資  -生き残りの処方箋- 

第25号 情報化による二極化とバブル

週1回発行
                      ワイルドインベスターズ株式会社
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

以前から、マネーはうまく回っているということを書いてきました。

企業収益は良好で、手元資金は空前のレベルに達しています。

M&A・IPOなどもバブルというほどではないですがそこそこ活況です。

*****************************************

一方で、ギリシャ・アイルランド・ポルトガルなどの欧州ソブリン問題がくすぶっています。

アメリカもサブプライムローンの延滞率が上がるなど、気になる兆候が出てきました。

世界経済は良いのか悪いのかわかりません。
何だか矛盾しているように思えます。

*****************************************

しかし、これを説明できる大きな構図があります。

それは、高度情報化による二極化です。

*****************************************

今の社会には、最先端の情報技術があります。

それを利用したビジネスが次々に生まれます。

しかしどこでも基本的に勝者はひとり。

残りの人は別の場所で一番を目指すか、それを諦めることになります。

*****************************************

数年前に起こしたビジネスで、若くして何百億円も手にする人がいます。

世界中に顧客を持つ企業があります。

いつでもみんながつながって、楽しい世界があります。

*****************************************

反対に、職にありつけない人がいます。

外国との賃金引下げ競争にさらされる人がいます。

孤独で精神を病む人がいます。

*****************************************

投資家も困っています。

誰が勝者になるかわからないし、わかった頃に投資しても儲かりません。
かといって敗者に投資してもゼロになってしまいます。
もう遅いと感じても、勝ち馬に乗るしかないのです。

だから一部の市場でバブルが起こり、
それ以外はジリ貧という二極化が起こります。

*****************************************

そして国は、バブル崩壊や失業の尻拭いをします。

資金がいくらあっても足りません。

借金をしては使い、借金をしては使い、
通貨価値は下がる一方です。

*****************************************

今の時代に儲かっている企業は資金を必要としないし、
M&Aぐらいしか使い道はない。

だから手元資金はじゃぶじゃぶに余ります。


そうでない企業はどんどん赤字が増え、借金に頼るしかなくなります。

潰れてしまうと影響が大きい企業は政府が救済しますが、赤字は政府債務となって残ります。
これが続くと国自体の信用が落ち、借金がしにくくなります。

欧州ソブリン問題など財政赤字の根底には、
「社会の二極化」と「政府による救済」の慣例化があるのです。

*****************************************

今はまだマネーがうまく回っているので、
その問題は忘れられがちです。

しかし構造はまったく変わっておらず、
株価を見ているとこの二極化を実感することができます。

次にクレジット市場が悪化するときは、
2008年のサブプライムと同じかそれ以上の混乱をもたらすでしょう。

*****************************************

引き続き頑健なポートフォリオを組み、
来るべき信用収縮と通貨価値の希薄化(インフレ)に備えます。


(終)





★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

週末だけのグローバル投資 -生き残りの処方箋-
発行責任者     ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー   http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト     http://www.wildinvestors.com/member/
メールアドレス   mailto: wi@wildinvestors.com
登録・解除     http://www.mag2.com/m/0001237271.html
 
Copyright (c) Wild Investors Inc.  All rights reserved. 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
記事検索
ディスクレーマー
金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。 またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。 弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。 http://www.wildinvestors.com/member/
新刊出ました!

地方出身親のための中学・大学受験: その全体像と基本戦略
https://amzn.to/3BY6SHF


高知能者のコミュニケーショントラブル: IQが20違うと会話が通じない
https://amzn.to/3Aee8Op


高知能者のコミュニケーショントラブル2: 人間は自閉的知能を持ったサルである
https://amzn.to/3dmiGt8


ビットコインはなぜヤバい: フィンテック時代のデジタル投資詐欺
https://amzn.to/3Tn9ZQv


ジャパンヘイターとサイコパス支配: 善意で滅ぶ先進国
https://amzn.to/3Vfgp74


ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016
https://amzn.to/3x543UQ

QRコード
QRコード
プロフィール

逆張り投資家

  • ライブドアブログ