ワイルドインベスターズ投資ブログ

     ~ グローバル投資への扉 ~   関東財務局長(金商)第1173号

ソブリン危機は「ウ○コ漏れそうなとき」に似てる

(この記事はDeepInside2010年12月号から抜粋したものです。
ここにも書いたように、欧州ソブリン問題は蒸し返されるたびに深刻さを増して行きます。日本もそうでしたが不動産バブルが崩壊すると、かなり後まで尾を引いてしまうのです)


いきなりお下劣なタイトルですみません。

最近はメルマガもレポートも他人行儀な書き方になってきたので、自分を鼓舞して原点に立ち返るためにやってみました。

言いたいことは書いてあるとおりですが、野暮を覚悟でご説明します。

不動産バブル崩壊などで不良債権が積み上がると、待っているだけでは普通は解決しません。それ自体が資金を固定化し、調達コストを上げ、銀行などの貸し手からキャッシュフローを奪ってゆくからです。よほどの幸運や自助努力で解決することもありますが、それは非常に稀です。

そういった国や銀行には循環的に「危機」が襲ってきます。

ひとつのヤマを超えて落ち着いたなと思っても、根本が解決していないので次の危機はより大きな波となって襲ってきます。それを何とかしのいだと思っても、次はさらに大きな波が襲ってきます。いつ終わるかというと、「出さないと終わらない」のです。これが「ウ○コ漏れそうなときと似てる」と書いた理由です。

(図3)は欧州などの5年ソブリンCDSスプレッドです。

(図3)欧州ソブリンCDS    (出所:Bloomberg)
白=フランス、スペインイタリアポルトガル日本ギリシャアイルランドアイスランドハンガリールーマニアドバイリトアニア

PIIGSsovCDS


PIIGS問題が認識されたのは去年の終わりごろでしたが、それらの国のCDSは2月、4月、6月、9月、11月と循環的に上がってきました。
ギリシャは国の規模が小さいですし、もともと下痢(借金体質)がひどかったので真っ先に漏らしてしまいました。

しかし真っ先に飛ぶところはしばしばラッキーだったりします。

まだみんなに余裕があって、親身になってケツを拭いてくれるからです。

他の国も余裕があるふりをしてギリシャの世話をしますが、実は自分もじわじわと臨界点に近づいているのです。しかし自分からトイレに行くことはできません。

なぜなら「こんなになるまでウ○コを溜めた責任を取れええ!!!!」とライバルの経営者や政治家に攻撃されてしまうからです。

今回はアイルランドがネタでしたが、次はポルトガルになるでしょう。以前から言っているように、ユーロ圏で最大の問題はスペインです。ここがお漏らししてケツを拭くときにユーロがどうなるかわかりませんが、そこまで来てはじめてこの問題は一巡したといえるでしょう。

今月(2010年12月)に入ってスペイン株は急騰しています。しかしこういった株は下落トレンドの中でときおり急騰する傾向があるので、底打ちしたと判断するのは危険です。

日本の例でもわかるとおり、不動産バブルの傷は深いのです。

(以下略)

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債券のロールダウン効果


イールドカーブが右肩上がりのときに見られる、
時間の経過による金利低下効果のことです。

たとえば2010年12月16日時点の米国債イールドカーブはこのようになっています。

YCT20101216
10年金利は年3.48%の利回りで、それだけ見たら「たいしたことない」と思うかもしれません。

しかしよく見ると、すぐ上の9年金利(直線補間)は3.266%です。

ということは、このイールドカーブの形が変わらないと仮定するなら
10年債の金利は1年で0.22%程度低下するということです。

仮にいま利回り3.483%(クーポンも同じ)の10年債券が100円で発行され、
1年後に利回り3.266%の9年債になったとすると、価格は101.666に上昇します。

つまり今後1年は3.483%のクーポンに1.666%の値上がり益がプラスされる。
合わせて5.149%のリターンが期待できるということです。

これ「ロールダウン効果」とか「イールドカーブを(左側に)滑り落ちる」などと表現します。


このような現象は当然、イールドカーブが右肩上がりのときほど激しくなります。

下図は上の表の最終利回りと、ロールダウンを考慮した利回りをプロットしたものです。


YC20101216
利回りが飛んでいるところは直線補間しているのでロールダウン利回りが凸凹してしまってますが、7年・10年といったところが5%近いロールダウン利回りを示しリターン/リスクが有利に見えます。

おそらく投機筋がパニック的に売ったか、コンベクシティヘッジが出たのではないかと想像します。


このロールダウンを考慮した債券投資戦略は、短期金利の低位安定が続いた日本市場で長いこと有効でした。

逆に短期金利がこれから上昇するときには、「イールドカーブの形が変わらない」という前提が崩れてしまうので足元をすくわれることになります。




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