ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

2010年12月

債券のロールダウン効果


イールドカーブが右肩上がりのときに見られる、
時間の経過による金利低下効果のことです。

たとえば2010年12月16日時点の米国債イールドカーブはこのようになっています。

YCT20101216
10年金利は年3.48%の利回りで、それだけ見たら「たいしたことない」と思うかもしれません。

しかしよく見ると、すぐ上の9年金利(直線補間)は3.266%です。

ということは、このイールドカーブの形が変わらないと仮定するなら
10年債の金利は1年で0.22%程度低下するということです。

仮にいま利回り3.483%(クーポンも同じ)の10年債券が100円で発行され、
1年後に利回り3.266%の9年債になったとすると、価格は101.666に上昇します。

つまり今後1年は3.483%のクーポンに1.666%の値上がり益がプラスされる。
合わせて5.149%のリターンが期待できるということです。

これ「ロールダウン効果」とか「イールドカーブを(左側に)滑り落ちる」などと表現します。


このような現象は当然、イールドカーブが右肩上がりのときほど激しくなります。

下図は上の表の最終利回りと、ロールダウンを考慮した利回りをプロットしたものです。


YC20101216
利回りが飛んでいるところは直線補間しているのでロールダウン利回りが凸凹してしまってますが、7年・10年といったところが5%近いロールダウン利回りを示しリターン/リスクが有利に見えます。

おそらく投機筋がパニック的に売ったか、コンベクシティヘッジが出たのではないかと想像します。


このロールダウンを考慮した債券投資戦略は、短期金利の低位安定が続いた日本市場で長いこと有効でした。

逆に短期金利がこれから上昇するときには、「イールドカーブの形が変わらない」という前提が崩れてしまうので足元をすくわれることになります。




はじめに ワイルドインベスターズ設立の経緯

なぜ、銀行や証券会社は投資商品のコストやリスクについて教えてくれないのか?

なぜ、中身は同じ投資なのに税金が違ったり手数料が違ったりするのか?

疑問に思っている人は多いと思います。


答えは簡単で、「そんなことを教えても得にならないから」です。

コストやリスクについて詳しく教えてしまったら、
お客さんがその商品を買ってくれなくなるかもしれません。

このご時勢に成績が上がらなければクビになってしまいます。
金融機関の人が心を痛めながら商品を勧めていることだってあるのです。

その結果、投資家にとってあまりお得でない商品が爆発的に売れたり、
逆に良心的な商品がひっそりと消えたりします。


「知らない人は気づかないうちに損ばかりし、
知っている人は自分で考えて資産を増やしてゆく」

短期的にはそれで何の問題もありません。
もともと投資というのはそんな世界です。


しかし視野を広げ、長期的に考えると少し話は違ってきます。

というのも日本の投資家や投資業界が未熟なままだと、
国全体がカモにされるからです。

すでにその兆候はいたるところで見ることができます。
短期的には平和でも、長期的にはみんなで大損です。

根本的な投資教育や価値観から立て直して行かないと、
この先厳しくなるばかりだと思うのです。


そんな思いから本を書いてから8年、
ワイルドインベスターズ会社を設立して4年半が経ちました。

私たちの本業は投資アドバイスです。

会員サイトでは投資レポート・チャート集・世界のETFリストなどを発行し、
様々な相談事にもお答えしています。

しかしそれらのサービスは手段でしかなく、目的ではありません。
私たちの真の目的は、投資教育や情報発信を通じて日本を繁栄させることなのです。


したがってこのブログでは

- 本質的な投資家教育
- グローバルなものの見方、考え方
- 投資に隠されたコストとリスク
- 税制

などのネタを中心に提供します。

私たちは業界でもちょっと変わっているのかもしれません。
しかし内情を知りつつ少し距離を置いているからこそ、
率直でディープな話ができると考えています。



ともあれ、まずはこのブログを「おカネの主治医」だと思って
読んでみてください。

すでに信頼できるアドバイザーがいるのであれば、
セカンドオピニオンとして利用してもらうのも大歓迎です。

本業が忙しいあなたの邪魔にならぬよう、さりげない形で
充実した人生のお手伝いをいたします。

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