ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2011年03月

投資戦略アップデート20110325

[マクロビュー]


1. 
企業収益は好調。
投資家センチメント底打ち気配で外株は買いの好機。
バブルが起こるのはソフトランディングが見えてきた新興国か。
復活気配が出てきたテクノロジーか。

米国の泣き所は住宅市場の低調さ。
ドル安による輸出ドライブが頼り。


米国の業種別企業収益

US10sectENGS_20110325

2.
欧州ソブリン問題が再燃気配。
ポルトガルとアイルランドがヤバそうなのに対し、なぜかスペインは落ち着いている。
日本のCDSスプレッドが一瞬上がった(0.80%→1.17→0.97)ことにも注目したい。


3.
日本の原発問題はまだ道筋が見えない。
冷却用の放水、圧力低下のための水蒸気開放などにより
放射性物質は継続的に流出する。

取引先は代替調達を模索し、ライバルは風評を流してシェアを奪おうとするだろう。
しばらく防戦一方だが、長い戦いと覚悟して踏ん張りたい。
株価は一部を除いて上が重いと考える。


4.
リビアは欧米の介入でカダフィ側が制空権を失った模様。
戦力が拮抗するため、死者は増えるものと思われる。
欧米のさらなる攻撃は別の虐殺を意味するため、国際世論も割れるはず。



[投資戦略]は会員さん限定プライベートモードで。
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東北地方太平洋沖地震後の市場(1週間)

日本株がまず売られ、しばらく後に先進国株がすべて下がった。ドイツが次にひどく、新興国は相対的にましだった。

円ベース主要株価指数。
MajorEq2f3_20110319


現地通貨ベース相対株価。

MajorEq2f6_20110319



リパトリの円高で一時1ドル76円をつけるも、協調介入で82円台まで戻す。スイスフラン・ユーロも強かった。新興国通貨は弱い。金融収縮的な動き。

MajorCcy1f1_20110319


復興関連のうち仮設住宅などが急上昇。建機レンタル・土木系もそこそこ上昇。道路・橋梁・建機そのものは意外なほど上がっていない。

REITが極端に安い局面があったが、すぐ終わった。
それでもまだ安全で利回りが高い銘柄がある。

MAchartEqJPNidxvsTPX1f10_20110319



ギリシャ、アイルランド、ポルトガルのソブリンリスクが高まっているが、
株はDAXに対して堅調。ちょっとおかしな感じ。

EUR2YrGovSprd1f1_20110319
EqEU1f2_20110319


コモディティはいくつかの農産物で頭打ちの気配が出ている(小麦など)。
新興国の政情不安が落ち着く可能性があるが、理由がなくなっても動きが止まるかは不明。
Cmdty1f5_20110319



産業用金属もかなりの調整。鉛(LEAD)だけ堅調なのは福島原発トラブルが原因か?Cmdty1f4_20110319

マクロ経済のメルトダウン

NYTimes315日のポール・クルーグマンのコラムより。

「マクロ経済のメルトダウン」の抄訳です。


http://krugman.blogs.nytimes.com/2011/03/15/meltdown-macroeconomics/

 

福島の悪夢がマクロ経済にもたらす影響について話してみよう。人生もビジネスも続いていくのだから。

 

影響のひとつとして半導体チップ等世界の工業製品部品のサプライチェーンに障害がでることだ。しかし、その詳細はまだ明らかではない。

 

しかし、もっとも多く耳にすることは金融市場に対する影響についてだ。日本は復興のために、税収が減ろうとも何百億ドル(円ではない)もの資金を要する。したがって、日本はこれから資本の輸出国から、おそらく輸入国にしばらくの間は転換し、それが金利を押し上げるだろう。

 

しかし、今のところそうはなっていない。日本の10年金利は:

031710yjp

 

 

 

 

 

 

 


そして米国の10年金利は 10-year:

031710yus

 

 

 

 

 

 

 

 


何がおきているのか?平常状態であれば金利は上昇する。しかし、今は平常時ではない。私たちは流動性のわなにはまっている。

流動性のわなを考えるとき、完全雇用状況で人々が貯蓄する量(下図のS)が、たとえゼロ金利状態でも、ビジネスに投下される金額(下図でI)より大きい場合がひとつの例となる。

0317graph

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


したがって、国の借り入れは民間投資を犠牲にし、金利を上昇させるわけではなく、これらの貯蓄の一部を動員するだけである。

核となる大惨事が日本だけでなく世界全体に広がる可能性があることを意味している。これが異常な話に聞こえるかもしれないが、流動性のわなはそのようなものだ。第二次世界大戦は大恐慌を終わらせたのだから。

 

日本に話を戻すが、私は今後の死亡者数の増大を憂慮し、世界での製品生産の混乱に神経を尖らせているが、日本が世界の債券市場に与える今後の影響にはまったく懸念はしていない。

 

 

 

 

日本人の「復興パワー」

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第11号 日本人の「復興パワー」


週1回発行
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東北地方太平洋沖地震のため遅くなりました。
投資も大事ですが、まずは皆様の安全確保でお願いします。

被災地救済・防災に有用な情報があればお知らせください。
wi@wildinvestors.com



地震が起こった金曜日(2011/3/11)はちょっとした「帰宅難民」となりました。
しかしこんなもの、被災地の方々の苦労に比べたら屁でもありません。

翌土曜日は情報を集めながら親戚・友人の消息確認。
そしてガソリンや食糧の補充と、似たような行動を取った人々も多いと思います。

いまだに連絡が取れない人々。
原発が暴走するリスク。
関東・東海・東南海地震が誘発されるリスク。

頭から離れないことばかりですが、
太古の昔から天災と向き合ってきた日本人の「復興パワー」を信じます。




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投資の話をとりいそぎ概略だけ。


[1.短期(3-6ヶ月以内)]

阪神淡路大震災(1995年)のときのように、
短期的にはリパトリエーションで円高になる可能性が強いです。

日本株にも現金化の売り圧力がかかるはずです。
消費は切り詰められ生産も落ちるので、地合いは弱くなると考えます。


しかし生産設備を破壊されていない人々にとっては
一種の「特需」が発生することなります。

海外企業が日本国内のサービスを肩代わりすれば我々も助かりますし、
短期的に彼らの利益も押し上げられます。
円高になりやすいことを除けば、短期的には日本株より外国株が有利と言えます。


日本の建設不動産・インフラ・メンテナンス産業などにも特需が発生します。
また防災意識の高まりから、思わぬところにブームが出現するかもしれません。
そういった企業は月曜日から買われると予想します。

しかし日本国内の企業は、スムーズに仕事を再開できるとは限りません。
海外企業の中にも、意外と日本に頼っているところがあります。
一過性の上昇で終わる可能性もありますので、
そのあたりを調査してから買いましょう。

短期的には厳しい期間になりそうですが、
「潰れるはずがない企業」も叩き売られるはずなので、
機関投資家や外国人が投げ切るのを待って買えばお宝になる可能性があります。




[2.中期(短期終了後から1年-2年)]

復興の動きはカネを動かし、需要を呼び起こします。
意図せざる景気刺激策のようなものです。

この動きは半年後以降のGDPを押し上げるでしょう。
日本人の復興パワーは歴史が証明しています。

このとき海外の景気がどうなっているかは不明ですが、
日本は相対的に良好なはずです。



[3.長期(それ以降)]

しかしこれは政府や民間の貯蓄をむりやりを使わせる政策ですから、
長い期間になるとひずみが出てきます。

ちょうど3年後ぐらいから拡大する日本の政府債務と、それを支える民間貯蓄の
大きさが逆転し、日本国債の調達が厳しくなる頃でもあります。

これが適度な円安をもたらすのであれば経済にとって追い風となりえますが、
金利上昇を伴ったキャピタルフライトだとキツイことになります。

今回の災害は、日本の公的債務問題のタイムリミットを短くしたと考えます。

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そのほかにも、以下のことが新たな問題として浮上するでしょう。

- 人々の喪失感・無常感。人心の荒廃。治安悪化。
- 原発への認識の変化
- 少子化・過疎の問題

しかし日本人の「復興パワー」はこれらの問題を新しい力に変えると信じています。

がんばろう!




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第二次ITバブルか? マネーはうまく回っている

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第10号 第二次ITバブルか? マネーはうまく回っている


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リビアの内戦は留まるところを知りません。

装備に勝る政府側と、数で押す反政府側が戦いを繰り広げています。

欧米諸国は資産凍結や送金停止で政府側の「虐殺」をやめさせようとしますが、
お互い必死なので止まりはしないでしょう。

これでNATOが政府側に空爆などしたら、ただでさえ複雑な対欧米感情が
さらにややこしいことになります。




いずれにしてもアラブ諸国には苦難の道が待っています。

「中東の民主化」という大きなテーマは終わりません。
すぐに民主化してハッピーエンドというのがもっともありそうにないシナリオです。


1. 戦いを経て自由を獲得するのか

2. もとの独裁に戻って不自由と引き換えに安定を得るか

3. 分裂したまま列強の食い物になるか


欧米中露などはこれを奇貨として石油権益を確保したり、武器を売りつけたり、
都合の良い人間を支援したりと裏から介入してくるはずです。

早期に決着することがあるとしたら、物価が下がったり賃金が上がったりして、
民衆が暴れる動機を失ってしまったときぐらいではないでしょうか。




さて、原油価格が上昇したり価格変動が高まったりしていますが、
今のところ先進国への影響は限定的です。

特に米国経済に関してはケチのつけようがありません。

企業のキャッシュフローは潤沢です。
M&AやIPOなども盛り上がりつつあります。
極めてうまくマネーが回っている状態」と言って良いでしょう。

SNSやクラウドなど新しいサービスはほとんどアメリカのひとり勝ちで、
他の国はその「おこぼれ」をもらうような状態
です。

日本でもM&Aが増えつつあり、パナソニックが5000億円の調達を決めるなど、
アメリカほどではないにしてもマネーがうまく回っています。



新興国が苦しむ一方で、一部の銘柄にマネーが流れ込み、
まるで「第二次ITバブル」のようになってきています。

余った資金がひと握りの銘柄に「消去法的に」流れ込むため、
極端な二極化が起こりやすい状態にあります。

これも「勝ち組IT銘柄」として組み入れています。



気になるのはECB総裁が利上げを示唆していること。

本当にやると先進国までマネーが引き締まり、
欧州ソブリン問題がさらに深刻化する可能性もあります。

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トリシェECB総裁:4月利上げの可能性示唆、「強い警戒」に言及
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ahD8_hJERkFc

3月3日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は3日、インフレ圧力に対抗するため4月にも利上げに踏み切る可能性を示唆した。その場合はほぼ3年ぶりのECB利上げとなる。(以下略)
============================================================


また新興国の混乱は短期的に先進国を潤すことはあっても、
長期的には需要が減退し利益を減らしてしまいます。

マネーの流れが止まれば、先進国も安心できません。



そういったリスクを踏まえつつも、基本は株ロングで大丈夫と判断します。

月末の「新興国株の突っ込み買い」では、うまく拾えたものもありました。

引き続きキャッシュフローが潤沢な銘柄や勝ち組銘柄でポートフォリオを作っていきます。



以下は気になるチャート



先進国株価は何とか上昇トレンドを維持。
新興国は戻りまちまち。MajorEq2f1_20110304


中東の株価はやはり厳しい。
下図はサウジだが、チュニジア・エジプト・アルジェリアも同様。

やや理由は異なるがトルコも下がっている。

MAchartEqEMEAvsMXWO1f74_20110304



対照的にロシアはウハウハ。

原油採掘コストが高いので、それを上回るとコールオプション的のように上がる。
MAchartMajorEqvsMXWO1f11_20110304



米国のセクターではエネルギーが牽引。
これだけ見ると「もう、終わりだね」と歌が聞こえてきそうだが・・・。SPX10sctrs2f1_20110304



見づらくて申し訳ないが、米国テクノロジー銘柄の対業種指数株価。
この中でも二極化が進んでいる。

[好調]
アップル、EMC、テキサスインスツルメンツ、オラクル

[不調]
シスコ、HP、マイクロソフト
RELchartGICS1f8_20110304

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